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魔法少女リリカ

魔法少女リリカの引退

作者: 山田裕子
掲載日:2026/07/25

川沿いの遊歩道は、私のお気に入りの散歩道だ。

木々がところどころに生え、心地よい木陰を作っている。

川には、水鳥などもいて、のどかな風景が広がっている。

ほかにも何人か散歩をしている人がいる。

私の少し前には、買い物袋を下げた女性が歩いていた。


急に叫び声がした。

見ると、川で人がおぼれている。

前を歩いていた女性が突然服を脱ぎ、魔法でパンツスーツ姿になると、空へ飛び立った。

そしておぼれた人を救い、救命措置をした後、病院の方にその人を運んで行った。

都市伝説だと思っていた『魔法少女リリカ』だ、きっと。


私は、呆然と彼女の姿を見送り、買い物袋と服を預かって、その場で帰りを待った。

やがてリリカは帰ってきた。

周囲を見回し、服と買い物袋を探していた。


私が、


「これをお探しでしょう?」


と声をかけると、


「えっ、預かってくれていたの?

ありがとう!もうないかと思ってた。

お気に入りのワンピースだったの。

わざわざ預かって、待っていてくれてありがとう!」


リリカは、満面の笑みで私に感謝の言葉を伝えた。

そのまま二人で連れだって、遊歩道を歩いていく。


「魔法少女リリカって、都市伝説かと思っていました。

本当にいたんですね。」


「もっと小さいときに女神さまから任命されたんだけどね。

そんなに大事件を解決したわけじゃないから、あまり知られていないの。」


「さっきの人命救助だって、立派な人助けです。

あなたがいなかったら、あの人は死んでいたかもしれない。」


「そう言ってくれて、嬉しいわ。

でもそろそろ引退したいの。

もうじき結婚するの。

家庭と魔法少女の両立って難しいでしょう?

もう魔法少女って年でもないし。」


「そうだ!良かったらあなたがやってみない?

ずっと荷物の番をして待っていてくれるくらい親切なんだもの。

きっと人助けに向いているわ。

お名前はなんていうの?」


「シオンです。でも......私には無理だと思います。」


「そんなことないわ。そんなに難しく考えないで。

女神さまに推薦しておくわねー!

それじゃあ、ここで。」


リリカは元気よく手を振りながら走り去っていった。

戸惑う私を残して。


「......冗談、だよね?」


その後、女神さまからの任命はまだない。

きっと女神さまも決めかねているんだろう。

史上初の『魔法少年シオン』を誕生させるかどうか。

パンツスーツだからいいけど、さすがに女装が趣味の私でもフリルたっぷりのミニスカートは遠慮したい。

変身後の衣装は、選ばせてもらえるんだろうか?

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