【第17話「真実の先へ!叫べ、オレたちのダンコン」】
あらすじ:
ダンコンソムリエの真意が明かされた。彼女の目指す“理想のダンコン”は、全ての男たちを均一にするという危険な思想だった。
タカフミたちは、多様性と友情の象徴として――最後のダンコンロンパに挑む!
冷たいコンクリートの地下ホールに、理事長――ダンコンソムリエの声が響いた。
「タカフミくんたち。あなたたちは立派だったわ。でも、その才能こそが世界を歪めるの」
彼女の背後には、巨大なコアが静かに起動している。
“プロト・ダンコン・コア”――個性を吸い取り、理想の平均へと統一する装置。
「私は、完璧を作りたいの。誰も劣等感に悩まず、誰もが誇りを持てる世界。個性なんて、争いの種よ」
タカフミが一歩前に出る。
「でも、それって本当に幸せなんですか? みんな同じって、それって自分じゃない!」
リュウ、マガリ、ウラヌス斎、スメ郎が背後から力強く立ち上がる。
「俺たちは、曲がってても、匂ってても、それを“誇り”に変えてきた」
「裏筋だって芸術だ」
「汗も、形も、個性だよ」
「完璧より、“俺”でいたいんだ!」
ソムリエが目を閉じ、ため息をつく。
「ならば、最後の裁判をしましょう。『真のダンコンとは何か』――その答えを、あなたたちで証明してみせて」
⸻
地下ホールに再びジャスティス=ジャッジのシステムが起動する。
「最終裁判、開始。テーマ:ダンコンの本質とは何か?」
彼らは一人ずつ、壇上で自分の“答え”を語る。
リュウ:
「美しさは、直線だけじゃない。想いを込めた形、それが“カタチ”だ」
マガリ:
「芸術は、偶然と努力の積み重ね。俺のC字は、努力の証だ」
ウラヌス斎:
「裏側こそ、真実だ。見えない部分の積み重ねが、人をつくる」
スメ郎:
「香りは、記憶。オレは誰かの記憶に残る、それが誇りだ!」
そしてタカフミ:
「ダンコンって、ただの形じゃない。努力、友情、悩み、夢……全部が詰まってる。だから俺たちは――“自分自身”で戦いたい!」
会場のモニターが輝き、ジャッジの声が鳴り響いた。
「最終判定――全員、無罪。多様性こそ、真の答えである」
⸻
理事長――ダンコンソムリエがゆっくりと立ち上がった。
「……あなたたちの答え、しかと受け取ったわ。私は……少し急ぎすぎたのかもしれないわね」
彼女は微笑み、静かに背を向ける。
「世界を変える力があるわ。あなたたちなら。これからも、進みなさい」
コアの光が消え、騒動は終わった。
⸻
【エピローグ】
学園に戻ったタカフミたちは、静かに空を見上げる。
「なんだか……ひと区切りついた感じだな」
「でも、終わりじゃない。ここからが、新しい始まりだ」
「オレたちはまだ……伝説にはなってないからな」
仲間たちは笑い合う。
その時――校内放送が流れた。
「ピンポンパンポーン♪ 全校生徒に告ぐ。来週より、特別プログラム“ダンコンラップフェス”を開催します!」
「ラ、ラップぅ!?」
「え、急に!? しかも……俺、韻踏めないんだけど!」
「汗のリズムで乗り越えるのさ!」
新たな戦いが――幕を開ける!
【次回予告】
18話「Yo!Yo!ダンコンラップ!フリースタイルで勝負だぜ!」
突如始まる“ダンコンラップフェス”!
テーマは友情? 努力? いや、やっぱりダンコン!?
笑って、叫んで、汗だくで乗り切れ! 小学生も大爆笑の新章スタート!




