【16話「失われた誇り!封印されたダンコンの謎」】
あらすじ:
ダンコン裁判を経て、仲間との絆を再確認したタカフミたち。しかしその夜、学園に不穏な気配が忍び寄る。
理事長室から発見された古い設計図と、地下へと続く封印された階段。そこには――ダンコンの“過去”が眠っていた。
タカフミたちは“禁断の部屋”へと足を踏み入れる。
「タカフミ、これ……見てくれ」
真夜中の学園。マガリが理事長室から持ち出した古文書を差し出した。ページはボロボロで、何世代も前に書かれたものらしい。
「“プロト・ダンコン計画”…?」
タカフミが読み上げると、ウラヌス斎が眉をひそめた。
「それって……最初のダンコンを作ろうとしたプロジェクトってことか?」
「たぶん……人工的に“理想”を造ろうとした記録だ。でも、どこかで失敗して……」
その瞬間、スメ郎が鼻をくんくんと動かした。
「この紙……地下の階段の奥と同じ匂いがする。古くて、封じられた場所の匂いだ」
リュウが静かに立ち上がる。「行こう。そこに、俺たちの答えがある」
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地下。封印された階段の奥。
そこは冷たい石造りの空間だった。壁には奇妙な壁画。中央には――巨大な球体の装置。
「これが……“プロト・ダンコン・コア”」
ジャスティス=ジャッジが突如、空間に姿を現した。
「警告:この装置は、100年前に“ダンコンの標準化”を行うために開発された。しかし、暴走。理想を追いすぎて、“個性の死”を招いた」
「標準化……?」タカフミがつぶやく。
「そう。全員が同じストレートな形、同じサイズ、同じ匂い。だが、それは失敗だった。多様性の否定が、ダンコン文化を崩壊させかけた」
全員が言葉を失う中、マガリが前に出た。
「今の俺たちがあるのは……その反省の上に立ってるってことか」
「その通り。ゆえに、この装置は封印された――だが、今、誰かが再起動させようとしている」
突然、警報音が鳴り響いた。
「再起動プロトコル、進行中。再起動まで――48時間」
「誰だ!?誰がこんなことを――」とリュウが叫ぶ。
「答えは……ダンコンソムリエ。あの人は“純粋な理想”を追っている。全てのダンコンを、完璧にするために」
衝撃が走る。
「理事長が……?」
「彼女は、選んだのだ。君たち“特上の三本”を、理想のサンプルとして保存する未来を」
タカフミは拳を握る。
「そんなの……間違ってる。俺たちは、誰かの“見本”になるために戦ってきたんじゃない!」
「行こう」とリュウ。「俺たちで止めるしかない」
「個性を守るために、俺たちは戦う!」ウラヌス斎の目が光った。
「汗と……匂いの誇りを懸けてな!」スメ郎がにやりと笑った。
そして彼らは走り出した。ダンコンを、未来を、仲間を守るために――!
【次回予告】
17話「理想か、個性か――最終選択のとき」
ついに姿を現すダンコンソムリエの真意。
彼女が語る“完璧な未来”とは? そして、リュウ・マガリ・スメ郎の運命は?
決断の時が、迫る――!