14話「友情の試練」
【あらすじ】
謎の試練「ダンコンロンパ」が始まり、タカフミたちは第一の課題を乗り越えた。だが試練はまだ続く。次に与えられたのは“友情”をテーマにした課題。互いの違いを受け入れ、信頼を深めることが試される。学園内に張り巡らされた疑心と葛藤の中、タカフミたちは本当の仲間になれるのか――。
校舎に張り詰めた空気が流れる中、タカフミたちは次なる指令を受け取った。ホログラムに浮かぶ文字。
「試練二:友情を見抜け。真実の仲間は誰だ?」
「これ……どういう意味だ?」マガリ・カーブが額にしわを寄せる。
「おそらく、俺たちの中に“嘘”をついてるやつがいる、ってことじゃないか?」リュウが冷静に分析した。
「そんな……俺たち、仲間じゃなかったのか?」ウラヌス斎が目を伏せる。
スメ郎は、黙ったままコートのポケットから香り付きティッシュを取り出し、鼻をかんだ。
「ひとまず、集めよう。お互いの“ダンコン観”を正直に話そう。それが突破口になるはずだ。」タカフミは皆を信じ、テーブルに手を置いた。
それぞれが、自分の想いや信念を語り出した。
リュウ:「俺にとってダンコンとは、“美しさの象徴”だ。まっすぐな姿は、誰にも媚びない誇りだと思ってる。」
マガリ・カーブ:「でも、それは一部だよ。俺は“個性”が一番大事だ。曲がってるからこそ、深く人の心に残るんだ。」
ウラヌス斎:「俺は……その裏にあるものに価値を感じる。“隠された魅力”って、すごく大切だろ?」
スメ郎:「俺は……匂いって、記憶と結びついてるんだ。だから忘れられない“ダンコン”がある。通じるやつにはわかるはずさ。」
タカフミ:「……俺は、どれも間違ってないと思う。それぞれが“信じてる道”を進んでるだけだ。なのに、試練がそれを“疑い合え”って……そんなの、違うだろ!」
すると、教室のスピーカーから機械音声が響いた。
「正解。タカフミ、君は真の“友情の目”を持っていた。試練二、クリア。」
仲間たちは目を見開いた。疑うことなく信じたタカフミの心。それがこの試練の鍵だったのだ。
「やったな、タカフミ!」リュウがにやりと笑う。
「お前の言葉、沁みたぜ……」マガリ・カーブが涙ぐむ。
「くっ……鼻が……スメルオイルのせいじゃないからな!」ウラヌス斎が涙をぬぐい、笑った。
「お前ら、ほんと……いい匂いのする友情してるぜ……」スメ郎が呟いた。
こうして、タカフミたちは試練二を乗り越えた。
しかし、まだ“ダンコンロンパ”は終わらない――。
【次回予告】
15話「裁かれる個性!ダンコン裁判開廷!」
次なる試練は、模擬法廷!?生徒の“ダンコンの在り方”をめぐり、全員が原告・被告・証人となって真実を暴く裁判が始まる!
果たして、個性は罪か?正しさとは何か?――堂々の法廷バトル、開廷!




