第12話「開幕!ダンコンロンパ学園裁判!!」
あらすじ:
未来ダンコン学園に突如告げられた謎の“事件”。
学園中に響き渡った「ダンコン裁判」の開廷アナウンス。
選ばれしダンコンたちによる――命がけの討論が、今始まる!!
【本編】
目覚ましのアラームが鳴るよりも早く、タカフミは目を覚ました。
部屋の窓から差し込む朝日が、制服に袖を通す彼の顔を静かに照らす。
(昨日、あの理事長が言ってたこと……本気だったんだな)
「今後、君たちには“試練”が課されます」
「それは、真実とダンコンの尊厳を守るための、極秘プログラムよ――その名も…ダンコンロンパ」
あの言葉が、頭から離れない。
いつもなら賑やかな朝の学園。
だが、今日は妙に静かだ。
不気味なほどに。
廊下に出ると、すでに何人かの生徒たちが集められていた。
リュウが真剣な目で周囲を見回し、マガリ・カーブは腕を組んでうつむいている。
スメ郎はいつものポケット芳香剤を手に握りしめ、ウラヌス斎は「裏で見た、夢の話」をぼそぼそと繰り返していた。
「なんだこれ……まさか、本当に始まるのか?」
タカフミがそう呟いた瞬間だった。
突然、校内放送が響き渡る。
『ピンポンパンポ〜ン♪』
『おはよう、未来ダンコン学園の生徒諸君。これより、“第一回 ダンコン裁判”を開始します』
放送の声は、妙に明るく、そしてぞっとするほど無機質だった。
『ルールはカンタン。犯人を見つけなきゃ、全員がオシオキされちゃうよ?』
「オ、オシオキ……?」
「な、なに言ってんだよ……学園が、裁判で……?」
すると目の前の教室のドアが、ひとりでに開いた。
中は円形のホールのような作りになっており、中央には“審判席”が据えられている。
そして、壁には大きく赤字でこう書かれていた。
『この中に、真実を隠しているヤツがいる』
「まさか、誰かが嘘をついてるってことか……?」
リュウが静かに呟いたそのとき。
理事長――ダンコンソムリエが姿を現す。
「皆さん、ようこそ。ダンコンの未来を担う者として、あなたたちには“見極める力”が必要なのです」
「見極める……?」
「そう。“真のダンコン”とは、ただ強く、美しく、香るものではない。誰よりも己の誇りに正直でなければならないのです」
「そのための…この“ダンコンロンパ”です!」
理事長の言葉に、場の空気が一気に張りつめた。
(オレたちは……なにを試されてるんだ?)
「タカフミくん、あなたにはこの“第一回裁判”の“推理係”として活躍してもらいます」
「……マジかよ……」
こうして始まった――未来ダンコン学園最大の事件。
己の信じる“ダンコンの真実”をかけて戦う、極限の頭脳戦と心理戦!
それは、学園の“闇”を暴く試練であり、
そして真のダンコンマスターになるための通過儀礼だった――。
【次回予告】
次回、「消えた矯正器具!ダンコン密室事件!?」
伝説のストレート・リュウの秘密が今、暴かれる!?
涙あり、汗あり、なぜかカレーの匂いもするダンコン推理劇、開幕!