表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

僕は遊びで付き合った女の子に、“子供がデキちゃった”と言われ、不意にそのお腹の子を堕ろしてほしいと言ってしまう。

作者: 七瀬






僕は遊びで付き合った女の子に、“子供がデキちゃった”と言われ、

不意にそのお腹の子を堕ろしてほしいと言ってしまう。


僕が高1年生の時の話だ!

その頃の僕は、ただただ彼女が欲しくて誰でもよかったと言われれば、

そうなのかもしれない。

僕の周りの男友達もチラホラと彼女がデキ始めて、僕は羨ましく

想っていたし、何より男女の関係に凄く興味があったんだ!



だから僕は、男友達の彼女に学校の女子を紹介してもらい、

付き合いはじめる。

正直、“相手の女の子を僕が好きとかどうなんて分からない!”

まともに恋愛もした事がないし、それまでに付き合った女の子も

いなかったからだ。


“ただ、興味本位というか?”

僕は男子校では、クラスの半分ぐらいが“初体験を済ませていた!”

僕も早く初体験を終わらせたかっただけだ。

正直、体験した奴らは“輪”が出来るというか。

僕みたいな女の子と付き合った事もない男子は、その輪に入れない

と言うか、、、?

だから僕は焦っていたのかな?

僕は直ぐにでも彼女を作って“初体験を済ませたかった。”



・・・それなのに、まさか? そんな事になるなんて!



『ねえねえ、私のどこがスキ?』

『えぇ!? 顔かな。』

『えぇ!? 私の顔が好きなの?』

『“まあね、僕は面食いな方だと思うから。”』

『なんか凄く嬉しい!』

『そう?』

『うん。』

『“でも、なんで今日は急に今から会いたいって言ってきたの?”』

『“大事な話があって、”』

『えぇ!? 大事な話、、、?』

『“あのね、お腹の中に赤ちゃんがデッキちゃった。”』

『えぇ!? マジで?』

『・・・ううん、』

『・・・・・・』

『どうしたらいいと思う?』

『“そのお腹の子を堕ろしてほしい!』

『えぇ!?』

『ごめん、別れてくれないか。』

『・・・そ、そんな、』

『まだお互い高校生だろう! そんな急に子供がデキたって言われて、

素直に喜べると思うか?』

『・・・そ、そうかもしれないけど、でも、私は産みたいの!』

『ダメだ! 絶対に堕ろした方がいいって、こんな歳で子供なんか産んで

どうするつもりなんだよ、高校中退して働く気か? 子供を本当に育てて

いけると本気で想ってるのか?』

『だから二人で、』

『僕は嫌だね、高校中退なんかしないよ! 君もお腹の子は諦めるんだ!』

『“・・・本当にそれでいいの?”』

『えぇ!?』

『“私のお腹の中で、まだ人間のカタチもしてはいないけど、スクスクと

日に日に大きくなっていくのよ、貴方は“一人の人間”をそう簡単に殺せるの?”』

『・・・そ、そんな大げさな、』

『私のお腹に居る子は、人間なのよ! 人を殺すと言って何が間違ってるのよ!』

『もう君の好きなようにすればいいよ、僕にはもう関係ない話だ!』

『“じゃあ、勝手にするわよ!”』

『あぁ、好きにしろよ!』

『そうね、もう貴方とは二度と会うことはないと思うわ!』

『あぁ!』





・・・こうして僕と彼女は、“喧嘩別れしてしまう。”




あれから10年経ったが、未だに彼女と連絡を取る事が出来ないでいる!

彼女はお腹の子をあの時、産んだのだろうか?

それともやっぱり堕ろしたのかな?

勿論! 本気で彼女を探せば、簡単に見つかるかもしれない!

探偵とか何でも屋みたいな人に頼めば、彼女を見つけてくれると思う!

ただ僕は怖いんだよな。

そう怖いんだ!



もし? 彼女があの時、“子供を堕ろしていたら、、、?”

彼女が言った通り、“僕は一人の人間を殺した事になるのだろう!”

【僕は人殺しだ!】

彼女やお腹の子に責任を持てず、自分にさえ責任を持てなかった!

あの時の僕は本当に幼く幼稚で自分勝手だったんだ。



でも彼女は違う!

お腹の子に責任を持ち、一人でも子供を産むと言った!

僕にはない考え方だったから? 僕は少し怖気づいてついあんな事を

言って彼女を傷つけてしまった。



だけど? もし、あの時のお腹の子を産んで彼女が今も育てていたなら?

一度でいい! 僕がお父さんと言わなくてもいい!

ただ一度だけ、自分の子供に会ってみたい!

男の子でも女の子でも、どちらでも僕は受け入れるよ。

元気でスクスクと育ってくれていればそれでいい。



僕は現在、26歳になった。

あの後から、一度も僕は新しい彼女を作ったことがない!

これから先も、僕は彼女を作る事がないだろう。

これは、“僕の彼女への償いだと想っているから誰とも付き合う気がないんだ!”



僕には、一度も会った事のない子供がいる。

その子の為にも、今はその子に僕の財産を残せるように仕事を頑張るしかない!

いつか、その子と逢えると信じて......。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ