私の神様は精霊
「そちらの若は、大樹の精霊 青嵐様と氷雪の精霊 淡雪様の末のご子息に在らせられます。」
・・精霊。
やっぱり神様は、『神様』じゃなかったのか。
ちらりと神様を見上げると、ニコニコと笑顔でほおずりされる。
いや神様、ほおずり催促したんじゃないから。
「こほん。精霊は自然界の気が集まる事で誕生いたします。形作られた精霊は名付けを行う事で、その自我が確固たる物となるのです。ところがこちらの若様は、名付け前に行方知れずとなられ・・。
我等、眷属総出で、若様をお探ししておりました。」
よよよ、とわざとらしくハンカチで、涙をぬぐうふりの揚羽。
「名付けが済まなけれは、ろくに術も使えません。ご自身を守るすべも持たない若をどれだけ心配した事か。」
あー、それで神様はそれらしい事が何も出来なかったのか。
勝手にポンコツ呼ばわりしちゃって、ごめんね。
ん-?じゃあ神様限定で使える、私のあの力は、何だろう?
「まさか、こんな不浄の多い界に若様がいるとは思ってなくてさ。捜しに来るのが遅くなっちゃったんだよ。はぁーホント無事で良かったー。見る限り穢れも無いようだし一安心だねー。」
呑気に大福を頬張りながら、緊張感の欠片もない蜘蛛彦。
うーん、見てて楽しいコンビだ。
ニコニコと次の栗饅頭を指さす神様。
はいはい、あーん。
「今の若のこの状態は、しいて言えば無垢な幼子の様なものなのです。」
幼子?この180㎝の美青年の神様が?
子犬属性なのは、幼児だからなのか・・そう言われると納得できるなぁ。
幼い子供が行方不明。
親御さんはそりゃ死ぬほど心配してるよね・・。
「・・そっか。神様良かったね。お父さんとお母さん待ってるって。」
神様の腕をポンポンと叩く。
きょとんとする神様。
「わかる?神様は本当のお家に帰るの。私とはお別れって事だよ。」




