私の神様は神様
おっかなびっくり座敷に向かうと、髪も狩衣も、見えている肌も、何もかもが真っ白な神様が、こじんまりしたうちの座敷の、古びた座布団に座していた。
・・わぁ・・異空間・・・・。
顔の前にも白い布を垂らしていて口元以外は見えない。
くっついた神様を気にする事無く、白い神様は綺麗な所作で挨拶を交わす。
「突然お伺いいたしまして、驚きかと思います。私、空くうと申します。
神の人事管理部門の職員と言えばご理解いただけますかな?」
人事管理・・一気に世俗感が・・。
さすがに名刺は出てこないけど。
「そちらの雪幸ゆきさち様は、元は精霊であられましたが、名付け前からこちらで祭って頂けた事で、神格を得るに居たり、此度正式に神の座のお迎えが決まりました。神格を得たとて、神として学ぶ事はこれからです。
こちらのお社から通う申請が受理されました事を、社主であられる宮原殿にご報告に参りました。
また、宮原家の御二方も知らず神気をまとい続けた事で、厳密には人ではなくなりました。
ゆくゆくは現世からひいて頂く事になります。その辺の処理調整はこちらで承りますのでご安心下さい。
奈津殿に於かれましては、雪幸様の伴侶としての登録も併せて受理済みでございます。」
「・・・・。」
情報量過多に、しばし内容を咀嚼。
えー神様が本当に神様になって、神様業務を学ぶ為うちの社から通う、んで、私とじーちゃんは神気を浴び過ぎて人じゃなくなった・・?
で、私と神様との婚姻届けを受理済?
バッと神様に顔を向ける。
「・・奈津ずっと一緒にいてくれるっていったよ。・・違うの・・?」
くうっ!捨てられた子犬が見える。
言った!確かに『うん』言ったけれど!
伴侶!私が?この人外美人の?