2話 能力と別れ
「では勇者様たち、能力開示と言っていただけますか?」とシルさんが言うと、みんなが「「「能力開示」」」と言った。俺も「能力開示」というと、黒い画面が出てきて、
名前 神崎 零
称号 なし
職業 賢者
能力 普通能力 生活魔法
上位能力 偽装
特殊能力 神之眼・全魔法適正・魔力無限・学習
と出た。これってすごいのかな?と思っていたら、「すげぇ」という声が上がる。声のほうを向くと、天響が囲まれていた。天響の能力を見ると
名前 風神 天響
称号 魔王を討つ者
職業 勇者
能力 特殊能力 光魔法・武術・勇者之力
だった。それを見たシルさんが、「勇者はあなたですか。賢者は誰ですか?」と聞いてきた。俺は手を上げそうになったが、今ここで俺が賢者ということを知られると、クラスのカースト底辺の俺が特別な職業ということで妬みの目で見られることを予想してしまった。そこで俺は『偽装』能力を使い、職業を【村人】、称号を【召喚に巻き込まれた者】、スキルをなしにした。
シルさんが『鑑定』能力で全員を見る。俺を見た瞬間、2度見し、「役立たずはいりません。あの扉に入りなさい。」といい、大きな黒い扉を指した。それを見た天響が「なぜ零は見放すんですか?」と聞くと、シルさんが「役立たずだからですよ」という。「勇者様あなたもこのような者と縁を切りなさい」という。
天響が何か言おうとしたが、その前に俺が「わかった縁を切ろう」といい、
扉に入っていった。天響が「零っ‼」と叫んだが、俺は無視し、入っていった…