井の中の蛙大海を知らず されど空の青さを知る
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外乾燥してますしね
尾坂美鈴はきっととても純粋な女の子だろう。
それは俺が今まであったことのある人間の中でも隋いつのものといえる。
だからこそ落胆し、心を閉ざしてしまった人間。
今でいう佐野直美に対して励まし、鼓舞させることで佐野を立ち直らせることが本当にできる
と信じている。あながちその方法は間違ってはいない。だが尾坂美鈴のやり方では
佐のを救いだす事は出来ない。この世界、この社会、人間はひどく残忍で、そして惨酷なのだ。
しばらくすると、しょんぼりと頭をうなだれた尾坂が戻ってきた。
「どうだった…」
「失敗。何を言っても『帰ってください』の一点張り」
やっぱりか。
尾坂は陰鬱な表情を顔に浮かべたままその体を微動だにせず椅子に腰かけて
うずくまっていた。無理もないだろう。
間接的にだが、自分の、尾坂美鈴の信じていたもの。
つまりは彼女の”世界はとても純粋で、美しいもの”という考えが
佐野 尚美によって否定されたのだから。きっとそれは今まで
世界の綺麗な部分しか見てこなかった尾坂に酷烈なダメージを与えたのだろう。
まぁ、俺には関係ないのだが。
「大丈夫か、尾坂」
「はい、大丈夫です横野先生」
「ほんと大丈夫?美鈴ちゃん」
「ん、大丈夫。いつも元気なことが私のモットーだから」
そう言う尾坂の顔は痛々しげで、強がっているのだと感じさせた。
「で、でも」
「おい、そろそろいいころ合いだろ。行ってきててやれ。上本」
「え、なにがすか。先生」
「それ分かっていってるだろ」
「流石ですね。先生。ばれてましたか」
「お前ほんと性格悪いよな」
「その発言教師としてどうなんですか」
「ほら、行ってこい」
「分かりましたよ。先生」
「上本君、頑張って!」
「どうか、うちの子を、助けてやってください」
「おぅ」
「頑張ります…ください」
「そんなに…無理しなくていいぞ、尾坂。今はゆっくり休んどけ」
「お気遣い…感謝します」
そう。俺は知っている。この問題の打開策、もとい解決策を。
階段を上り、2階にある佐野の部屋の前へと歩いていく。
ドアをノックして、様子をうかがう。
しばらくしても佐のからの返事はない。
強引にやるしか…ない…か。
「なあ、これだけでもいいから聞いてくれ」
「なんですか…早く帰ってください。余計なおせっかいはいりません」
「おまえ、このことわざ知ってるか?」
「お説教ですか?いいから帰ってください」
「井の中の蛙大海を知らず」
「は?」
次回 佐島 尚美
乾燥と感想かけてみました