嵐の前の静けさ
今日も俺は部活動に真面目に励んでいる。
こういうといかにも青春を謳歌している学生のように聞こえるのだが
実際のところは社研部室は女子会を行う場となっており、
居場所のない俺は通常通り隅っこで読書や勉学(宿題を終わらせる事)
に励む始末になってしまっているという訳なのである。
そんな優等生の俺も一応健全な男子高校生の訳なので
どうしても女子の話しているないようとかが気になってしまう訳で…
本能には逆らえないという訳なのか…
「上本くぅーん、さっきからちらちらこっち見てきてるけど何かな?」
え、バレてた?マジかよ、恥ずかしすぎる。
「いや、尾坂の様子が気になって」
「うわ、マジっすか先輩。尾坂先輩をダシにしてごまかすのは良くないと思うんですが…
先輩ってそういう人でしたっけ」
「そういう人ですけど何かぁー?」
「ウザっ」
うわ、こいつ今舌打ちしやがった。
先輩にこんなでかい態度取るとかどゆつもり?
「はいはい、小学生みたいな事しなくていいから…」
ん?気づいたらなんか俺も女子会の中に入り込んでた?
おぉ、素晴らしいじゃないか!
「尾坂いるー?」
俺のすぐそばで、扉が勢いよく開けられた音と
聞き覚えのある声がした。
その声の主は…
そう、ギャル子だった。
「お、ほんとに尾坂いたわぁー」
くすくすと笑う声とからかうような視線が尾坂に降り注ぐ。
「お、ヒーロー気どりの坊やもいるじゃん、何このコンビ、マジ受ける」
遂には俺もがその餌食になる。
当然気分は最悪。
尾坂なんてさっきまでの元気はどこへやら。
いつ崩れるかわからないおびえた表情になっていた。
「今は部活中です。邪魔はしないでください」
城津のその言葉を利とギャル子はさらに威勢が強くなった。
「え?ただおしゃべりするのが部活?ここって社研部でしょ?
それって、おかしくない?」
優位に話を進められているとでも思っているのか、
ギャル子は得意げな表情になった。
「そんなくだらない部活を邪魔したら駄目ってアンタらどんだけ自分勝手なの?」
言っていることだけは筋が通っている。
しかしその言葉には必ず裏がある。
この場にいる部員全員がそう感じているようだった。
「先輩たちにはわかんないでしょ!
ここは、社研部は、社研部は今尾坂先輩になくてはならない場所なんです!」
「だから壊しに来たの」
ギャル子は尾坂の必死の叫びを軽くあしらい、
いつもと何も変わらない声音でそう言った。




