光があれば闇がある
「言ってみろ、二宮」
「私としてはc組の生徒達で話しあいをすればよいと思うのですが…」
「それは駄目だ。そんな事をすれば余計尾坂の居場所がもっとなくなる。
もうないのかもしれんが」
「そういうもんなんですか…」
まぁ、クラス全員が二宮だけならばそううまくいくのかもしれないが、
現実はそう上手くはいかない。
現実は本当に陰湿だ。
部活や馬鹿をしたりする事を光とすれば
必然闇も存在してしまう。
それは光が大きければ大きい程。
そしてその闇は発生したらもう誰にもとめられることは出来ない。
入ったら最期。
闇の中で一人、砕けるまで吸い込まれ、出られなくなってしまうのだ。
「他に案は何かないのか、二宮」
「うーん…なかなか思い浮かびませんねー」
「先輩、実際にc組の授業で尾坂さんの様子を見てみてはどうですか?」
「どうやって…」
「先輩が授業ほっぽらかしたら、先輩」
え、こいつ笑顔で何言ってんの?いやマジすっごい笑顔で言うんだけどこいつ。
授業なんだと思っているのかな?
いやめんどくさいし、いや横野先生の授業の時にサボろう。
うん。そうしよう。
「よし、俺が横野先生の授業の時にc組の掃除ロッカーに隠れよう
ひとまずそれでいいよな、二宮」
「私は何も聞かなかった事にします」
二宮も俺の意見に反論する気はないらしい。
「先輩、私も隠れます。尾坂先輩は私を助けようとしてくれたんです。
なら私もそうしたいです」
佐野も佐野なりにちゃんと尾坂の事を大切に思っているらしい。
佐野の今までで見たことのないくらいの真っすっぐな目、声がその何よりもの
証拠だった。
「私も流れ的にも参加しなけれあならないんでしょうが、
残念ながらそういう訳にもいきません。
すみません」
「いや、流石に3人はまずいからなバレたら停学食らうかもしれん」
「おい、お前ら。一体何の話をしているんだ?」
気づけば、俺は横野先生に頭をぐりぐりと拳でぐりぐりとされていた。
くそ、扉を開けたままにしていたか、我が一生の不覚!
「聞いてました?」
「え、授業サボって他のクラスに行ってやろうッていう計画のことだろ?」
「そこは聞きました、といいましょうや」
「いや、俺は何も聞かなかったぞ、だから好きにやってろ」
え、それはやってんの?何も聞かなかった…まぁ、かっこいい気はするが。
まぁ、男だな。男だよ。
「ならサボりますね、先生」
「え、なんか言ったか?」
とぼけた顔で聞き返すこの顔。殴りたい。
このくだらないやり取りを暫く繰り返した。