またまた上本光輝は問題に出あう
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「「「えーっ!?」」」
横野先生の一言に沸き立つ女性陣。
信じられないとかなんとか言って勝手に盛り上がっている。
こうなったらもう俺には止めることが出来ない。
女子の鉄壁の守りが敷かれてしまう。
「それとこの事はまだ一部の教職員しか知らないから他言は無用だ。
分かったな」
「なんでそんな事を俺たちに言ったんですか?俺達にアイドルの
ボディーガードでもしろといいたいんですか」
「正解だ。なんかつまらんな、せっかくお前たちの反応がどんな風になるのか
楽しみにしてたのに」
ふざけてるなー、この先生。
「ど、どういうことですか、先生!花城ちゃんに会えるんですか!」
おい、餌をお預けされている犬のような顔するのやめて。
なんか笑っちゃうわ。
「落ち着け花城。確かに会えるといったら会えるがあまり浮ついた
気で接するのはやめとけ、俺達社研部がかかわるという事は
それなりの理由があるという事を理解しておけ」
犬をなだめる飼い主の横野先生。これはいい画になるなー。
「それはまたどういった理由なんですかー?」
「さっきも言ったが本当にこの事は他言は無用だからな」
この人には似合いそうすにない真剣な表情をする横野先生。
恐らく今から先生が話す情報は全国ニュースに流れてもおかしくは
ないといったレベルの話なのだろう。その為か、
部室内にはそれなりの緊張感に包まれる。
「まず花城が転校してきた理由なんだがこれがまた厄介なことでなぁー」
一つため息をついてから再び横野先生は俺達がギリギリ聞こえる
といった声の大きさで話し始めた。
「こいつ、いや花城 ひなはストーカーに付きまとわれている…」
「え、それって…」
「警察には連絡したんですか?」
「いや、まだだ。警察に通報すると少なからず世間にそのことが知れ渡ってしまうからな。
むこうからするとあまり大ごとにはしたくないらしい」
「それっておかしいですよね、間違ってると思います!ねぇ、みんな」
こいつは本当に純粋だよな。佐野との一件があってもまだその
意思を曲げるつもりはないらしい。このまま大人になっても
その考え方を変えないのだとしたら天然記念物もんだ。
じゃあ俺はなに?なんの記念物?わからん…
「まあ、芸能人の世界には色々あるらしいからな」
「んーーー」
どうやら尾坂はまだ納得がいっていない様子。
「それで俺たちがボディーガード、と。なんすか
俺達は警察よりも上の存在の特殊部隊か何かですか」
「それカッコいいな。特殊部隊か…いいだろう」
なにがいいんだか…
「花城の護衛は明日から行う。俺がさっき決めたシフト表を渡す。
これはなくさないように。なくしたら俺の立場がまずくなるから」
なんだよシフト表ってバイトかよ。てか明日休日じゃん。
なに、休日出勤とか。俺だけ月曜休んじゃってもいいですかね?
横野先生から渡されたシフト表に目を通す。
俺は…明日の午後10時から11時っと…はっ?ふざけんなよ!
休日出勤で夜勤とか意味わかんない…これは月曜休み決定!
「それと上本。月曜休んだら…どうなるかわかってるよな?」
「くッ…」
ここは我慢。我慢だ。歯を食いしばって何とか我慢しよう。
「先輩…明日はその…よろしくお願いします」
そっか佐野も俺と同じ時間帯か…
城津と尾坂は午前6時ごろか…随分と早いんだな。
俺その時間寝てるから午後のほうがましだな。
「じゃ、今日はひとまず解散だな。なにか問題があったら俺に連絡してくれ。
明日早い奴もいるから早めに寝とけよー」
俺は適当に挨拶を交わして一人で家へと向かう。
時刻は5時手前、今日は早めに帰れるな。
ストーカー、か。どうすることが正解なんだろうか。
学生だけで解決できるのだろうか。
俺は頭の中で何度も自問自答を繰り返した。