地震で関連データが入っていたHDDが壊れてしまいましたので、申し訳ありませんが〆させて頂きます。 本当に申し訳ありません。
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本当に申し訳ありません。
亜空間に戻ってから数日。魔神ちゃんの日課に一つ新しい物が増えた。
先日≪急成長≫を与えた勇者達の観察。たまにスマホからチラチラと、まるで放置ゲームの確認をする様に気にしている。
「順調ね。まあレベルは適正通り越して余裕が出てるし、この分なら……!」
大雑把な計算に、しかし魔神ちゃんは何かに気付く。
勇者達のレベルはここ数日で10以上上がっている。これは彼らの世界では異常な成長だ。問題は比べるべき魔神ちゃんのレベルだが、そもそも比べる事が出来なかった。
「これは……。もしかしてまずいのかしら……?」
世界が違えば物差しも違うが、そもそも魔神ちゃんにレベルというものは無かった。
魔神ちゃんの創造された世界にはレベルという概念は無い。ステータスは生まれや経験、能力やスキルで決定される。当の魔神ちゃんは経験はほぼ全て0だ。『魔神』というチートな生まれと、同じく生まれ持った諸々の能力によって異常なステータスを保持している。
「んー計算するとー……1レベル当たりの能力で、カンストだと……ぬ?」
勇者達のステータス。カンスト時のものを大雑把に計算するが話にならない。比較対象の魔神ちゃんとは幾つも桁が違う。このままでは幾ら待っても勇者達と対等な戦いは出来ない。
枕に顔をうずめ、魔神ちゃんは頭を悩ませる。
「……仕方ない、ハゲ頭から奪ったスキルが確か」
禿げ頭の創造主、奴から奪ったスキルに≪限界突破≫というものがある。
レベルやステータスの上限を超えた成長を可能とさせるスキル。魔神ちゃんは魔神の持つ種族特性でそもそも必要としていない。
これを与えれば幾らでも希望は生まれる。
「そうと決まれば……。ふむ、これで……よし!」
先日とは服装を変えピンクのニットと白いスカートを纏う。
いざ、再び勇者に会いにワープする。
§§§
再び訪れたいつかの世界は様相はまるで違うものだった。
空は暗く立ちこめ遠くの山は炎を吐き、豊かな緑は皆無である。火山地帯とでも言うべき、灼熱の世界。
上空から見渡す魔神ちゃんはすぐに勇者達を見つけた。
「んん? ……戦闘中かあ。まあ余裕っぽいし、ちょっと待っとこ」
見れば勇者達は、魔物の群れと戦闘の真っ最中である。魔術師と僧侶を守りつつ勇者と戦士が複数の魔物と対峙している。敵は勇者達よりレベルは低い、コボルト数匹と骸骨の魔導士。
「全体魔法を急いでくれ! 戦士、そっちの2匹は任せた。俺はこっちを……」
勇者は周りに指示を出しつつ目の前のコボルトと切り結んでいる。
それを退屈気に見守る魔神ちゃんは、特に手を出そうとはしない。勇者達とコボルト達はレベルの差が大きい。すぐに片付けて話すチャンスが出来るだろうと。
「ぬうっ!? 魔導士の幻惑術……っか? 僧侶、対応を……」
しかし何故だか苦戦している。勇者と戦士は何も無い所を斬り掛かり、コボルト達は残り2人へと突っ込んでいく。率直に言って全滅一歩手前まで追い込まれている。
「ふーん……ステータスと能力が全てって訳でもないのかしら。ま、仕方ないか」
誰にも見つけられなかった魔神ちゃんは、当然戦闘経験は無い。戦いは数字と能力の多寡のみで決まると思っていたが、どうにもそれは違うようだ。
目の前の戦闘に感心しつつ目的のためにお節介を入れる。
「巻き込まない様に……≪氷魔の息吹≫」
詠唱に続いてふぅーっと息を吹きかける。口先から氷の空間が加速していき、あっという間に魔物たちを氷の空間に包み込む。
だが当然というべきか、勇者以外の3人も見事に巻き込まれてしまった。
「ぁーあ、まあ回復させれば良っか。手間は一つ増えたけど……」
被害に合わなかった勇者は、依然幻術に惑わされ必死に氷へと攻撃している。
これはこれで無駄に話をつけずに済んだ。氷の中から勇者の仲間達だけを引っ張り出し、まずはスキルを譲渡する。
「はい、4人分の≪限界突破≫お終いね。次は……」
幻術に掛かった前後不覚な勇者、転がった3つの棺桶。
放っておくか蘇生までするかを思い悩む。
「巻き込んじゃったけど、どうせ全滅してたろうし……。おんぶに抱っこじゃ、それは違うわね。幻術だけは解いてあげましょうか」
パパっと≪精神回復≫で勇者を正気に戻し、気付かれる前に亜空間へと戻る。
パジャマに換装しベッドに身を預け、ぽつりと新たな知見に思いを馳せる。
「レベルやステータスだけが、強さって訳でもないのねえ……。ふむ」
強さを決定付けるものはフクザツだ! と新たな発見にどこかワクワクする。
新たな発見を得て、魔神ちゃんの中に一つの考えが思い浮かぶ。
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