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5話一緒の教室で

私は教室の一番後ろの席に座っていた。まだ5月に入ったばかりだけど、このクラスの人間関係はほぼ固まりつつあった。私は基本的には1人でいたい為、全く関係ない事だと考えていた。


「何、暗い顔してるの?」


急に話しかけられ私は後ろを振り向いた。


「何だ。桜か」


「おはよう。奏」


桜崎桜(さくらざきさくら)は私と一緒のクラスの知り合いで、入学式の時にたまたま帰り道が同じだった事もありちょこちょこ話すようになった。


最初は鬱陶しかったが、今では少し慣れた。外見は長い黒髪を後ろで一つに纏めている。いわゆるポニーテールと言うやつだ。前髪は眉毛の上辺りで真っ直ぐに切りそろえてある。


顔の感じは活発そうで明るい。部活動にも入っていて陸上部の次期エース候補らしい。私は少し不機嫌そうな顔を装い言葉を発した。


「何か用か?」


「ん、特に用はないけど奏が可愛いいから話したかったの。今日も眼帯が似合うね」と桜はいい玩具を見つけた時のように嬉しそうに話しかけてくる。


また始まった桜はいつも私をからかう。一緒のクラスになってからは毎回そんな感じだ。いい加減飽きてくれたらいいのにと考えていた


その時、ガラガラと後ろの扉が開く音がして1人の生徒が入って来た。私はその顔を見かけるなり、どうしても落ちつかない気分になる。「おはよう。雨坂さん。桜崎さん」


「おはよう。山城君」


「・・・・・」


「あれ?どうしたの奏?ちゃんと挨拶しないとダメだよ」


私は桜の言葉を無視し、机の上に顔を伏せて眠る振りをした。


「別にいいよ。桜崎さん。僕は気にしてないから」


そう言って山城陽介は私の席の隣に座った。


ふん。誰が挨拶するか。私がいつも、つまづいたり、転びそうになった時に助けてくれたり、席が隣と言うだけでよく話しかけてくる。いい迷惑だ。桜といい、こいつといい何で私に構うんだ。


ふとため息をこぼし、横目で山城陽介の様子を伺う。何故かはわからないが私はこいつの事が気にいらなかった。

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