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2話ファミレスにて

陽介の髪を切った後、私達はファミレスに来ていた。店内は明るく、壁の色は薄い黄色で、天井まで黄色一色だ。座る席は喫煙席側と禁煙席側に分かれていた。


まだ少し夕飯時には早いせいか、比較的に人が少なく席は空いていた。私と陽介は禁煙席に案内され席に座った。


「奏は何がいい?やっぱりパスタとか?好きなものを頼んでいいよ。遠慮はしなくてもいいからね」


私はメニューを見ながら考えていた。ちょっと値段が高いな。


「別にパスタでもいいけど、あと一品だけピザも頼んでもいいのか?値段は気にしなくても、いいんだろ?」


「うん。いいよ。さっきは髪を切って貰ったからね。さずかにお金を払わないのは悪いから、その代わりに奢るよ」


「ふーん。随分と気前のいいことで」


「じゃあ、奏はパスタとピザね。僕はハンバーグ定食かな」


そして、テーブルにある。呼び出しボタンを押して、メニューを注文した。


「そういえば、仕事の方はどうなんだ?忙しいのか?」


「いや、今はそんなにかな。残業もしてないし、順調に仕事が進んでるよ」


私は沈黙して、思い返す。確か陽介の仕事はIT関係だった気がする。今は順調でも、いずれ修羅場になるんだろうなと考えながら、


そして、ハンバーグ定食とパスタ、ピザが、テーブルに運ばれてきた。陽介は目を耀かせて、食べものを見つめている。


「まあ、とりあえずご飯を食べようか、腹がへってはなんとやらだしね!」


陽介はそう言ってハンバーグ定食に手をつけ初めた。私はその姿をしばらく観賞していた。こいつは本当においしそうに食べるな。行儀もいいし、ふと、なんでこんなやつと一緒にご飯を食べているのか?私といて楽しいのかなと?疑問に思った。


私は左目がないから、眼帯をしているし、口も悪い方だと自覚している。そんな私といて、楽しいのかなと今さらながら、考えてしまう。もう長い付き合いだと言うのに


「ん?何?食べないの?早くしないと冷めるよ?」


「ああ、食べるよ。いただきます」



っと言ってフォークを使いパスタを食べ初めた。こいつは高校生の頃から、何も変わらないな。素直で、悪気がなく、お人好しで、人をあまり疑わないいいやつだと思う。ちょっと鈍感だけど


こんな関係が続けばと心から思う。もし、恋人同士になってしまったら、その友人関係が壊れてしまうんじゃないかと考えてしまい、怖くなる。


ずっと友人のままで一緒にいられたらいいのに、そうしたら、陽介と変わらず過ごせるかのなと考えて顔が熱くなる。ダメだ。何を考えているんだ。私は、


「奏。どうしたの?何か顔が赤いけど?大丈夫?風邪?」


「大丈夫だから、何でもないから、気にするな」


ふぅんと陽介は不思議がっていたが、一応納得してくれたらしい。こいつともっと一緒にいたいなんてそんな恥ずかしいセリフ言えるか。全く今日はどうかしてるな。


私は目の前のピザを手にとり口に運ぶ。こいつは私の事をどう思っているんだろうと考えて、じっと陽介の顔を睨んでいた。







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