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 外での警戒をミーアたちに任せ、一人で惨劇の後始末を終わらせた。

 棺桶を壁際に並べ、大量に流れ出た血と汚れだけは全て魔法で消し去った。滅茶苦茶に壊れた家具や雑多な物はそのままに、気を失ったメンバーを順に起こす。

 混乱するメンバーも含めて強引に着替えに行かせると、自分の身だしなみも整えに部屋に向かった。会長がボロボロのままじゃあ、カッコつかない。


 さっと服を脱ぎ棄て、着替えを取り出す。インナーを身に付けると普段着じゃなく戦闘服を着込んだ。

 トーリエッタさん謹製の頑丈なシャツとカーゴパンツは、夜間迷彩のような模様のある濃いグレーだ。実用性を追求した武骨な服だけど、匠の手にかかれば不思議とスタイリッシュなシルエットになる。私の身体にピッタリと合うサイズ感と優れたデザインの賜物だろう。靴も黒のタクティカルブーツに履き替えると、墨色でロング丈のピーコートを羽織った。


「ユカリ殿、なにがあったか聞きたい」

 装備品を手に取りながら振り返る。ノックとほぼ同時に部屋に入ってくるとは珍しい。急ぎの時は遠慮しなくていいと言ってあるから別に構わないけどね。鍵もかけてないし。

「幹部は集まるよう手配して。揃ったら話すわ」

 即座に召集をかけたいけど、各地で起こってるトラブルを途中で切り上げさせるわけにもいかない。敵が逃げるか倒すかしないと動かせないから、すぐに全員が集まるのは無理だろう。それに敵を退けても警戒は必要だから、若衆までは動かせない。でも今は幹部が集まるべき場面だ。


 さらっと話したけど、目をしっかりと見て伝える。あの出来事は、なんども繰り返して話すような事じゃない。集まったみんなの前で、私からは一度だけ話す。

「……了解した。だが、この情勢だ。幹部全員を集めるのは危険だろう。各地の指揮は副団長か副局長がそのまま執るようにし、トップにのみ招集をかける。すでに何人かは集まっているが、このまま待たせておく」

「それでいいわ。私も少ししたら行くから」

 副長はやっぱり頼りになる。私よりも、よっぽど状況が見えてるのかもしれない。


 さて、準備の続きをしよう。

 数本の投げナイフに回復薬と魔法薬の一式を内ポケットに詰めていく。ライダースジャケットのような変わり種じゃなければ、大体いつも決まった配置だ。装備の重みが加わると気が引き締まる感じがする。

 髪をざっと整えてから魔道具のかんざしでまとめると、戦闘用グローブをきゅっと手にはめる。これでよし。最後に白銀の超硬バットを掴むと、部屋を出た。



 破壊の跡も新しい荒れた事務所に入ると、第一声が上がる。

「おう、てめぇがいながらどういうことだ。こいつはよ!」

 最初に私を出迎えたのは辛辣な声だ。彼女は棺桶に寄り添いながら厳しい視線を投げて寄越す。特に言い訳をするつもりはない。その眼差しを平然と見返した。ただ、傍にいたフレデリカが顔を俯ける様子だけは気になった。

「落ち着け、グラデーナ。ユカリ殿に落ち度があったとは思えん。状況の確認が先だ。ジョセフィン、分かったことはあるか?」

 犠牲を出してしまったことに対し、もっと糾弾があるかと思ったけど、どうやらジークルーネが気を使ってくれてるらしい。たぶん私がくる前に何か話しておいてくれたんだろう。言いたいことがあるならいくらでも聞くつもりではいたけど、私は自分を卑下するつもりもない。不毛な言い争いをする場面でもないし、副長には感謝しておこう。グラデーナだって本気で私を責めるってよりは、一言文句を言わずにはいられなかったってところだろう。それが分かるくらいには、お互い長い付き合いだ。


 しかし棺桶が並ぶ状況に落ち着いてられるもんでもないだろう。みんなが必死に堪えてくれてるのも分かる。気遣いには素直に感謝するしかない。

 心の中では色々と思いつつも、ジークルーネの問いにはストップをかける。

「待って。はやる気持ちは分かるけどね。集まれる幹部はこれで全部?」

 なるべくいつもの調子を意識して話す。それに話を進めるのは集まれる幹部が集まってからだ。いつものようにジークルーネの仕切りで話が進むけど、今は止めさせる。ジョセフィンの話もそれからでいい。実際、集まってるのはまだ少ない。ヴァレリアもいないし、妹分の姿が見えないことを少しだけ寂しく感じる。心配はないと思うけど、早く帰ってこないかな。

「やっと各地での騒動が小康状態になったところで、今はまだ戻っている途中らしい。間もなく揃うと思うが……ああ、誰か戻ったか」


 ジークルーネが話してるうちにアンジェリーナが戻った。そうこうしてると、続々と集まってくる。本部に対する攻撃があったことは伝わってるはずだから、心配も大きかったに違いない。

 並んだ棺桶と破壊の跡も生々しい室内、それと重い空気にいつもは陽気なメンバーの顔も曇る。こっちへ問う声や視線には、都度ジークルーネが揃うまで待てと伝えてくれた。


 少しばかり時を置いて、各セクションのトップが集結した。

「……これで全員だな。ユカリ殿」

 トップに加えてサブ級も何人か。さっき戻ったヴァレリアは無言で私に引っ付いた後、空気を読んで少し離れてくれた。


 ふぅー、冷静に。そう冷静にだ。

 組んだ腕をほどき、目を見開く。椅子やなんかはないから、全員が突っ立ったままの状態だ。ジークルーネの呼び掛けに合わせて、みんなの視線が私を貫く。

「状況を整理する前に、ここで何があったか話す。見れば何となくでも分かると思うけど、この本部で爆発物による攻撃があったわ」

 ざわっとし、緊張が張り詰める。

「……会長、『爆発物』で間違いないのですわね?」

「間違いないわ」

 きっぱりと断言。全員の間にまさかという驚きと怒りが満ちる。


 この業界において、爆弾を使うってのは禁じ手だ。軽々しくどころか、どんな理由があったところで使うことなど許されない。そういう魔道具だ。

 いつ何時起きるとも知れない戦いの中で命を落とすことは、キキョウ会メンバーのみならず、裏社会の住人なら誰でも一度くらいは考えたことがあるだろう。実際に命の危険に晒される場面だって珍しくはない。

 事務局のメンバーだって、襲撃を受ける危険性はいつでもあった。不意打ちで死ぬ可能性だって頭の片隅くらいにはあったはずだ。キキョウ会は命懸けってのは、初期の頃からしつこいくらいに叩き込んである。


 それでも、爆弾は別。今までに色んな組と事を構えてきたけど、これをやられたことは一度たりともない。ほかの組同士の抗争でも、噂程度ですら聞いたことはない。

 戦争にだってルールがあるように、裏社会にも暗黙の掟ってのはあるんだ。


 例えば、やってはいけないことの代表的なところだと、いわゆるチクリ。チンコロとも言ったりする行為ね。ようは公的な機関にチクることだ。それがどんなにヤバいことだったとしても、公権力にチクるようなことは私たちは決してしない。利害が対立しても、それは裏社会の組織同士だけで始末をつけるのが絶対の掟だ。破ればメンツを失い、全てを敵に回す。厳密にはバレなきゃいいってのもあるにはあるけど、少なくとも表だってやれることじゃない。


 ほかにも他組織の者への成りすましってのもあるし、タブーとしては親殺しは代表的な例でもある。キキョウ会には関係ない制度だけど、兄弟分への裏切りなんかもあってはならないこととされてる。


 そしてただのチクリや内輪揉めなんかとは、程度の異なる重い掟がある。これは確実に共通認識のある事項で、古い組織のみならず、新参者ですら心得てるような当然の掟だ。

 そいつは爆発物を街中で使わないってこと。カタギを巻き込みかねないこれは最悪の手段だから当然だろう。私たちは街の住人と持ちつ持たれつやってるんだから、そんな手段を取ることは決して許されない。やってしまえば外道と蔑まれ、仮に殺されなかったとしてもエクセンブラにはもう居場所を失う。それだけ忌避される行いだ。

 爆発といっても、もちろん火薬を使った爆発とは違う。魔道具による、魔法の効果によってなる爆発のこと。この世界じゃ、火薬なんて危険物を使う必要性はないからね。


 ガンドラフト組がアナスタシア・ユニオンを攻める時に毒霧を使ってたけど、あれはかなりギリギリなグレーゾーンだ。奴らは空間固定の魔道具を併用することによって、毒霧をそこらに撒き散らさなかったからね。もしあれが周辺諸共を巻き込むような毒霧だったとしたら、完全に掟破りに該当する。


 そもそも街中での魔法の使用が御法度ってのもあるけど、これは行政区が定める法でそうなってる。理由は同じく、流れ弾や範囲が広い魔法で一般社会に被害が出てはならないからで、納得のできる決まり事だ。でも本気の殺し合いをやってる時に手加減なんてしてられないから、構成員同士が殺し合いで魔法を使う分には、あくまでも第三者に危害を及ぼさない限りにおいて、暗黙で許されてるような状態ね。もっとしっかりとした治安の行き届いてる国や町ならこうはいかないんだろうけど。


 以前に冒険者ギルドがその建物を爆発で吹っ飛ばすなんて荒業を使ったことがあったけど、裏社会に限らずあれが相当にヤバい事態だってのは理解できるだろう。あんなのは例外中の例外だけどね。

 とにかく、今回の襲撃に際しては禁じ手が使われた。なりふり構わず、どんな手だって使ってくる相手なわけだ。もうメンツも何もない。その後のことなんて考えない、ただ邪魔な相手を殺すことだけを考えてる。まともじゃない。


 もう一つ、違う側面からも爆弾は禁忌とされる理由もある。掟やルール以前に、大きな権威を持つ『魔道具ギルド』が爆弾としての魔道具を認めてないってのがある。

 魔道具は専門の職人にしか作ることができない有用極まる代物だし、職人の自由や権利を守るための互助会だって、非常に大きな力を持つことになる。彼らは国家に対しても影響力を及ぼすギルドでもあるんだ。まあ、モグリの職人だっていないことはないけど、ほぼ全てがギルドメンバーと考えていい。身分が保証されるからね。


 正規のギルドメンバーは爆弾なんて無粋な物は作らないし、勝手な改造も認めてない。つまりは公式には爆弾なんてものは、ほぼ存在しないに等しい非合法の破壊兵器だ。少なくとも表向きには軍でさえ持ってない。

 ただ、一から作ることは難しくても、仕組みに詳しい人なら改造はできてしまうから、それによって疑似的に作ることは可能なんだ。冒険者ギルドが自爆した時にはそういうのが大量に使われてたと思うけど、今回のはどうだろうね。


 爆弾による攻撃ってのは、それだけで驚愕に値する事件ってことになる。


「爆発だと!? 見下げ果てた外道じゃねぇかっ」

「マクダリアン一家の仕業で間違いないでしょうね」

「クソみてぇな連中とは思ってたけどよ、まさかここまでとは思わなかったぜ」

「いくらなんでも、これはないですよ……」


 勘違いしちゃいけないけど、私は卑怯な手段自体は別にいいと思ってる。そう感じるかどうかの差でしかないことだしね。勝つための工夫や、やれることをやって何が悪いってのもある。

 でも暗黙の掟は違う。卑怯とかそんな話じゃない。裏社会が一定の秩序を保つためにあるものだ。それを破っていいとなれば、まさに何でもありの事態を招き、公的機関の不都合な介入を許すことにも繋がってしまう。


 無差別な破壊が続けば住民からの取り締まりを求める声は大きくなるし、行政区やギルドとの関係も最悪に陥るだろう。裏社会の組織によって一定のレベルで保たれてた秩序の崩壊が始まるなら、新たな秩序を築き上げるしかなくなるんだ。現状の裏も表もシマを仕切るようなことは不可能になる。むしろ排斥される対象になってしまう。

 そうなってしまえば私たちのようなアウトローにとっては、非常に生き辛い世の中になる。そんなことを避けるための暗黙の掟でもあるんだ。私たちの事情に限らず、より広い意味でも掟破りを許すわけにはいかない。


 もちろんウチのメンバー、それも幹部に勘違いするような分かってない奴はいない。

 暗黙のルールを破られたことによる憤りが各人から激しく紡がれていく。そんななか、実況見分をしてたジョセフィンが声を上げた。

「ユカリさん、爆物は何回起きました?」

「……何回?」

「痕跡を見る限り、三つの爆発物があったように思えますね」

「ちょっと待って。私が知覚できたのは、最初の一回だけよ。その一発でさえ、直前までは全く気づけなかったわ」


 ジョセフィンはしゃがみ込んで金属片を手に取ると、納得したように頷く。

「この破片が爆発物を包み込んでいた物でしょうね。これは特に珍しくもない金属ですが、加工に特殊な魔獣素材を使ったもので、魔力を遮断する効力があります。貴重な魔道具を収める箱なんかに、良く使われるものですが」

 そいつを使って魔力を隠し、しかも連鎖爆発をさせる念の入りようか。そこまでされると気づけないし、威力だって凄まじいはずだ。

「魔力感知の通用しない罠……ずいぶんと手が込んでますね」

「暗黙の掟なんて、屁とも思ってねぇ連中ってことか」

「しかも三発もな。逆にユカリ、お前はよく生き残れたもんだな……」

 会長である私を殺すための必勝の策ってところか。生き残ったのは運もあっただろうけど、自然と棺桶に視線が向く。


 少しの沈黙の後、顔を上げたフレデリカが問う。

「ユカリ、犠牲者はここにいるので全員ですよね? 具体的には誰ですか?」

 当然の疑問だ。この事務スペースに詰めてるのは事務局の人員がほとんどを占める。犠牲者の多くがフレデリカの部下なんだ。

 だけど、私はまだ誰がいなくなったのか完全には把握できてない。きっとまだ誰にもできてないだろう。遺体は損傷がひどく、判別ができる状態じゃない。生き残った全員を集めて点呼をとるような方法でしか、確認は無理だろう。今のところは所属どころか名前さえ不明だ。


 無言で首を振ると、フレデリカだって分かってはいたんだろう。悔しそうに、それでも一つだけ確認した。

「……クラリスが今ここにいないのは、助からなかったということですね?」

 そいつはフレデリカの秘書官だ。あの時、間違いなく私たちと一緒にいた女。あいつは、生き残ったなかには存在しなかった。

 無言で答えると、私の親友は悲しみと悔しさを同居させた表情を浮かべた。


 本部長であるフレデリカの秘書官は、キキョウ会において幹部待遇となってる重要なポストの人間だ。しかも戦闘員とは異なる位置付けの幹部が、暗黙の掟を破った最悪な手段によって殺害されたわけだ。それも多くの事務局若衆をも巻き込んだ形で。

 通常の戦闘による死であれば、まだ納得できる余地はあった。秘書官であるクラリスの死が暗に告げられると、みんなの怒りが振り切れるように湧き上がった。だけど、誰もが言葉を発しない。


 怒気の渦巻く空間で、再びみんなの視線が私を貫く。

 会長である私の言葉を待ってるんだ。さあ、行くぞって号令を。爆発を食らった当人であり、むざむざと部下を死なせた私の言葉を。

 一連の状況からして、やったのはマクダリアン一家のどこかの派閥で十中八九、間違いない。全員がそう確信してるだろう。念のために証拠は探させるつもりだけど、今この場面でそんなつまらない話をする気はない。


 この場面でどうするかなんて、とっくに答えは決まってる。

 私はこれでも一組織の会長だ。いつだって『その後』について考えてきた。勢いに任せてやってしまうことが無いわけじゃなかったけど、それでも先々のことを常に考えてきた。


 かつてはマクダリアン一家の配下であるマルツィオファミリーって組織と敵対したことがあった。マルツィオファミリーを中心とした七つもの組が結託して、キキョウ会に抗争を吹っ掛けてきた事件だ。その時でも単純に全部を滅ぼすようなことはしなかった。そんなことをすれば、跡地の治安維持ができなくなってしまうからだ。当時のキキョウ会の限られた人員じゃ、七つもの組が抱えるシマを組み込むことは不可能だった。空白地帯を作ってしまえば、新たな騒動の火種になることは確実。だから、力を見せつけた後で手を組める組織とは手を組んで、跡地に混乱を巻き起こすような事態は未然に防いだ。我ながら賢明な措置だったと思うし、配慮する余裕があったともいえる。


 今回のマクダリアン一家は、マルツィオファミリーとその一味の時の規模とは段違いだ。

 マクダリアン一家本家の複数ある派閥、これに加えて一家が抱えるいくつもの組はその全てがどこかの派閥に組み込まれてるはずだ。たぶん四次団体とか五次団体とかまで含まれてくるだろう。もう七つの組どころの話じゃない。どれだけあるのか考えたくもないほどになる。

 つまり、仮にマクダリアン一家の全てを滅ぼしたとして、キキョウ会じゃあ管理なんて到底しきれない。広大な空白地帯を生み出すことになる。外からやってくる新興勢力にとっては、これ程のチャンスもないだろう。確実に大きな火種になる。そもそも全部なんて倒しきれるもんじゃないし、残党とのいざこざだって必ず発生する。


 理性的にはどうするべきか、非常に難しい場面になる。

 だけど、私の答えはもうとっくに決まってる。至極、簡単だ。


「……奴らをぶっ殺して、カタキを取る。命でもって償わせる。やるわよ」


 死んだ仲間の怒りは私の怒り。これを抑えるべき場面なんて、存在しない。冷静に考えたってそう思う。

 殺しはなるべくならやらない方が良い。私は常日頃メンバーにはそう言ってるけど、当てはまらない場合は厳然として存在する。これまでにだって何度もあった。それぞれの基準はあれど、今日ばかりは全員の意見は一致してるはずだ。

 私は怒ってる。今までにないくらい。溢れる魔力を清流のように制御するなんて、とても無理だ。暴れるに任せ、嵐のように吹き荒れさせる。彼女たちの無念を代弁するように。


 やってしまえ。後のことは後で考えろ。先を心配して動けなくなるなんて、愚かしいにもほどがある。

 優先順位は決まってるんだ。私たちにとっての最優先は、マクダリアン一家の跡地の心配なんかじゃない。カタキを取ること以上のことなんて、存在しない。ありえない。なにがどうなろうと、まずは奴らをぶっ殺す。全てはそれからだ。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」

 怒りを抑えきれないみんなも荒れ狂う魔力をそのままに、全員で大声を上げた。


 咆哮の後で、それぞれが具体的に動き出す。

「ジョセフィン、必要な情報をまとめてくれ!」

「すぐに掻き集めて、まとめてきます。ちょっとだけ待っててくださいよ!」


 放っておけば、また同じ手を使われる。それは明日かもしれないし、数分後のことかもしれない。無駄に時間を使ってたら、その分だけ危険に晒される。

 なるべく早く、奴らと決着をつけてやる。

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