表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
絶望老人が異世界転生をしたら、99年間で最強無双になってしまった!  作者: 賭博士郎C賢厳
C.ギドレファナス王国編
90/329

86、それぞれの思惑

様々な重要人物が目的の為に動き出す。


  ●【No.086】●



 ―ギドレファナス王国―


 国内では現在、難攻不落の要塞山脈都市である王都に、国民や先代国王支持者たちが軍となし、総攻撃が開始されている。


 国民の反乱軍は、現国王(ギドレアス)への政治のあり方に納得できず、また疑問や不満を持った者たちが武器を手に持ち、現国王(ギドレアス)を糾弾、あるいは退位に持ち込む事が目的である。

 さらに国民の反乱軍とは別に、先代国王支持者軍は失意のうちに殺害された先代国王(ヴァグドゥルス)の善政と名君に(むく)いる為に、現国王(ギドレアス)の打倒を掲げてる事が目的である。


 国民の反乱軍も先代国王支持者軍も、敵と利害が完全に一致している。


 一方では、ギドレアス国王の方も、ご自慢の正規の精鋭部隊やさらに強力な王家親衛騎士団隊(ゾィードキングダムナイト)も参戦していて、戦略的にも戦力的にも十分に戦える。

 そもそも、この王国内で起きている内戦は、今回が初めてではなく、過去にも度々起きていて、現国王(ギドレアス)と国民との戦争は、いずれも現国王(ギドレアス)が勝利している。


 今回の国王軍は、王都の山の(ふもと)まで降りてきて、要所要所の場所に沢山の兵士を配置・待機させており、そこで敵軍を待ち構える作戦でいくつもりである。


 すると国王軍の読み通りでやっぱり、そこに国民の反乱軍や先代国王支持者軍が進軍してきて、国王軍と激突・白兵戦が展開される。 数で勝る国民の反乱軍と先代国王支持者軍に個々の実力で勝る国王軍が応戦する。 しばらくは両者の実力が拮抗している為に、国民の反乱軍と先代国王支持者軍が、思うように前進することができない。


 まさにギドレアス国王の思惑・作戦通りに、敵軍は足止めされている状態である。



  ※  ※  ※



 一方では、前回のギドレアス国王の暗殺に失敗したエウノミアとエイレネの姉妹が、国内の南側の森林(ジャングル)の奥の方にある小屋の中で、国民の反乱軍に参戦する為の戦闘準備をしている。


「姉さん、急いで! きっともう始まってるわ!」

「ええ、でももう少しだけ待ってぇ! あとはコレの準備ができればぁ!」


 エイレネはなにやら黒色で球体の水晶を両手で持っている。


「姉さん、それは何?」

「これがあの "地獄の水晶" なのよぉ。 かつて最強と謳われた大魔女シャニルが造り出した伝説の魔法威力増幅装置なのよぉ。 これさえあれば、私の未熟な魔法の威力も格段に上がる筈なのよぉ!」

「でも姉さん、その禁断の特殊アイテムの副作用は……っ!」

「ええ、わかってるわぁ! おそらくは未熟な魔法使いの私では……とても扱いきれずに魔力だけでなく、生命力ももっていかれるでしょうねぇ……」


「……姉さん……」

「でもね、エウノミア! そのぐらいの覚悟がなければ、あのギドレアスにはとても勝ち目はないわぁ!! あの男は本当に危険なのよぉ!!」

「うん、そうだね! もしかしたら、本当に今回のが最終機会(ラストチャンス)かもしれないからね!!」

「ええ、そうよぉ! 国民の反乱軍が10万、先代国王支持者軍も10万、合わせて20万の大軍……これで最後になるかもしれないからねぇ~!!」

「だからこの戦争で、今度こそギドレアスにとどめを刺すわ!! そして先代国王様の無念を晴らすのよ!!」

「ええ、そうねぇ!」


 すると "地獄の水晶" から、キュイイイーンという音が聞こえてきて、水晶が一瞬ピカッと光った。


「これで準備完了ね。 コレがどこまで通用するのか、解らないけど……私たちは最後まで戦うわぁ!!」

「うん、勿論だよ! 姉さん」


 エウノミアとエイレネの姉妹は、戦闘準備を終えると、そのまま小屋から外に出ていき、戦場に向かって歩き出した。



  ※  ※  ※



 また別の某所では、ダルラルダが黒色のスーツ(下部はスカート)に灰色のネクタイを締めて、能力遮断の灰色のメガネをかけて、灰色の "天秤" を手に持ち、誰かが来るのをじぃっと待っている。


「あっ! 来たわね!」


 なんとそこに現れたのが、レイドルノやヴァグドー・勇者アドーレたち一行である。


 まずはレイドルノがダルラルダに近づき話しかけてきた。


「おう、待たせたな」

「ええ、待ってたわよ! レイドルノ、お久しぶりね!」

「ああ、随分(ずいぶん)と久しぶりだな、ダルラルダよ」

「ええ、ところで……あの男は……本当に……?」

ダルラルダがヴァグドーの方を見ている。


「ふふふ、どうだ? 本当に似てるだろう……先代国王ヴァグドゥルス様に顔が……名前もヴァグドーといい、少し似ているぞ。」

「……ホントにね」


 ダルラルダが遠くから、ヴァグドーの顔を、少しだけ見とれていると、またレイドルノがダルラルダに話しかけてきた。


「ところで……戦争はもう始まったのか? ダルラルダよ」

「ええ、丁度ギドレアスの国王軍と国民の反乱軍・先代国王支持者軍が激突してる頃だと思うわよ。 それでこれから戦場に行くの? レイドルノ」

「ああ、少し様子を見に行くぞ。 もしかしたら、これから何か面白い事が起こるかもしれないからな。」

「……なるほどね」


 レイドルノには何か思惑・目的があるようだが……?




ギドレファナス王国では、内戦が始まるようだな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー cont_access.php?citi_cont_id=676877153&size=135
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ