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79、国王暗殺計画:1

国王ギドレアス……ここが正念場……?


  ●【No.079】●



 ギドレファナス王国の王都であり、要塞都市の『ギヤンマウンテン』のギドレアス国王がいる、黒色の居城の『ギヤンヴァレルダ』の中にある『玉座の間』にて。


 玉座の間の一番奥にある紅色の玉座に座る国王ギドレアスと、玉座の間の中に入ってきた一人の女が向き合って対峙している。


 ギドレアスが玉座の間の中に入ってきた、その女に話しかけてきた。


「貴様、一体何者なのだ!?」

「………」

「貴様は一体何しにやって来たのだ!?」

「………」

「どうした? 何も言えぬ訳では、ないのだろう?」

「ふん、何しに来ただと……決まっている! 勿論、貴様を殺す為だ! ギドレアス!!」


「どうやら…誰かに恨まれているようだな。」

「この土地は、先祖代々…我が一族が所有している由緒ある土地なのだ!!」

「この山がか…?」

「ふん、その通りだ! その昔…我が一族は、この地を追われた! だが…決して我が一族は諦めてはいない!!」


「この山を開拓して王国にしたのは、この俺様なのだ!!」

「黙れ! そんなことを一体誰が許可したのだ!?」

「………」

「さぁ、もう…これ以上の問答は無用だ! 覚悟しろ、ギドレアス!!」


 その背丈は一般女性並みであり、金髪の腰まで伸びたロングヘアーに金色の瞳、さらに真紅のマントを付けた黄金の鎧を身にまとい、黄金の剣を携えていて、全身が黄金に輝く、その美しい容姿の女が黄金の剣を取り出して、構えた。


「ま、待て! 貴様の目的はこの山なのであろう!?」

「ほう、返してくれるのか?」

「それは困る! この俺様には、まだまだやらなければならないことが、沢山あるのだよ! だから、この王国を手放す訳にはいかん!」


随分(ずいぶん)と勝手なことを言うんだねぇ~ 王様!!」


 今度は背丈が黄金の女と同じぐらいで、紫色のフード・ローブ・マントを身に付けて、顔はフードで隠れている(髪は長髪で紫色)が全身が紫色の女が、黄金の女の横に並んで現れた。


「……首尾は……?」

「大丈夫! 王家親衛騎士団隊や側近たちは、しばらくの間…ぐっすりと眠っているよ!!」

「……そうか……」


「……ぐっ……」

「この土地を返してくれれば、無念の思いで死んでしまった、私たちの両親の供養にもなるんだけどねぇ~」

「ふん、この男に何を言っても無駄だ、姉さん! さっさと殺してしまおう!!」

「そうねぇ~」


「ま、待て! この王国に住む住人たちは、一体どうするつもりなのだ!?」

「ふん、自分は今までさんざん好き勝手にやって来たのに、今頃になって国民の心配かい?」

「心配いらないわよ。 私たちがしっかりと、あとの面倒を見るからねぇ~ アンタよりもきっといい政治が、できるだろうからねぇ~」

「……ちっ!」


 遂に観念したのか、ギドレアスが黒色の剣を取り出して、構えた。


「あら、やっと…その気になったようねぇ~」

「ふん、当然だ! こんな腰抜けな国王に、国などは任せられないからな!!」

「……くそ……」

「さぁ、これで終わりだよ!」


 紫色の女が右手の(てのひら)を、身体の前方に突き出していて、そこから緑色の魔法陣が浮き出ている。


「ま、待て! やめろ!!」

「―――死ね!」


 紫色の女が風系の攻撃魔法を、ギドレアスの方に向けて発動しようとした時―――


「……待ちな!!」


 すると突然だが、黄金の女と紫色の女の二人の背後から、男の大声が聞こえてきていて、二人の女が咄嗟(とっさ)に後ろを振り向くと―――


「お前たち……陛下に向かって、何をしている!?」

「おのれ! 狼藉者め!」


 そこに、二人の男が現れていて―――


 右側には、いかつい獅子の顔をして、黒色のスーツに赤色のネクタイを締めて紳士の格好をした大柄の男が、赤色の長細い剣を持って立っていた。

 左側には、少し冷めた山羊の顔をして、黒色のスーツに青色のネクタイを締めて紳士の格好をした大柄の男が、青色の大型の斧を持って立っていた。


「……援軍……!?」

「まだ…いたのか…!?」

「おお! お前たち! 来てくれたのか、助かったぞ!」

「陛下のお命を狙う不届き者め!」

「貴様らを成敗する!」


 獅子顔の男が黄金の女に細長い剣で、山羊顔の男が紫色の女に大型の斧で、それぞれ攻撃をしていて、二人の女が慌てて、それぞれの攻撃をかわす。


 ガッキィン! ガガァン!


「……ちっ!」

「……むっ!」

「くぅっ ひとまず、撤退するわよ!!」

「うん、姉さん!!」


 すると突然だが、黄金の女と紫色の女の二人の足下の地面から、白色の魔法陣が浮かび上がり、二人の女の姿が消えてしまった。


「ああっ! 消えた!?」

「……っ!?」

「よい、そのまま逃がせ! 深追いは禁物だ!」


 獅子顔の男と山羊顔の男が、ギドレアスの方に駆け寄った。


「おお、ご無事でしたか? 陛下」

「陛下、お怪我は……?」

「ああ、大丈夫だ」


(なるほどな、一人は戦士型で、もう一人が魔法使い型か? あと "姉さん" と言ってたな、二人は姉妹か?)


 ギドレアスは援軍の到着で、ようやく難を逃れて、落ち着きを取り戻した。




なんと、ギドレアス国王を暗殺しようとするとはっ!?


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