表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
82/326

78、第三の王国の国王

悪魔神の分身体の暗躍は順調……?


  ●【No.078】●



  (リン)王国、

 『宋尊城』から少し離れた別の場所にある、宝物殿(ホウモツデン)の大きな白色の倉庫……『刮』に、臨王やヴァグドーたち11人が、ようやく到着していた。


 宝物殿(ホウモツデン)の倉庫……『刮』を、既に包囲している三万人以上の臨軍の兵士や複数の将軍が、臨王やヴァグドーたち11人の方を一斉に見ている。


「陛下、ここは危険でございます……おさがりください。」

鯉娃(リエ)将軍が慌てて、臨王の前に立つが―――


「心配せんでよい……それよりこれから宝物殿(ホウモツデン)の中を確認するから、皆の者よ、手を貸すがよい。」

「は……はっ!」


 臨王は現場に集まってきている将軍や臨軍の兵士たちを指揮し、魏慈鯉(ギジリ)将軍が立て(こも)宝物殿(ホウモツデン)の倉庫の大きな扉を()けるように指示した。


 ガッシャァーン!


 臨軍の兵士たちが、その大きな扉を()けると―――出入口付近の地面に、魏慈鯉(ギジリ)将軍が血を流しながら、(うつぶ)せの状態で倒れているのを発見した。


「こ、これは一体……っ!?」

「な、なんと言うことだ!?」

「そ、そんなバカな…!?」


 しかし、二十人近くいたとされる黒色の鎧を着た兵士の姿が、一人も見られていない。


「あれ? 黒い鎧を着た兵士がいない?」

「バカな…宝物殿(ホウモツデン)の中には、魏慈鯉(ギジリ)将軍の姿しか…いない…?」

「……っ!?」

「こ、この中で一体何が起きているのだ!?」


「アドーレよ、これも奴の仕業なのか?」

「ええ、その様ですね。」

「……ちっ!」


 魏慈鯉(ギジリ)将軍の死体の心臓がある胸を、何かで一突きされた穴型のような傷痕(きずあと)があり、この一撃で絶命したようである。


 魏慈鯉(ギジリ)将軍がどの程度の実力を持っていたかは不明だが、それでも悪魔神の分身体でレベル330もある化物相手では、何も出来ずにあっさりと()られてしまったのだろう……それほど激しく抵抗した形跡が残っていない。


「そういえば……二十人近くいたと言う、黒い鎧の兵士の正体とは、一体……っ!?」


「…おそらくは… "狩侯聖者" が作り出した幻術であろう…」


 臨王の疑問にテミラルスが答えた。


「……幻術……?」

「………」

「悪魔神と言うモノは、単に力が強いだけではなく……強力な魔法や技や術なども使用できる……いくら分身体とはいえ、その程度の術ぐらいなら…当然…使用できるだろうな。」

「な……なんと!!」

「ほう、なるほどのう」


「確かに…アドーレの言う通り…厄介な相手のようだな…」

「ええ、その通りです……奴の本体が、この世界に侵攻してくる前に……なんとかするしかありませんね。」

「…う…うむ…」

「ふむ、そうか」


 臨軍の兵士たちが魏慈鯉(ギジリ)将軍の死体を宝物殿(ホウモツデン)の倉庫から外に運び出していて、臨王やヴァグドーたち11人がその様子を眺めていた。




   ―-―・●・―-―




  ―ギドレファナス王国―

 アーサンティラル王国から北東部にあり、(リン)王国からははるか東部にある第三の王国である。


 ギドレファナス王国の北側にある王都『ギヤンマウンテン』は……その名の通りに、王都が灰色の険しい山から作られた要塞都市であり、その頂上にある国王の居城が『ギヤンヴァレルダ』である。


 その城の中にある『玉座の間』は、意外にも殺風景な所で物がほとんどなく、一番奥には紅色の玉座がひとつだけ置いてあり、そこに一人の男が座っている。


 その男の容姿とは、細身の長身に緋色の長髪に碧色の瞳で、上半身は裸で…その上から紅色のマントをつけていて、肌の色は褐色……黒色のズボンを()いており、何故か裸足……玉座に座るには、あまりにも不釣り合いな質素な格好であり、黒色の剣を持っている。


 そう、彼こそが国王 "ギドレアス" なのである。


「ふふふ、レイドルノめ! あの "狩侯聖者" を二人も送ってくるとは、さすがに仕事が早いな! この俺様の "爵位" を "奪取" する力も……これで更なる強化ができるであろう!」


 ギドレアス国王が、自分の右手の握り拳を見ながら、何か独り言を言っていると……突然―――


 ギィイィイィ………


「……待ちな!!」


 玉座の間の大きな扉を、何者かが()ける音が聞こえてきて、そこに一人の女性が立っていて、大声を上げている。




ギドレアス国王とは、一体何者なのか……?


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー cont_access.php?citi_cont_id=676877153&size=135
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ