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77、狩侯聖者:4

………なんだ? また、アイツの仕業なのか?


  ●【No.077】●



  (リン)王国、

 『宋尊城』の中にある、臨王の執務室にて。



 なんと! 臨王の忠臣で建国の功労者の一人であり、さらに "射羽芭" と呼ばれる高位の将軍でもある男、魏慈鯉(ギジリ)将軍が、沢山の黒色の鎧を着た兵士を引き連れて謀叛を起こし、臨王国の全ての財を納めた宝物殿(ホウモツデン)の中に、現在(いま)もまだ立て(こも)っている!


 ―――と、臨王の執務室に慌てて、入室してきた一人の兵士が、そう報告していた。


 その報告を聞いた臨王が、明らかに動揺していて、ショックを受けている。


「そ、そんなバカなっ!? あの "射羽芭" が、余を裏切るとは……あり得ない!!」


「ほう、そうか」

「臨王よ、とにかく現状の掌握が先です。 現場となってる、その宝物殿(ホウモツデン)の所まで急行しましょう!」


「おお、そうだな。 確かに…宝物殿(ホウモツデン)の方に、早く向かった方が良さそうだな。 よし…案内してくれ!」

「はっ 判りました!」


 兵士の案内で、臨王やヴァグドーや勇者アドーレや大魔女シャニルたち11人が、魏慈鯉(ギジリ)将軍が立て(こも)宝物殿(ホウモツデン)の所まで急行していった。




   ―-―・●・―-―




 『宋尊城』の宝物殿(ホウモツデン):名前は『刮』……城とは別の場所に造られた城の奥の方にある白色で大きな倉庫であり、主に臨王国の財源や今までに集めた金塊や財宝などが置かれていて、非常に厳重に保管・管理されている筈である。


 宝物殿(ホウモツデン)の倉庫の外では、三万人以上の臨軍の兵士や複数の将軍が、それぞれ所有している武器を持って、その倉庫を包囲している。



 さながら、城攻めの状態となっていた。



 その魏慈鯉(ギジリ)将軍は、二十人近くの黒色の鎧を着た兵士と共に、宝物殿(ホウモツデン)……『刮』の中に立て(こも)ったままで、その後も何の反応もない。


魏慈鯉(ギジリ)将軍め! 一体何を考えているのだ!?」

鯉娃(リエ)将軍は苛立ちを露にしていた。


「あの黒い鎧の兵士は、敵の残党なのか? 魏慈鯉(ギジリ)将軍は敵と内通していたのか?」


 他の将軍たちも、今回の出来事に非常に困惑しており、凄く混乱していた。



 臨軍の兵士たちが、宝物殿(ホウモツデン)……『刮』の中で立て(こも)魏慈鯉(ギジリ)将軍を必死に説得しているが、未だに何の反応も示さずにいて、対応に困っている。


「お…おい…何で…何の反応も示さないのだ…? こんなことをするぐらいなら、何か…目的とか要求とか…あるんじゃないのか…?」


「あ…ああ…確かにその通りだが、まったく理解できないな…魏慈鯉(ギジリ)将軍は本当に、一体何を考えているのだ…?」


「う…うーむ、私にも…さっぱり解らないよ。」


 臨軍の兵士たちも、今回の出来事に不思議そうな顔をして、首を傾げていた。




   ―-―・●・―-―




 一方では、臨王やヴァグドーたち11人が、臨王の執務室から城から離れた宝物殿(ホウモツデン)の倉庫……『刮』の所まで行く為に、城の廊下を走っている。


 ―――走ってる途中―――


「……っ!!?」


 すると突然だが、ヴァグドー、勇者アドーレ、大魔女シャニルの三人が、何かに気がついて走るのをやめて停止した。


「どうかされましたか、ヴァグドー殿?」

「ふむ、皆も止まるのじゃ!」

「……えっ!?」

「……はぁ?」

「……あっ …はい…」


 他の皆もヴァグドーたち三人の背後で、走るのをやめて停止した。


 ヴァグドーたち三人が、前方右側にある白色の大きな柱の方を見ていた。


「そこにいるのは…誰かの?」

ヴァグドーがその柱の後ろの物陰(ものかげ)の方を見ながら言っていた。




「さすがだね、ヴァグドー」


 すると突然だが、その柱の後ろの物陰(ものかげ)から声がして、同時に姿も現していて、その容姿とは…人間の小さな少年の姿をして、黒髪に白眼(瞳がない)で、黒色の鎧と下に赤色の服を着た状態である。


「えぇっ!!?」

「な、なにっ!!?」


 大魔女シャニルとテミラルスの二人が、その姿を見た途端に、まるでとんでもないモノを見たかの様に、凄く驚愕していた。


「なるほど、お前が…あの悪魔神の分身体… "狩侯聖者" とかいう奴なのですか?」


 勇者アドーレがその少年に質問した。


「正解、その通りだよ。 今回の出来事は、全てこのボクが起こしたモノだよ。」


「な、なんだとっ!?」

臨王も凄く驚愕していた。


「今日のは…ほんのご挨拶だよ。 ちなみに、魏慈鯉(ギジリ)将軍の所に行くようだけど、彼は既に死んでるよ。 このボクが殺して、そのまま宝物殿(ホウモツデン)の中に押し込めたのだよ。」


「な、なんだとっ!?」

「……ちっ! 悪魔神め!」

「一体何の為に、そんなことをするのじゃ!?」


「……何の為に? だから言ったじゃないか……ほんのご挨拶だってね! 他に意味なんかないよ!」


「なんということを……ただの挨拶だけで、お前は人間を平然と殺すのか?」


「……くだらないね……まぁいいさ、このボクは "狩侯聖者" で悪魔神の分身体でレベル330、他の連中はともかくだけど、ヴァグドー、勇者アドーレ、大魔女シャニルの三人だけは、レベル600以上もあり、今のままのボクではとても勝てないから、このまま消滅させてもらうよ。」


「……っ!!?」

「な、なにぃっ!!?」

「ほう、そうか」


 すると突然だが、"狩侯聖者" の姿がスゥーッと、消えてしまった。


………ほんのご挨拶だと? 本当に一体何しに来たのだ?


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