表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
77/329

73、側近との軋轢:3

今回も再度、大魔王の登場です。


  ●【No.073】●



 レイドルノが使用している大型洞窟(アジト)の中の奥の方で、レイドルノと上位魔族のデイラルスが対峙していた。


 お互いが向き合う様に、少し距離を置いた場所で、話し合っていた。


「……私の捕縛……!?」

「ああ、その通りだよ。」


「あら、そうですのね。 私はAクラスの爵位を持つ、上位魔族ですよ。 あなたが捕縛してきた "狩侯聖者" とは、かなり違いがありますが、それでも私と戦うつもりですか?」

「いや、戦いには…ならない。 お前も先程言ってたじゃないか…… "戦うつもりはない" ……とな。」

「………えぇっ!?」

「………」


 デイラルスはレイドルノが何を言っているのか、よく解らずに人差し指を唇に当てて、不思議そうな表情をしていた。


「あら、それは一体どういう意味ですかね? もしかして…戦わずに、私を捕縛するつもりですか?」

「………」

「うふふふ、言ってる意味がよく理解出来ませんが、あなたがどんなに強くても、そう容易(たやす)く……私がやられるつもりはありませんわ。」

「………」


 レイドルノの顔からは、何故か汗が出てきていて、無表情の顔から物凄い緊張感と恐怖感を漂わせていて、依然として無言と臨戦態勢のままで、デイラルスの方をずぅっと睨み付けていた。


「あら、どうかしましたか? また…急に無口になりましたけど、あなたが一体…何を考えているのか…まったく! よく解りませんわ!」

「………」


  ※  ※  ※


 ―――すると、突然……

「それはこちらの台詞(セリフ)だ、デイラルス!! 貴様こそ、ここで一体何をやっているのだっ!?」

「………え??」

「遂に来たか……大魔王エリュドルス!」


 聞き覚えのある……この声……思わずデイラルスの動きも止まってしまった! デイラルスの真後ろには、突如として出現してきた、大魔王の黒色のマントとフードが少しなびいていて、顔を確認することは出来ないが、その強烈な気配と存在感に、デイラルスの顔からも、汗が出てきて流れていた。


「貴様の任務は、貴様の妹であるテミラルスとの合流と、ヴァグドーやアドーレたち人間の監視のはずだが、ここで一体何をしているのだ!?」

「あぁ……えぇ……いえ……その……あの……」


 デイラルスが背後からの強烈な緊張感で、後ろを振り向くことが出来ない。

 レイドルノも相変わらずの緊張感で、その場を動くことが出来ない。


「さぁて、ここで一体何をしているのか、正直に答えてもらおうか? …デイラルスよ」

「………」

デイラルスが無言のまま、顔から汗を流し続けていた。


「ほう、(だんま)りなのか? ヴァグドーたちは遂に、大魔女シャニルとの接触にも成功している……この大事な時期に、貴様がここで油を売ってる理由を説明してもらえないのか? …デイラルスよ!」

「………」

デイラルスはまだ喋ることができない。


  ※  ※  ※


 ―――すると、突然……

「その女の目的は、俺が捕縛してきた "狩侯聖者" の回収だよ。 まぁ、"狩侯聖者" はここには、既にいないがな。 …大魔王エリュドルスよ」

レイドルノが大魔王に話し始めていた。



「……なっ 何を言ってる!? この人間めがぁっ!?」

デイラルスがレイドルノの突然の発言に、激しい動揺と驚愕をしていたのだが、


「ほう……構わん……続けろ」

「俺の依頼主はギドレファナス王国の国王ギドレアスだよ。 …俺に与えられた仕事は3つ。 それは "狩侯聖者" と "デイラルス" と "テミラルス" の捕縛・回収をして、ギドレアス国王のところまで、送りつけることだよ。 俺は既に "狩侯聖者" をギドレファナス王国に送りつけている。」


「……うぐっ……」


「ほう、なるほどな。 だが……依頼主の情報と仕事の内容を、第三者の余にバラしてもいいのか? そんなことをしたら、依頼主からの信用や報酬とかは、得られないだろう!?」

「ふん………余計なお世話だよ、要らぬ心配はやめろ! …大魔王エリュドルスよ!」

「ほう、そうかい……まぁ、別にいいがな……レイドルノよ」


「……こ、これは一体……?」

大魔王とレイドルノの会話や関係に、デイラルスがかなり困惑していた。



「さぁて、今度はこちらから質問させてもらうか……大魔王エリュドルスよ」

「ほう、それは一体何かな? …レイドルノよ」


 今度はレイドルノが大魔王に質問してきた。


「……悪魔神トニトリエクルスは、現在(いま)……何処にいて……どうしているのだ!?」

「………」

今度は大魔王の方が、沈黙してしまった。




まったく! 最近の部下共は、どいつもこいつも言うことを聞かないな! (大魔王エリュドルス)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー cont_access.php?citi_cont_id=676877153&size=135
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ