表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/329

65、回収部隊の到着:1

  ●【No.065】●



 (リン)王国の軍用道路。



 ヴァグドーたち一行を乗せた馬車と、鯉娃(リエ)将軍が臨軍一万の兵士を引き連れて、ようやく四済昌にある街に到着していて、早速だが四済昌の昌留吏が出迎えてきていた。


「これは鯉娃(リエ)将軍、お待ちしておりました。 では…早速ですが、例の奇妙な洞窟の方に行かれますか?」


「おお、そうだな。 勇者様、ヴァグドー殿、では…洞窟の方に向かいましょうか。」


「ふむ、よし行こうか!」

「はい、判りました。」

「宜しくお願いします。」


「そうですか。 それでは皆さん…お気をつけて下さい。」

四済昌の昌留吏は、ヴァグドーたち一行や鯉娃(リエ)将軍たちを見送っていた。




 ヴァグドーたち一行と、鯉娃(リエ)将軍や臨軍一万の兵士は、四済昌の西側にある街の一番奥にある奇妙な洞窟……[四済昌洞窟]の入口まで到着すると、


(※既にレイドルノの姿は居なかった)


「ん?」

「……?」

勇者アドーレとヴァグドーの二人が、少し不思議そうな表情をしていて、何か……を疑問に思っていた。


「……どうかしましたか、師匠…?」

「いや、洞窟の中からは、強力で凶悪な化物の気配などは、特に感じないようじゃが、本当に居るのかのう?」

「はい、ボクもさっきからずっと、強力で凶悪な化物の気配を、(さぐ)っているのですが…ありませんね……どうやら…もういないようですよ。」


「え? そうなんですか? それは一体どういうことですか?」

「………え? 何?」

「え? それは本当なんですか? …ヴァグドー様!」

「ああ、何故かは解らんが……気配がない……確かに居ないみたいじゃぞ!」

「アタシも何も感じないぞ?」


「おい、お前たち……洞窟の中の様子を確認してこい。」

「はい、判りました。」

鯉娃(リエ)将軍が数人の兵士に、洞窟内の様子を確認するように命令した。




 暗闇の洞窟内に入っていき、中の様子を確認してきた数人の兵士が戻ってきた。


「将軍、報告します。 洞窟の中を(さぐ)ってみましたが、化物らしきモノは確認できませんでした。」

「何っ!? な、なんと言うことかっ!?」

「……やはり…か……」


「………それであとは?」

「はっ 洞窟内には誰もおらず、金塊や財宝もそのまま置いてありました。」

「これは本当に、一体どういうことなのですかね?」

「……と言うことは、最初から居なかったのか、それとも既に…誰かに倒されたのか、だと思うけど……それかな?」


 さらに言うと、洞窟の外も見渡したが、そこら辺を暴れまわった形跡もなく、強力で凶悪な化物の姿も見当たらなかった。


「ふむ、敵はもうおらんのか? まぁよい、それなら鯉娃(リエ)将軍は、早く金塊や財宝を回収するがよいな。」

「はい、判りました。 よし…お前たちは、早々に金塊や財宝を回収してこい。」

「はっ ただちに回収してまいります。」


 臨軍一万の兵士は、早速だが暗闇の洞窟内に灯台をつけて入っていき、洞窟内の一番奥にある金塊や財宝を運び出しており、ヴァグドーたち一行は、それを全て運び出すまで、兵士たちを護衛する形となっていた。




 本来の目的が、[四済昌洞窟]の中にある金塊や財宝の回収なので、それを全部回収すると、ヴァグドーたち一行や鯉娃(リエ)将軍たちは、再び四済昌の昌留吏の所まで戻っていった。


そこに四済昌の昌留吏が話しかけてきた。

「これは皆さん、お疲れ様です! 鯉娃(リエ)将軍もお早いお戻りで……!」

「ああ、そのことなんだが…」


鯉娃(リエ)将軍が先程の出来事を、四済昌の昌留吏に説明すると凄く驚いていた。

「えっ!? そうなんですかっ!? それは不思議ですね、私にも何がなんだか……解りません…けど…?」

「お陰様で何事も危険がなく、無事に金塊や財宝が回収できました。」

「そうでしたか、それは良かったですね。」


「まぁいい、他に何かあったら、すぐに知らせろ。」

「はい、判りました。」

四済昌の昌留吏は、鯉娃(リエ)将軍に一礼をすると、立ち去っていった。



 ヴァグドーたち一行や、鯉娃(リエ)将軍と臨軍一万の兵士は、金塊や財宝を持っていき、また軍用道路を使用して、そのまま中央都市の『臨響昌』まで戻っていった。




※ヴァグドーとレイドルノの出会いがなかった。

※灯台とは、臨王国が使用している小型の照明簡易道具です。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー cont_access.php?citi_cont_id=676877153&size=135
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ