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64、狩侯聖者:1

危険人物と謎の男が……激突するのか!?


  ●【No.064】●



 [四済昌洞窟]

(※四済昌の西側にある街の一番奥にある奇妙な洞窟)



 入口付近の近くにある林の木の物陰(ものかげ)に隠れていた一人の男が、すぐに戦闘態勢をとりながら、入口まで近づいてきていた。


「……い、一体……な、何が起きているのか……?」


 その男が洞窟の入口から、中の様子を覗いて確認していたが、中は暗闇で何も見えない。


「ちっ や…奴らは本当に死んだのか?」


 その男の容姿とは、長身(ヴァグドー位?)で白銀色の髪に翡翠色の瞳をして、少し変わった特徴の青色と白色が混ざった服を着ていて、薄紅色のスカーフをして、背中には荷物を背負い、黒色の細長い鉄製の棒を持っていた。

 その男の名前は "レイドルノ" と言って、「爵位」を「狩猟」するのが、彼の仕事であり冒険者なので、この土地の出身ではないようだ。


 彼は一体何者なのか、それはこれから判るのか?




 レイドルノが持っている黒色の細長い棒を、いつでも戦闘できるように構えていて、洞窟の入口の前に立って待っていた。



 カツン.カツン.カツン…


 すると突然、洞窟の中の奥から入口の方に向かってくる足音が聞こえてきていて、明らかに化物などの足音ではなく、人間の足音であった。


「や、やはり……来るか?」


 レイドルノは(ひたい)から冷や汗を流し、ツバを飲み込んで、喉を鳴らしていて、物凄い緊張感を漂わせながらも、平然を装っていた。




 そして…遂に、そのモノが洞窟の中から、入口へと姿を現したのだが、なんと見た目が小さな男の子……つまり少年であった。

 その少年は、黒髪に瞳がない白眼で……顔や服などの全身が赤く染まっていて、服については元が何色だったのか…正直もう解らない程の、上半身も下半身もとにかく赤かったのだが、彼は…化物……なのか?


 その少年がレイドルノの方を見ると、ニヤリと笑って話しかけてきた。


「ふふふ、キミもこのボクに殺されにきたの?」


「いや、違う! 貴様を殺しにきたぞ! "狩侯聖者" よ!」


「え? ふふふ、これは驚いたなぁ~ このボクのコトを知っている者が、まだこの世に存在していたとはねぇ~ でも…キミがこのボクを殺すの…? ふふふ、面白い冗談だねぇ~?」


「いや、違う! 冗談ではない、俺は本気だぞ! "狩侯聖者" よ!」


「え? ふふふ、いいだろう! それなら…このボクの本当の恐ろしさを教えてあげるよぉ~ キミも死んで後悔するといいぃ~よぉ~!」


「さぁ、こい! 貴様を殺してやるぞ!」

レイドルノが持つ黒色の細長い棒の両先端から、白色の光のエネルギーの刃が "シャッ" と出てきた。





    《狩侯聖者》

人間の少年の化物なのか? 黒髪に白眼で赤い服を着た存在。 レベル:330


 ダッタッダッタッ…


 狩侯聖者が物凄い勢いとスピードで、レイドルノの方に接近してきて、レイドルノの首筋に噛みつこうとしたが、


 ジュザァン!


 次の瞬間、レイドルノが持つ黒色の細長い棒の先端の白色の刃が、狩侯聖者の喉を貫いた。


 まさに一瞬の出来事であった。


 このコトに狩侯聖者も、非常に困惑した表情になっており、かなり動揺していた。


「え? このボクのスピードについてこれるの?」


 狩侯聖者は喉を貫かれていたが、流血もしていないし、普通に喋れていて質問もしてきた。


「…驚いたか? 当然だが、俺を普通の人間と一緒にしてもらっては……困るな!」


 さらにレイドルノが、腰に隠し持っていた黒色の(つか)と白色の刃でできた複数の小型ナイフを、狩侯聖者の(ひたい)や胸や腹などに、めがけて投げつけた……のだが、


 シュシュシュ…


 狩侯聖者には全く通用しなかったようで、何事もなかったかのように平然と立っていて、小型ナイフも全部が地面に落ちて突き刺さっていた。


「ふふふ、キミの攻撃はもう終わりなの? なら…こちらもそろそろ終わりにしようかな?」


「………」

だがレイドルノは無言のままで、特に取り乱す様子もない。


「ふふふ、死―――」


 再び狩侯聖者が、レイドルノに攻撃しようと動こうとするが、なんと身体が全く動かない事に気がつき、かなり驚愕して取り乱していた。


「え? な・ぜ身体がう・ご・か・な・い・の? 何これは一体どういうこと・な・の?」


「ふう、どうやら貴様でも通用したようだな。 俺の武器にはな、"猛毒" と "呪い" を混合(ブレンド)して大打撃(ダメージ)を与えられるように作ってある。 普通なら、もうとっくに死んでいるが、さすがの貴様でも、動きを封じるぐらいは…可能のようだな。」


「な…な・ん・だ・と?」


「ふふふ、どうやら喋ることも、難しくなってきたようだな。 今なら簡単に、とどめがさせる訳だな…ふふふ」


 狩侯聖者は悔しそうな表情をしていたが、身体が全く動かない。


「くらえ、とどめ―――」

 

「………ぎぃっ!」

すると狩侯聖者の姿が、スゥーッと消えてしまった。


「ふっ なるほど、まだ逃げるだけの力は残っていたようだな。 また…とどめは次回に持ち越しだな…ふふふ」

レイドルノは武器をしまって、戦闘態勢をといた。




残念ながらの逃亡だが、レイドルノとは……一体何者なのか?


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