表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/329

59、勇者の帰還:1

ここで遂に、ようやく主人公(ヴァグドー)たちの登場ですよ!!!


  ●【No.059】●



 (リン)王国の中央にある都市の『臨響昌』の臨王が住む、お城である『宋尊城』にて。



「なんということなのだ?」


 自分の部屋にいた臨王が、前回起きた "化物狂暴事件" の……巨紅龍の暴虐ぶりと、味方の被害の報告を受けていて、頭を抱えていた。


「まさか、こんな結果になるとは……。」


 臨王は思い悩んでいた。


 自分の判断は間違っていなかったのか? 軍を出兵すべきではなかったのか? だが、敵の残党の好き勝手にやらせる訳にはいかない……さらに軍を派遣したからこそ、市民の被害を最小限に食い止められたが……それでも味方の被害は甚大であった。

 娃魯(エロ)将軍と臨軍の三万以上の兵士の犠牲は、あまりにも痛すぎたのだ。


「しかし、一体何故なのだ?」


 そこに、あるひとつの疑問があった。


 それが巨紅龍の謎の死であった。

 臨軍の兵士が様々な武器を使用して、あれほど沢山……巨紅龍に攻撃したのに、傷ひとつつけられなかったと言う。

 それなのに突然、巨紅龍の首が切断されてしまったのだと言い、しかも鋭利な刃物のような斬られ方でバッサリと……。

 原因は不明……。






 臨王が少し考え込むと、そこに一人の男が部屋の中に入ってきた。


「陛下、失礼致します。」


「ん? 何か用なのか?」


「はい、先程ですが、勇者アドーレ様が『許童昌』の街で、お見掛けになられたそうにございます。」


「―――っ!? 何ぃっ!? それは本当なのか!?」


「はい、これは確認情報でございます。」


「おお、遂にやって来たのか? よし、すぐにお出迎えするのだ!」


「はい、判りました。」

その男が一礼をすると、また部屋から外に出ていった。


「……そうか、やっと帰ってきたか? 余のもとに……!」

臨王はなんとも薄気味悪い()みを浮かべていた。




   ―-―・●・―-―




 (リン)王国の東側にある都市の『許童昌』内の、さらに東側にある街にて。


 家・店などが沢山あり、沢山の人々が行き交う街である。



 その街中には、ヴァグドー、勇者アドーレ、カグツチ、ロンギルス、エクリバ、ニーグルン姫、ルドルス将軍、テミラルスの八人が歩いていた。


 ちなみにだが、馬車は街の外に置いてあり、中に入れることはできない。


 ヴァグドーたちが街の風景を見て、感想を言っていた。


「ほう、これはまた、風情があっていいのう。」

「ええ、なかなか良い街でしょ? この国も…」

「しかし、師匠、アーサンティラル王国からこの臨王国までの道程は結構、長く遠かったですよね?」

「はい、この国に来る途中で大きな川がありましたし、船に乗ることになるなんて思いませんでした。」

「でも、楽しかったねぇ~♪」

「そ、そうですかね…?」

「姫様、体調の方は大丈夫ですか? お疲れではありませんか?」

「はい、大丈夫ですよ、将軍」

「はぁ~ それにしても、この国も人が多いわねぇ~」



「ん?」

「……!」

先頭を歩いていたヴァグドーと勇者アドーレの二人が、何かに気がついたようだ。


 すると、ヴァグドーたちの行く手を、複数の兵士らしき男が、立ち(ふさ)がっていた。

 よく見ると、その兵士たちは臨軍の兵士ではないようであり、なにやら黒色の鎧を着ていて、手には刀を持っていた。


 街の人たちも、その兵士たちに気がつくと、「おい、敵の残党がいるぞ!」と言いながら、一斉に逃げる様にして、その場を立ち去っていった。




 その敵の残党が、ヴァグドーたちの方を睨み付けていた。


「……何か用かのう?」


「貴様ら、よそ者だな! 一体何しに来たのだ!」

「…何者かは知らないが…」

「ここは貴様らが来るような所ではない! 命が欲しければ自分の国に帰れ!」


「ふむ、ワシらのことを心配してくれているようじゃが、心配するのは……むしろ、お前さんたちの方かものう。」


「……っ!?」

「な、何っ!?」

「なんだと!?」


「お前さんたちの後ろをよく見てみろ。」


「………?」


 黒色の鎧を着ている敵の残党が、一斉に後ろを振り向くと、今度は青色の鎧を着て、手には刀を持った兵士たちが、敵の残党の五倍以上の数で、敵の残党の方を睨み付けて立っていた。

 こちらはどうやら臨軍の兵士のようである。


「まだ、滅んでいなかったのか? しぶとい奴らだ!」

「敵の残党が何を偉そうに、言っているのだ!?」


「……り…臨軍か……」

「…くっ…臨軍…だと…?」




どうやら、臨軍の兵士と敵の残党(以前の他国の兵士)の鉢合わせのようです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー cont_access.php?citi_cont_id=676877153&size=135
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ