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絶望老人が異世界転生をしたら、99年間で最強無双になってしまった!  作者: 賭博士郎C賢厳
※閑話:大魔王のお話し
57/326

53、側近との軋轢:2

大魔王のお話しの続きです。


  ●【No.053】●



 魔族が支配する国の大魔王城の中。


 上位魔族たちを集合・隔離させていた比較的広い部屋では、大魔王との戦闘で敗北した上位魔族たちがうつ伏せになって倒れていて、そのほとんどの者が絶命していた。


「……まったく、本当に口ばかりのヤツらだな…コイツら…」


(ちっ この程度で敗れ去るとは……どちらにしても、もう使いモノにならないか……?)



 大魔王は上位魔族の実力が、どの程度なのかを確かめる為に攻撃をしていた。 力なき者はどちらにしても悪魔神によって、抹殺されてしまうのが判っていたからだ。


 しかし、何と言う無様な有り様なのか? ほとんど上位魔族とは、名ばかりの最低な醜態を(さら)していて、これでは本当に上位魔族としての資格などないと言うところなのだ。



「……残ったのは、貴様らだけなのか?」


 大魔王の前には、大魔王の猛攻を必死になって避けたり、耐えたり、反撃できた者たちの上位魔族の四人だけが、疲労して息を切らしながら、なんとか立ち残っていた。


 あれほど沢山いた上位魔族がたった四人しか生き残れなかったコトに大魔王はだいぶショックを受けていた。



「…よかろう…それでまだ余に忠誠を誓うつもりなのか?」


 すると四人の上位魔族は慌ててひざまずいた。


「はっ 勿論でございます。 お望みであれば、早急に悪魔神討伐に共に向かいます。」


「いや…まだ行けぬ…先の戦闘で余の体力も魔法力も、まだ完全に回復してはいないのだ…今、行っても返り討ちに()うだけだ…」


 それを聞いた四人の上位魔族が物凄く驚愕していた。


「なんと! 大魔王様はまだ全快では…ないのですか?」

「えええっ!!? まだ先の戦闘の傷が()えていないのですかっ!!?」


「ああ、その通りだが…?」


 そう、先の悪魔神との戦闘で瀕死のダメージを受けた状態であった。 疲労困憊・負傷していて体力も魔法力もほとんどない状態の大魔王に、大半の上位魔族が敗北し絶命していったのだ。


 先程の大魔王が言った「自分を倒せる機会」とは、そういった意味なのだが、それでも倒せなかった上位魔族の無力さに大魔王も(あき)れていた。



「貴様ら四人はよくやったな。 余の側近に役に立たない者は必要ないのだ。 このような雑魚並みの実力では、悪魔神に勝つことなどできんのだ。」


「ありがとうございます。」

「それで…我々は今後どのようにすればよろしいのですか?」


「悪魔神の動向を監視しろ。 しばらくは休養しながらも、自身の実力を高めるのだ。 いつ悪魔神がこの世界を侵攻するのか解らないから、常に戦闘準備を(おこた)るな。」


「はっ 了解しました。」


「それと…デイラルスは余と共に『玉座の間』に来るのだ…話しがある。 あとの者は解散する。」


「はっ 了解しました。」

他の上位魔族の三人は部屋を出ていった。






 大魔王城の城内にある『玉座の間』にて。


 大魔王が『玉座』に座り、その前にはデイラルスが立っていた。


 デイラルスはAクラスの爵位を持つ上位魔族である。

 その容姿は、肩まで伸びたピンク色の髪の毛に、右目が深紅色で左目が深緑色のオッドアイ、服は着ておらず細身で透き通った美肌に、先端が綺麗なピンク色をした美しい巨乳で、股間部分は面積の少ない黒色の布で隠し、両腕にはブラックオペラグローブ・両足にはブラックロングブーツをそれぞれ身に付けた、ほぼ全裸に近い状態に尻尾のついた、可愛い顔立ちをした女性であり、テミラルスの姉にあたる。



 大魔王はデイラルスに質問した。


「貴様の妹のテミラルスの件だが……彼女はまだ人間の国にいるのか?」


「はい、何でも大魔女シャニルを捜してアーサンティラル王国まで行ったようですが、まだ大魔女シャニルは見つかっていないようです。」


「するとまだ捜索しているのか? テミラルスは……。」


「はい、その様です。 今は人間たちと共に(リン)王国に向かっております。」


「……ほう……」


「いかが致しましょうか? …大魔王様…」


大魔王は少し考え込むが―――

「よし、それは面白い! 貴様もテミラルスに合流しろ! そして、そこで人間たちの行動を余に報告するのだ!」


「……人間の行動を……ですか?」


「ああ、その通りだ! 余に考えがある為、人間の行動に口出しせずに、観察するのみ! そして、それを報告するのだ! あとの指令はその都度(つど)出す! よいな?」


「はっ 了解しました! それでは早速、(リン)王国に向かいます!」


「その前にひとつ! 人間の国に向かうのであれば、服ぐらいは着ていけ!」


「はい、判りました。」

デイラルスは大魔王に一礼すると、そのまま『玉座の間』を出ていった。



「………」

(さて、余は瞑想に入るか)


大魔王は『玉座』に座ったまま、静かに目を閉じて精神を統一して、傷を()していた。



こうして、デイラルスはヴァグドーたちが向かっている(リン)王国に、彼女も向かっていった。




大魔王の考えとは、一体何なのか……!?


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