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絶望老人が異世界転生をしたら、99年間で最強無双になってしまった!  作者: 賭博士郎C賢厳
※閑話:大魔王のお話し
55/329

51、悪魔神と大魔王

いきなり場面が変わる!

ヴァグドーたちは登場しない!


  ●【No.051】●



 ある暗闇の中。


「このままでは、この余が敗北する?」


 暗闇の中から聞こえる声、そこには黒いフードを被って、黒いマントを身につけた…人間の身長と同じぐらいの男性らしき者が、ふわふわと浮いて漂っていた。


「そ、そんなバカなっ!? この余が敗北など……っ!!」


 その黒いフードとマントの男の目の前には、物凄い巨大で異様な姿をした異形な人型?の化物が、全身から物凄い威圧感を出していて、戦慄させていた。


『フハハハ、もう駄目だ! お前に勝ち目などない! 今、トドメをさして、ラクにしてやる!』


「くっ おのれ! だが、この余とて "大魔王" と呼ばれている身、いかに相手が "悪魔神" でも退()く訳にはいかぬ!」


『フハハハ、ならば、ならば、今度こそ、今度こそ、滅びるがいい! 大魔王よ!!』


 悪魔神トニトリエクルスが、物凄い勢いで大魔王に襲いかかってきた。






 ボロボロになった黒いフードとマント、瀕死の状態のあまりにも無惨な姿、今、大魔王が大敗寸前まで追い込まれていた。


 悪魔神の圧倒的な力の前では、魔族を統べる最強の大魔王も赤子同然の有り様、最早、打つ手はないのか?


「うぐっ! がはっ! こ…これが…悪魔神の力……ここまでとは……!」


『ホウ、まだ生きていたのか? さすがは大魔王よ。 相変わらず…しぶとい、しぶとい、フハハハ、サァ、これでオワリにしようか!』


「……っ!!?」


 悪魔神トニトリエクルスは、右手を手刀の形にしてから天高く上げて、そこから物凄い光とパワーが集まっており、大魔王の頭上に向けて一気に振り下ろした。


 ドシュッ!


 トドメの一撃だった!!


 スカァッ!


 だが、悪魔神の手刀がむなしく宙を舞い、そこに大魔王の姿はいなかった。


『………チッ! またしてもイってしまったのか…? 悪運の強いヤツ、さすがは大魔王と恐れられるだけはあるようだな。 ワハハハ、またしてもイクコトが出来るとはな。』


 悪魔神トニトリエクルスは、先程までとは違っていて…今度は、静かにおとなしくなっていた。


『マァ、いい……ヤツがまた我のところに来るまで、我はまた休むとするかな……。』


 そう言うと今度は、悪魔神トニトリエクルスの姿が消えてしまった。




   ―-―・●・―-―




 現在、ヴァグドーたちが居る世界、アーサンティラル王国のはるか北側に位置する魔族が領地とする国、そこの一番奥にある大魔王城の『玉座の間』の中央部分に、大魔王がうつ伏せで倒れていた。


「―――」


 大魔王が気がつき、目を覚ました。


「うっ うっ 余は…余は…」


 大魔王が辺りを見渡すと、そこは誰もいない自分がいつも使用している『玉座の間』であった。


「そうか……また戻ることが出来たのか…?」

大魔王は冷や汗をかきながら、立ち上がり慌てて『玉座』に座った。


「な、なんということなのだ……まさか、ここまで力の差がついていたとは…? このままでは……本当にヤツに何もかも支配されてしまうぞ…!」




「失礼します。」

一人の使い魔が『玉座の間』の中に入ってきた。


「……なんだ?」


「はっ ベドゼルス様、バロガルス様、共に人間に殺害されてしまいました。」


「……はぁ? 何のことだ…? 一体何を言っている…?」


「は、はっ ベドゼルス様、バロガルス様…共にアーサンティラル王国を侵攻して―――」

「何、ちょっと待て!? 余はそんな命令を出した覚えはないぞ!?」

「……えっ!?」


「あ、あいつらめ!! また余の命令を無視して逆らいおって!! そこまで余を(あなど)るのかっ!? おのれっ!! この余がじきじきに殺したかったぞっ!!」

「ひ、ひぃぃ……」

使い魔は大魔王の異常な激怒に、恐れ驚いていた。


「それで! この余の命令を無視して逆らった者は、その二人だけかっ!?」

「い、いえ、テミラルス様もアーサンティラル王国に……」

「ああ……彼女か? 彼女はよい…彼女には余の命令通り行動している。 …放っておけ!」

「はっ! 了解しました!」


「それと他の上位魔族には、城内で待機する様に命じておけ! 文句がある者には余がじきじきに死を与えてやる! それと先の二人を殺害した人間については、余に考えがある為、放っておけ! いいな?」

「はっ! 了解しました!」


「それで報告はそれだけか! ないのならさっさとさがれ! 今、余は少し疲れている!」

「はっ 失礼しました」

使い魔は慌てて『玉座の間』を出て、立ち去っていった。




また『玉座の間』には、大魔王一人だけとなった。


「役立たず共め! また余計なことを、こんな大事な時に人間などの相手をしていられるか! 人間の首を取る前に、我らの首が先に取られるわ!」


大魔王は顔を下の方に向けて、考え込んでしまった。


「お、おのれーっ! 悪魔神め! 今度こそ、必ず!!」




大魔王……これから一体どうするつもりなのか?


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