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絶望老人が異世界転生をしたら、99年間で最強無双になってしまった!  作者: 賭博士郎C賢厳
A.アーサンティラル王国編
52/326

48、面倒臭いのう

メルルスクリムを救い出せ! -その3-


  ●【No.048】●



――― "地獄の塔" の頂上では、


カグツチたち女性陣が、壁に繋がれて固定されていた、全裸の女性の手足を自由にして助け出し、身体を布で巻いて隠し、かすり傷や擦り傷などの手当てをしていた。


「その女は大丈夫なのか?」

「はい、大丈夫です。 気絶しているだけですから、身体の傷も治癒しましたし、何も問題ありません。」

「そうか、それは良かった。」



 一方の少し離れた所で、

ヴァグドーと勇者アドーレの二人は、不思議な杖を拾っていて、どうやら特殊なアイテムの様であり、青銅色の鉄製にシンプルなデザイン(上部が球体)の杖であり、その名も【獄蓮の杖】と言うモノであり、やはりこれも大魔女シャニルぐらいにしか装備できない品物である。


どうやら、だんだんと判ってきたぞ! なるほど、なるほど、そういう仕組みなのか!


ヴァグドーは【獄蓮の杖】を手に入れた。



すると気絶していた女性が、目を覚ました。


「こ、ここは…? 私は何故、こんな所に…?」


「おい、大丈夫?」


自分の顔の上にカグツチの顔が見えていて、その女性はカグツチに膝枕してもらっていた。


その女性は藍色の瞳をした大変な美貌の持ち主であった。


「あなたは一体誰ですか?」

「私はあなたを助けに来た冒険者の一人だよ。 ここにいる人たちは私の仲間だよ。」


「…はっ!! あの鳥の化物は…っ!?」

「ああ、その鳥の化物なら、あの二人がさっさと倒してしまったよ。」

「えっ!? あの恐ろしい鳥の化物をたった二人で…っ!?」


ヴァグドーがその女性に話しかけてきた。

「それで…お前さんは一体何者なのじゃ?」

「はい、申し遅れました。 私の名前はメルルスクリムと言います。 どうか宜しくお願いします。」

「ワシの名前はヴァグドーじゃよ。 そして隣にいるのが、勇者アドーレじゃ。」

「はい、宜しくお願いします。 姫様」

「あなた様があのヴァグドー様ですか? それに勇者様も一緒でしたか?」


「ふむむぅ、さぁさぁ、こんな塔は長居は無用じゃ。 さっさと降りるぞ。」

「はい、判りました。」

「うん、わかったよ」


ヴァグドーたち一行は、メルルスクリム姫を護りつつ "地獄の塔" の階段を降りていき、今度はヴァグドーと勇者アドーレの二人も、帰りは階段を使用していた。


最早、弱小モンスターなどは既に、ヴァグドーの相手にすらならず、そのまま "地獄の塔" の一番下の階まで降りて "地獄の塔" から外に出ていき、再び王都・ラームの城下町まで戻っていった。





街の入口には、ニーグルン姫とルドルス将軍の二人が、立って待っていた。


「ヴァグドー殿! 皆様、お疲れ様です!」

「おお、メルルスクリム様! ご無事でしたか?」

「はい、なんとか大丈夫ですよ。 ルドルス将軍」

メルルスクリム姫はニーグルン姫やルドルス将軍の方に歩いていった。


「ヴァグドー殿はこれからどうしますか?」

「一旦宿屋で休んでから、あらためてギルド冒険商に行くつもりじゃ。」

「はい、そうですか。 では宿屋の手配はお任せ下さい。」

「なかなかお城の方に行きませんね。 ヴァグドー殿、何故ですか?」

「ふふふ、気が向いたらのう。 それでアドーレは一体どうするつもりなのじゃ?」

「はい、ボクももう少しだけ、ヴァグドーさんたちと一緒にいますよ。」

「ふむむぅ、そうか、わかったのじゃ。」


「はい、判りました。 ではその様に致します。 どうもありがとうございました。」

ニーグルン姫、ルドルス将軍、メルルスクリム姫の三人はお城の方へ戻っていった。


「よし、宿屋で休むか?」

ヴァグドー、勇者アドーレ、カグツチ、ロンギルス、エクリバ、テミラルスの六人は、ニーグルン姫が手配してくれた高級宿屋に行き、一人一部屋で宿泊して、ゆっくりと身体を休めた。





翌日、ヴァグドーたち一行は、早速だがギルド冒険商の方に向かっていき、中に入るといつも通りに沢山の冒険者で賑わっていた。


早速、ワシはアカネに話しかけていた。


「よう、アカネよ、また来たぞ。」


「あっ ヴァグドー様! この度のご活躍、まことに見事でした! 凶悪なモンスターを倒し、メルルスクリム様も無事にお城に戻ることができましたよ!」


「そうか、それは良かったのう。」

「はい、それでヴァグドー様と勇者アドーレ様には、報酬金が出ていますよ。 獄殺及腰鳥討伐料金の600000Rですが、どちらにお渡しします?」

「はい、ではヴァグドーさんに渡して下さい。」

「ん? いいのか? アドーレよ」

「はい、ここまでくればもう必要ありません。」

「そうか、では貰おうか。」

ワシはお金を受け取った。


「ヴァグドー様、王様が会いたいそうですよ。 まだ会いに行かないのですか?」

「ふむむぅ、面倒臭いのう。」

「ははは、ヴァグドーさんらしいですね。」

「………」

「そんなことを言っていると、王様の方からヴァグドー様に会いに来ますよ?」

「わかった、わかった、その内会いに行くわい、ふう、面倒臭いのう。」

「そう言わずに宜しくお願いしますね。」

「………」


王様に謁見するのに、なかなか謁見しないのは、おそらくはヴァグドーが初めてであろう。


ヴァグドーたち一行は、ギルド冒険商を出ていった。


 

※久しぶりにヴァグドーの愚痴が聞けました。

※果たして、ヴァグドーは王様に会うことが出来るのか!?


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