47、変質なる者
メルルスクリムを救い出せ! -その2-
●【No.047】●
ヴァグドーと勇者アドーレの二人は、物凄いスピードで "地獄の塔" の外壁をジャンプしながら、頂上を目指していた。
一方のカグツチ、ロンギルス、エクリバ、テミラルスの四人も "地獄の塔" の内部に侵入して、弱小モンスターを倒しつつ階段を登り、急いで頂上を目指していた。
その "地獄の塔" の頂上では、塔の主でもあり、黄緑色の大きな翼、赤色の瞳、黄色いクチバシ、鋭い足の爪、茶色い毛並みの身体をした巨大な怪鳥が威嚇しながら立っていて、頂上まで登ってきた王国軍兵士や冒険者たちと戦っていた。
「ぎゃおおおーーーっ!!」
その巨大な怪鳥は、大きな足の爪で冒険者の首を切り裂き、また大きな翼をバサバサと動かし強烈な突風を巻き起こして、王国軍兵士や冒険者たちの動きを止めてから、今度は口から灼熱炎を吐いて王国軍兵士や冒険者たちを焼き尽くしていて、見るも無惨な姿にされてしまい絶命していった。
「ぐぅああぁーーーっ!!」
「ひぃえぇーーっ!! 助けてくれぇーーっ!!」
「や、やめてくれぇーーーっ!!」
王国軍兵士や冒険者たちの断末魔の声が聞こえてきていた。
さらに巨大な怪鳥の後ろの壁には、一人の女性が全裸で両手・両足を、鎖の枷で繋がれており壁に固定されていて、その女性は気絶しているのか、顔が下の方に向いていた。
その容姿は、太股まで伸びた藍色の髪の毛に、一糸まとわぬ透き通った細身の美肌で、先端が綺麗なピンク色をした美しい巨乳も見せていたが、何処も隠しておらず大の字の姿で、酷い醜態を晒していた。
「でりゃぁーーーっ!!」
ザァン!
カグツチが剣で弱小モンスターを斬り倒す。
「さぁ、急ぎましょう!」
「うん、行こう!」
カグツチたち四人は駆け足で階段を登っていった。
そして遂に、ヴァグドーと勇者アドーレの二人が、"地獄の塔" の頂上に到着した。
地面には、身体から血を流して死亡している冒険者たちに、身体が灰となって死亡している王国軍兵士たちが、あちこちで転がっていた。
「あの怪鳥ですかね? どうやら、派手に暴れているようですね。」
「なるほど、次はワシらの番じゃ! 一緒に遊んでやるぞ! 鳥公!」
「ぎゃおおおーーーっ!!」
巨大な怪鳥が今度は、ヴァグドーと勇者アドーレの二人に、襲いかかってきた。
《獄殺及腰鳥》
赤色の瞳、大きな翼に茶色の身体をした巨大な怪鳥で、足の爪や灼熱炎を吐いて攻撃する。 レベル:96
ゴオオオーーーッ!
突然、獄殺及腰鳥が口から灼熱炎を吐いて、ヴァグドーと勇者アドーレの二人を、焼き尽くそうとした。
「そりゃぁっ!!」
「ありゃぁっ!!」
ヴァグドーはそのまま獄殺及腰鳥の方に向かって走り出し、勇者アドーレは上空にジャンプした。
ジュウウウ……
ヴァグドーは灼熱炎を全身で浴びたのだが、まったくの無傷であった。
「まだまだアマいのう。」
グアッ!
慌てた獄殺及腰鳥が足の爪で、ヴァグドーの首を切り裂こうとしたのだが、ヴァグドーの姿が一瞬消えた。
ドゴォン!
次の瞬間、ヴァグドーが獄殺及腰鳥のクチバシの前に現れて、強烈な右拳でクチバシを粉砕した。
「んんん~~~っ!!」
クチバシを破壊されて苦しむ獄殺及腰鳥の全身を勇者アドーレの八本の【黄金の剣】が突き刺さった。
ズザザザァン!
「うぎゃあああーーーっ!!」
「これでもくらえっ!!」
ドッカァーン!
獄殺及腰鳥の全身に突き刺さっていた八本の【黄金の剣】が光出し、大爆発を起こし、獄殺及腰鳥の身体が粉々になり爆死した。
「ふむむぅ、ご苦労さん。 アドーレよ」
「ヴァグトーさんも援護、感謝します。」
獄殺及腰鳥の戦闘不能。
今回はヴァグドーと勇者アドーレの二人のコンビネーションで獄殺及腰鳥に見事、勝利した。
「はぁーはぁはぁー…し、師匠…」
「はぁーはぁはぁー…ヴァグドー様…」
「はぁーはぁはぁー…ダーリン…」
ようやくカグツチたち四人も、息を切らしながら、頂上に到着していた。
「はぁー…やっぱりもう終わってるよ。 …速いねぇー、ヴァグドー」
「皆さん、お疲れ様です。」
「いやいや、お前さんたちもなかなか速かったぞ!」
ヴァグドーと勇者アドーレの二人の攻撃のコンビネーションは見事である。




