01、絶望老人
新作を書きました。
宜しくお願いします。
●【No.001】●
「ワシゃ、もう駄目じゃ…」
ワシは日本在住のしがない男性老人のお爺ちゃんじゃ…。
両親はとうの昔に死んでおり、兄弟も妻子もいない。
まさに天涯孤独の身…。
働いて稼いだ貯金も底をつき、日本政府の勝手な政策で年金もストップじゃ…。
つい先日、住んでいたアパートも追い出されて、明日からはホームレス生活じゃ…。
この歳でのホームレス生活は…ワシに死ねと、言っておるようなものじゃよ。
何が国民の為の政治じゃ!
何が男女平等じゃ!
何が格差を無くそうじゃ!
何が世界平和じゃ!
何が………。
愚痴を言って…すまなかったの。
現在は西暦2255年、23世紀じゃよ。
今はまだ、日本は戦争をしておらぬが、近隣諸国は相も変わらず戦争三昧の日々じゃよ。
ワシのように路頭に迷う老人も少なくない。
もう働けない身体だからのう。
まともに動く事もできぬ…。
もう骨と皮だけじゃよ。
もう生きていく希望もないわ。
ワシ同様に生きていく希望が、なくなった老人は沢山おる。
【…国も…世界も…人生も…生活も…全てに…絶望した…】
では、そう言った者逹は…一体どうするのか?
ワシは今、高層ビルの屋上の一番端っこにおる。
今から飛び降りる為になぁ。
この作品がこれからどういう展開になるのか、作者にもよく解りません。