43、悪霊なる者
冥界の女神ハーディスの質問タイムの続きから。
●【No.043】●
ニーグルン姫の質問にハーディスが答えていた。
「…あっ はーい、判りましたぁ♪ では…ステータスオープン♪」
まずは勇者アドーレのステータスが表示された。
●・●・●
アドーレ : 勇者
レベル : 606
耐久力 :4830
魔法力 : 0
――――――――――
攻撃力 :2540
守備力 :2560
機動力 :2780
叡知力 :1350
幸運力 :1970
――――――――――
絶望力 : 100
戦利品 :【黄金の剣】【黄金の鎧】【森眠の盾】【???】
戦利品装備:【黄金の剣】【黄金の鎧】
能力 :【ストリンガー・ドラグーンソード】【幻爆神魔眼】【肉体固定】
●・●・●
続いてヴァグドーのステータスが表示された。
●・●・●
ヴァグドー: 拳徒
レベル : 606
耐久力 :4800
魔法力 : 0
――――――――――
攻撃力 :2580
守備力 :2570
機動力 :2850
叡知力 :1440
幸運力 :1930
――――――――――
絶望力 : 100
戦利品 :【射熱の盾】【氷結の剣】【重鋼の盾】【凱封の剣】【魔蛇の剣】
戦利品装備:【氷結の剣】【凱封の剣】【魔蛇の剣】
能力 :【ストリンガー・デスロック】【肉体固定】【カリスマボディ】
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上記のステータスを見ても判るように、ヴァグドーと勇者アドーレの二人の実力はほぼ互角なのであり、明らかに大魔王の力を大幅に超えていた。
「………」
ヴァグドーと勇者アドーレの二人の…あまりにも凄まじいレベルにカグツチたちは、唖然としていて最早…言葉が出ない。
「………」
そしてテミラルスも、唖然としていて言葉が出ない。
(おいおい、マジかよ!? これって大魔王様のレベルを軽く超えちゃっているよ!?)
「ふん、最近は…怠けているからのう。 まぁ、仕方あるまいのう。」
「そんなことはありませんよ、ヴァグドーさん。 …それでハーディスさん、このボクがこれから倒さなければならない…この世界での真の敵の名前を、あらためて教えて下さい。」
「………」
勇者アドーレの質問に、ハーディスは少しの間、沈黙していたのだが―――答えた。
「…敵の名前は『悪魔神トニトリエクルス』と言います。」
『悪魔神トニトリエクルス』
この世界を裏から支配しようとする者……大魔王も超越した影の存在……悪魔の神であり、大魔王とは敵対関係でもあり、その力は想像を絶している。
「では、ごきげんよう♪ そして皆さんのご武運をお祈りしますわぁ♪」
そう言うとハーディスの身体が光出して姿が消えてしまった。
次にヴァグドーたち一行は、そのまま街の外の現在地から裏側まで行くと、そこに "地獄の墓場" があり、タチの悪そうな貴族の悪霊たちが楽しそうに踊っていた。
「おお、ここじゃな。 さて…久しぶりの戦闘じゃな。」
「ボクも手伝いますか? ヴァグドーさん」
「いや…いい、ワシ一人で十分じゃよ。」
ワシは前に出た。
《悪魔霊魂貴族》
貴族の幽霊が悪霊化したモノであり、攻撃方法は不明。 レベル:44
ワシは早速、【魔蛇の剣】を取り出したのじゃ。
「悪霊共よ! これを見よ!」
するとさっきまで楽しそうに踊っていた悪霊たちが、目の色を変えてヴァグドーに襲いかかってきた。
「剣術はあまり得意ではないのでのう。」
スパパァーン!
ワシは襲ってくる悪霊たちを片っ端から素早く斬り裂くと、斬り裂かれた悪霊に紫色の蛇がまとわりついて、動きを止めることに成功したのじゃ。
「次はこいつの出番じゃな。」
スパパァーン!
そしてワシは次に【凱封の剣】を取り出して、動きが止められている悪霊たちを素早く斬り裂くと、紫色に変色して全て消滅した。
「ふむ、終わったか」
【凱封の剣】と【魔蛇の剣】の使用。
この一連の動作…ヴァグドーは悪霊に対しても対処することができ、鮮やかで…まさに職人技であった。
悪魔霊魂貴族の消滅。
ヴァグドーは悪魔霊魂貴族に見事、勝利した。
「まぁ、こんなモンかのう。」
「お見事です。 さすがはヴァグドーさんですね。」
「………」
勇者アドーレは当然の様な反応をしているが、ヴァグドーの万能なる多彩な能力に、他の者たちはポカーンとして、ただただ唖然としていた。
さすがのヴァグドー、【魔蛇の剣】と【凱封の剣】の見事なコンビネーションで、悪霊を撃破!!