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絶望老人が異世界転生をしたら、99年間で最強無双になってしまった!  作者: 賭博士郎C賢厳
A.アーサンティラル王国編
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41、第九の街に入る

  ●【No.041】●



ヴァグドーたち一行は、今回も馬車で移動している。



まずはニーグルン姫が所有している馬車が先に進み、次にヴァグドーが所有している馬車が後からついて来て進んでいた。


ちなみにテミラルスはヴァグドーの馬車の上空を、プカプカと浮かびながら進んでいた。


「上空からは異常なしだね。 変質者もモンスターも、こちらに寄って来ていないわね。」



第2の都市、ヤノワディオスの町と第3の都市、マユダの町との間の道は、非常に近くて徒歩でも半日もあれば、すぐに到着する距離である。




そしてヴァグドーたち一行が、ヤノワディオスの町に到着すると、街の外観の様子を見て驚いていた。


「ほーう、これはまた面白い街じゃのう。」


「これは…要塞…ですかね? …師匠?」


ヤノワディオスの町は、街の周囲が大きな石の壁に囲まれていて、さらにその外壁の周囲が大きな池に囲まれていた。


つまり、この街は壁と池で守られている街であり、まるで何処かの国の要塞型の城下町のようであった。



「この街は一体どういった街なのですか? ニーグルン姫」

ヴァグドーや勇者アドーレがニーグルン姫に質問した。


「はい、ここは文字通りの拠点となる街です。 ここが落とされると、このアーサンティラル王国の王都であり、第1の都市でもあるラームの町が、危険に(さら)されます。 その為の防衛処置ですね。」


なるほどのう。 要は壁と池は敵軍の侵攻を阻止する為のモノなのか?


「なるほど、それでこの第2の都市のヤノワディオスの町を、このような防衛の街にしたのですか?」



「ニーグルン姫よ。 それで "地獄の池" というのは、一体何処にあるのじゃ? もしかして…この街の周りにある池が、その "地獄の池" なのかのう?」


「はい、そうですわね。 この国も昔は、戦争をしていました。 当時のアーサンティラル王国も、現在(いま)ほどは大きな国ではありません。 敵国の軍隊が王都・ラームの町を攻める為には、まずはこのヤノワディオスの町を、攻め落とす必要がありました。」


ニーグルン姫がアーサンティラル王国について、説明を始めていた。


すると…ルドルス将軍が―――

「姫様、話しの続きは、宿屋の中でしませんか? ここで長話をするのは…ちょっと…」


ヴァグドーたち一行は、まだ街の外にいて、入口付近で立ち話をしていた。


「はい、そうですわね。 皆さん、宿屋に行きましょうか?」

「ふむ、そうじゃな」




ヴァグドーたち一行は、第2の都市のヤノワディオスの町の中に入ると、この街中も沢山の人や家や店などで、何処も大変な賑わいになっており、ここでも沢山の王国軍兵士がいた。



ヴァグドーたち一行は、既にかなりの有名であり、無敗の冒険者としても称賛されており、さらにニーグルン姫や勇者アドーレや上位魔族テミラルスなどという、なかなか凄いメンバーも同行しているので非常に人気がある。



早速、ヴァグドーたち一行は、高級宿屋に宿泊していてヴァグドーたち八人が一部屋に集合して、ニーグルン姫の先程の話しの続きを聞くことにした。


「えーと、あぁ……ヤノワディオスの町は……あくまでも普通の街です。 敵国の正規の軍隊ならすぐに攻め落とされます。 そこで、まずは街の周囲に壁を作り、さらにその周囲に池を作りました。」


「へぇ~ そうなんだぁ~」

「なるほど、勉強になりますね。 しかも姫様に講義してもらえるとは、大変光栄です。」

「へぇー なるほど、そういうことなんだな。」

「ふぅーん」

「………」

「ちょっと待て! その話しと "地獄の池" がどう繋がってくるのじゃ!?」


「はい、その通りです。 しかし、いかに街の周囲に壁や池を作ったところで、正規の敵軍に攻め込まれてきたら……街の人たちは武器も持たない一般人です。 ひとたまりもありません。 そこで街の人たちは池の中に毒を入れて、外壁にも毒を塗ったのです。 それで敵軍を牽制したのです。」


「……っ!!?」

ヴァグドーたちはひどく驚愕していた。


「ヴァグドー殿、私たち軍隊も他国よりも多くはありません。 そこで、こういった戦法も使用したのです。 敵軍が、この街の池や壁のコトを "地獄の池" や "地獄の壁" などと揶揄していて、撤退していったのです。 それが名前の由来ではないかと思います。」


「ほーう、なるほどのう。 そういうコトがあったのか? すると……今でも外壁や池の中には、毒があるのかのう?」


「さすがに、現在は毒などありません。 今は平和ですし、その戦争は昔の話しです。 それからは壁を作り直したり、池の水を入れ替えたりして、今は無害です。 でも、名前だけがそのまま残ったのです。」


まぁ、平和と言ってもあくまで、人間同士の戦争に限った話しである。


「ふむ、まぁ……面白いモノが見れると思って、少しは期待したのじゃが、なかなか面白い話しが聞けて良かったのじゃ。」


「いえいえ、面白いのはこれからです。 ヴァグドー殿」


「………?」


「それは…最近になって、池に出現したのです。 ……女性の幽霊が……。」



 


…え? なに? なんだと…幽霊…だと…?



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