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絶望老人が異世界転生をしたら、99年間で最強無双になってしまった!  作者: 賭博士郎C賢厳
A.アーサンティラル王国編
43/329

39、魔族テミラルス:2

上位魔族テミラルスの真の目的は…?


  ●【No.039】●



男たちと上位魔族テミラルスとの会話は続いていた。


「なんだと!? … "地獄の水晶" の恐ろしい真の能力だと…!?」


「ええ、そうだよ。 その "地獄の水晶" の中身は、何も無いのに一体どうやって魔法力を作るのか…アンタたちは知っているのかい?」

「……っ!!?」


「アンタたちの様な、ただの一般人に "地獄の水晶" の使用は、まさに自殺行為だよ。 なにせ、そのエネルギー源は使用者の生命力だからね。」

「な、なんだとっ!!?」

「うぐっ! ぐあっ!」

すると動揺していた、他の男たちも次々と倒れていった。


「ほーら、言っただろう? アンタたちがあんな巨大なモノを操作しようだなんて…生命力がいくらあったって足りないんだからね。」


「…生命力…?」

「ええ、そうだよ。 魔法力を持たない一般人が…その "地獄の水晶" を使用する時には、使用者の生命力を魔法力に変換するから、使用者の願いを叶える為には、莫大な生命力が必要なのさ。 それがその "地獄の水晶" の真の能力なんだよ。」

(ったく! シャニルの奴! ふざけたモノを造りやがって!)


「そ…そんな…バカな…?」


「まぁ、そう言った意味では、確かに魔法力を無尽蔵に作れるよね。 ……生命力がある限りは…ね。」

「……うぅ……」

男たちが全員気絶した。




   ―-―・●・―-―




そこでヴァグドーたち一行が、北側にある川の辺りまで到着していて、そこにテミラルスがいて…さらにその奥には複数の人間の男たちが倒れていて、その近くには "地獄の水晶" が地面に置いてあった。



テミラルスが後ろを振り向いていて、「あら、ようやく来たわね。」…と、なにやら意味深な台詞(セリフ)を言っていた。


早速、カグツチが声をかけてきた。

「おい、これは貴様がヤったのかっ!?」

「違うわよ、それにあの男たちはまだ生きているわよ。」


「それで…お前さんは一体何者なのじゃ?」

「アタシの名前はテミラルスだよ。 一応は上位魔族をやっているわよ。」

「ま、魔族だとっ!!?」

カグツチがすぐに剣を取り出して構えていた。


「おい、待て! カグツチ!」

ヴァグドーがすぐにカグツチを制止した。


「し、師匠…?」

「今のお前さんでは、あの者には勝てぬわ! それに少し様子がおかしいのじゃ!」

「…うぅ…」

「はい、あの "地獄の水晶" を持ち去った犯人は、あの倒れている男たちで間違いありませんね。」

「……え?」

「むしろ…あのテミラルスという奴が、あの強奪犯の男たちを助けている…と見ておる。」

「……えっ!?」

「えっ!? では、あのテミラルスとかいう魔族の、ここにいる目的は…!?」

「まさか、上位魔族の仲間が師匠たちに()られたから…その仇討ちに来たのですか?」



するとテミラルスが―――

「え? 冗談でしょ? なんであんな愚か者たちの仇なんて討たなきゃいけないの? むしろ…あのバカたちを倒してくれて感謝感激だよね。」


なんと、テミラルスは同族であるゼドベルスやバロガルスのことを、あまり良くは思っていない様である。


「それにアタシの目的は、あくまでも大魔女シャニルだけよ。 あの魔女には痛い思いをさせられているからね。」


そう言うとテミラルスは、悔しそうな表情で右手の拳を思いっきり握り締めていて、わなわなと震えていた。


上位魔族テミラルスと大魔女シャニル…この二人には、一体何かあったのか?


その後、テミラルスはシャニルを追って、この街に来ていたのだが、既にこの街にもいなかったのである。


「ちっ シャニルの奴はもういなかったか? まぁ、仕方ないわね。 その代わり…もしかしたら手掛かりになるかもしれないからね。」


そう言うとテミラルスは、ヴァグドーと勇者アドーレの二人の方に近づいてきた。


「ふふふ、やっぱりね! ねぇねぇ、アタシも一緒についていっていいかな?」


「ちょっと待て! あんたはその大魔女シャニルに、用があるのだろう!?」

「だからだよ。 この二人からはシャニルと同じ『魂の香』がするんだよ。 一緒にいれば、きっと会えるはずだよ。」

「…だが、しかし……」

「別にアンタには、聞いていないわよ! それでどうだい?」



「ふむ、別に構わんよ。 一緒について来るがよい。 テミラルスよ」

「ホント? ありがとう! さすがよね!」

「よ、よろしいのですか? …師匠」

「どうせ、断っても一緒について来るだろう。 ならば、手元に置いておきたいからのう。」

「ボクもヴァグドーさんに同意します。 残念ながらテミラルスからは邪悪な気配を感じません。 手元に置いて監視するべきです。」


ヴァグドーと勇者アドーレの二人の鶴の一声で、テミラルスの同行を認めており、これで遂に魔族も仲間にしてしまった。


「決まったわね! じゃあ、この "地獄の水晶" は元に戻しておくわよ。」


テミラルスは "封印された地獄の祠" を元通りに修復して、そこに "地獄の水晶" を置いて、さらに二度と破壊されない様に魔法結界を張っていた。




ヴァグドーパーティーにテミラルスが加入!


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