35、勇者アドーレ:3
【注意】
またしても、衝撃の新事実がぁっ!!!?
しかも、今度はヴァグドーにも関係あるよ…!?
・・・一体何だろう・・・?
●【No.035】●
上位魔族のバロガルスを倒した後で、残った下位魔族の魔族部隊も、殲滅に成功していた。
「なに? 指揮官の部隊長が殺害されてしまったのか?」
「………はっ!」
「むう、なんと言うことだ…」
残存の王国軍兵士の報告を受けていたルドルス将軍が、生き残った兵士をまとめていて、慌ただしく行動していた。
「ほらー やっぱり、私の言う通りに来て良かったでしょ? ルドルス将軍」
「……はぁ……」
ニーグルン姫が自慢気に言っていて、ルドルス将軍がそっけない返事をしていた。
一方では…少し離れた場所で、勇者アドーレとヴァグドーたちが話していた。
「先程の援護、感謝する。」
「いやいや、援護という程でもあるまいがな。」
「いや、御礼と言う程でもないが、この盾をキミにプレゼントするよ。」
「…ん? それをもらっても…いいのか…?」
「ああ、ボクが欲しかったモノは、もう既に手に入れているから…大丈夫だよ。」
勇者アドーレは右手に何かモノを持っていたが、それが何かは解らない。
「ほう、そうか…では、ありがたく頂こうか。」
そう言うと勇者アドーレは、第5の都市のハングリンズの町で倒した凶悪なモンスターが、死ぬ直前に落とした特殊なアイテムである、深緑色の盾【森眠の盾】をヴァグドーに手渡した。
「よし、エクリバよ。 これを装備しろ。」
「はーい♪ ダーリン♪」
ヴァグドーは【森眠の盾】を手に入れて、それをエクリバに手渡した。
「その【森眠の盾】とは、その盾を装備している者に攻撃すると、攻撃した敵を高確率で、眠らせることができるそうだよ。 …凄いよね。」
「ほう、確かに…これもなかなか使えそうな盾だのう。」
「………」
すると突然、勇者アドーレがワシに近づいてきて、小声で話してきたのじゃ。
「ヴァグドーさん、もしかしてあなたも……『転生者』…ですよね?」
「……っ!!?」
ワシは少しだけ…驚いた。
「何故…それを!? それに何故、ワシの名前を!?」
「はい、ボクの眼は少し特殊な能力がありまして……それと…ちなみに、ボクも『転生者』です。」
「な、なんと!? そうなのか!?」
「はい…ヴァグドーさん、もしかしてあなたも…… "あの冥界の女神ハーディス" が担当している『転生者』ですよね?」
「……ほう、そこまで知っておったのか…?」
「はい、ボクはこのアーサンティラル王国から北西方向にある臨王国からやって来た『転生者』で……それ以前は、地球の日本人でした。」
なんと…異世界で、"地球" や "日本" と言う言葉を聞くとは、正直…思わなかったぞ…っ!
しかも…勇者も『転生者』じゃった…とは…な。
「おお、お前さんもワシと同じなのか……なるほど……では、他にもワシらと同じ様な『転生者』がいるのか…?」
「はい、確か…… "シャニル" と言う名前の女性も、ボクらと同じ日本人であることは知っていますが、それ以外はまだ解りません。」
「ふむ、そうか…どうやら我が同胞(日本人)が、この世界に紛れ込んでいる様じゃのう。」
「はい、そうですね。 それと少しの間…王都の…王様に会うまでの間、あなたたちと同行させてもらえますか?」
「ふむ、そうか…ワシは構わんぞ。 最早、何人であろうと問題ないわ。」
「どうも、ありがとうございます。 ヴァグドーさん」
ふふふ、勇者アドーレがワシと同じ日本人の『転生者』だったとは、ハーディスめ…なかなか面白いことをするのう。
その後、ワシは勇者アドーレの同行を皆に説明すると、カグツチたちが「えっ!? 遂に勇者が私たちのパーティーに!?」と凄く喜んでおり、特にニーグルン姫が「ヴァグドー殿と勇者アドーレの最強同士が手を組めば、もう絶対に無敵ですぅ~!!」と超☆大喜びであった。
「では、早速…次の第3の都市、マユダの町に行きましょうか。」
おお、確かに…この廃墟の街に長居する必要はない…な。
引き続き、ニーグルン姫とルドルス将軍が案内役として同行し、さらに勇者アドーレも加わった、ヴァグドー、カグツチ、ロンギルス、エクリバの一行(主要七名)は、この第4の都市である "滅亡した地獄の街" をあとにして、次の目的地である第3の都市のマユダの町の方に向かっていった。
【注意】
やっぱり、そうキタのかぁーー!?
ほら、だって…『異世界転生者』や『異世界転移者』って…やたら強いでしょ!? (※作者個人の感想です。)




