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絶望老人が異世界転生をしたら、99年間で最強無双になってしまった!  作者: 賭博士郎C賢厳
J.『矢獄関』&『倍獄関』&『弦獄関』編
321/329

306、重要なる者

  ●【No.306】●



 ある森の奥深くに幻の泉がある。 その泉は賊徒共によって、守られた泉である。 前回からヴァグドーの『縄張り』の疑問を一瞬で解決する内容の泉が、()()()ある……らしい。


 今まさにヴァグドーたち一行が、その幻の泉に向かって森の奥深くへと馬車を進める。 その森の奥深くには、もはや足の踏み場もないジャングルな()()()()()何故(なぜ)か道が整備・舗装されており、馬車でも進めるようになってる。 やっぱり、()()()()何かあるようだ。


 道なりにまっすぐ進んでいき、森の一番奥まで行くと、そこに()()()が待っていた。



 そして遂に森の一番奥にあるとされる幻の泉の入口付近まで到着した。 馬車を入口手前の所で停める。その幻の泉の入口手前に誰かおるな?


「ん?」

「誰かおるな?」

「……」


 馬車が停車したことで、馬車の中にいた勇者アドーレや大魔女シャニルや悪魔神オリンデルスたちも続々と降りてきた。 まずはワシが一番前に出て、その後ろにルドルス将軍やオリンデルスやアドーレやシャニルたちが立っておる。


「ほっほっほっ、面白い奴がいるのう」

「……」

「誰ですか?」

「あら、とーせんぼ?」

「敵ですか?」

「おいおい、こんな森の奥深くにまで敵がいるのかい?」

「言っておくけど、俺は戦わないぞ?」

「…?」


 ワシらは一斉に、そやつを見上げる。 こやつは間違いない…賊徒の親玉じゃ。 何故(なぜ)、わかったか…じゃと? それはこやつもさっきの奴らと同様の装備をしておるからじゃよ。


「ようこそ、俺様の縄張りへ。 部下が世話になったな」

「残念じゃが、お前さんの縄張りも今日ここまでじゃ」

「ならば、この幻の泉は今日から貴様らの縄張りか?」

「否、その幻の泉は…みんなのモノじゃよ」

「ッ!?」

「つまり、お前さんからその泉を解放させる為に来たのじゃ」

「ふん、ならば…この俺様を倒す以外に方法がないぞ!」

「無論じゃ。 お前さんの部下を倒したのは、このワシじゃ。 当然、ワシがやる」

「……後悔するなよ? 俺様は強いぞ!」

「ほーう、そうかい…」


 ほっほっほっ、そいつは楽しみじゃわい。 それにしてもあの幻の泉が縄張りじゃったとは……。 幻の泉はみんなのモノじゃ。 アヤツを倒して、縄張りを無くして、泉を解放しようぞ。


「よいか? みんな」

「はい、お任せします」

「どうぞ、ご自由に」

「そうか、キミがやるのか…」

「あんな奴ごときに師匠自ら行かれますか?」

「頑張ってください、ヴァグドー殿」

「ガンバ・ダーリン♪」

「お気をつけて、ヴァグドー様」

「せいぜい頑張りな」

「……」

「ふむ、わかったのじゃ」


 これで決まりじゃな。

 ワシはさらに前に出て、賊徒の親玉と対峙する。 賊徒の親玉も前に出てきて、ワシの目の前までやって来た。 さぁ…始めようか、この幻の泉を賭けた戦いを……な。







   《超賊徒》

 〇レベル:45・ランク:E

 ●容姿:賊徒の親玉。 大型・屈強な身体つきをしていて、鉄グローブ・鉄ブーツを装備している。

 ◎攻撃方法:鉄グローブ・鉄ブーツによる打撃。 近距離肉弾戦に特化。


 しかし、()()ヴァグドー相手に近距離肉弾戦が攻撃のメインとは……?


「先手はくれてやる。 かかってこい」

「……何ッ!?」

「どうした? かかってこんのか?」

「……後悔するぞ! 俺様は強い!」

「ご託はよい。 さっさとかかってくるんじゃ!」

「……ぎぃっ、死ねぇ!」


 タッ、ヒュッ、ガーン!


 超賊徒がもの凄い速度(スピード)でワシに近づき、鉄グローブでの左ストレートをワシの顔面に叩きつけた。


「……」

「?」


 じゃが…ワシは微動だにしない。 確かに直撃はした。 しかし、はっきりいって、全く効かない。


「……」

「…クソッ…」


 ガーン、ドーン、ガーン、ドーン!


 その後もワシの顔面・胸部・腹部・両腕両足などに攻撃を加える。 ご自慢の鉄グローブ・鉄ブーツで殴ったり蹴ったりして、なんとかこのワシにダメージを与えようとする。 しかし、ワシは直立不動の仁王立ちでピクリとも動かない。 それはまるで大木・岩石―――否、鋼鉄の柱を攻撃しておるみたいな感じじゃ。 何をやっても無駄じゃ。


「どうした? もうワシの番か?」

「はぁはぁはぁはぁはぁ…」


 すると―――


 ピキピキピキピキ―――パリーーン!

 ピキピキピキピキ―――ドパーーン!


「なっ!?」

「もう終わりか…」


 攻撃しておるはずの超賊徒の方が疲労困憊しておる中、アヤツが息切れしておると、ようやく遂に鉄グローブ・鉄ブーツが音を立てて無様に砕け散って崩れ去った。 破壊されたのが…鉄グローブ・鉄ブーツだけで、アヤツの両手両足はまだ無傷で無事なはずじゃ。 じゃが―――


「そんなぁ……バカなぁ……?」

「……行くぞ!」

「うごぉっ!?」


 タッ、ヒュッ、ドッゴォーン!

 グラッ、ドサッ!


 アヤツが驚愕しておる間に、ワシが一瞬でアヤツの腹部・鳩尾に右エルボーを喰らわせて、そのまま崩れ落ちるように前のめりに倒れ込む。 無論、手加減しておる。 じゃが、ご自慢の武器を失い、驚愕・戦意喪失で完全に動きを止めた超賊徒。 せめて無様な醜態を(さら)す前に、とどめを刺すのが武士道じゃ。


「勝者、ヴァグドーちゃん!」


(…ん? 何やら聞き覚えのある声じゃな?)


[ヴァグドー.VS.超賊徒→→超賊徒の戦意喪失・再起不能の気絶により、ヴァグドー勝利。 当然の結果である]


「ふむ、これでよし」


 ワシが超賊徒の身体をロープで縛りつけて、木に固定させた。これでこやつはもう身動き取れぬはずじゃ。 そしてこやつもまた…幻の泉の縄張りを見守り続けることができるじゃろうて。


 ワシは超賊徒が落としたドロップアイテム【ダークネス・カード】を拾った。 ワシは自分の身分証明のカードと、この【ダークネス・カード】を重ね合わせて、ひとつのカードにした。 これでワシのカードもより良くカッコよくなった訳じゃな。 ほっほっほっ。


 このレアアイテムもきっと重要な役割を果たしてくれるじゃろうて。 ワシは密かに確信していた。


新年明けましておめでとうございます。

今年も宜しくお願いします。

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