28、道中での邂逅
※新キャラ登場です。
※久しぶりの "アレ" も再登場です。
●【No.028】●
ヴァグドーたち四人は次の目的地である第5の都市、ハングリンズの町に向けて進んでおり、馬車の中にはカグツチとロンギルスとエクリバの三人が乗り込んで座っていて、ヴァグドーは二頭の馬を両手で引いて歩いていた。
今回は高台から坂道を下り(下り坂)、次の街までの長い道程を進んでいくのだが、この道もよく舗装されていて歩きやすくなっており、さすがに王国の公共事業は、なかなか良くかなり進んでいる。
今回もその長い道程から次の街へは、2~3日はかかる予定であり、夜の野宿をする時には道から外れて馬車を停めておき、馬の疲れをとる為にエサや水を与えて身体を休めていた。
「ほれ、エサじゃぞ。 それにしてもやれやれ…長い道程じゃのう。」
またヴァグドーたち四人が休む時には、馬車の中にある椅子を全部取り外し、そこに枕や毛布を置いて寝れる様にして、カグツチとロンギルスとエクリバの三人が眠っていて、ヴァグドーは外で眠っていた。
こうしてしばらくは道を歩いていると先の道の方で、人だかりが出来ており道が通れなくなっていた。(場所はナトリザの町とハングリンズの町との中間の道である)
どうやら数十人が、何かで揉めている様である。
ワシが馬車を停めて、その人だかりを見てみると、そこにガラの悪い格好をしていて、いかにもチンピラ風情共で剣や槍を持った複数人の男たちと、アーサンティラル王国軍の複数人の兵士が相対していて、道を塞いでいたのじゃ。
「おいおい! 待ちな! この道を通りたければ、通行料を払いな!」
あいつらは確か…チンピラの山路賊じゃったかな? なんじゃ…まだこの地方を彷徨いておったか。
「何っ!? 貴様ら!! 何の権限があって我ら王国軍の兵士に、その様な戯れ言をほざくのだっ!?」
王国軍兵士の一人がそう反論していた。
「へっ 兵士なんざぁ関係ねぇぜ! ここじゃぁ、俺たちが国王だぜ!」
「な、なんだと!? き、貴様ら!!」
ほほう、こいつは面白いの!
一体どうなるのか、しばらく見学でもするかの。
「おい待て、お前たち」
そこに王国軍兵士の中から一際大柄の男が山路賊の前に現れてきた。
「…将軍? ルドルス将軍閣下…?」
「ここは私に任せて、お前たちはニーグルン姫をお護りするんだ。 」
「はっ 判りました。」
なんと! ここでアーサンティラル王国軍の兵士を統括していて、黄緑色の鎧と黄緑色のマントを身に付けて黄緑色の剣を持った、"ルドルス将軍" と呼ばれている50代ぐらいの長身の男性が現れていた。
「なんだぁ テメェ!? やろっていうのかぁ!?」
「ふふふ、蛮行なる賊共よ…この私が成敗してやろう。」
「なんだと!? テメェ!! ぶっ殺してやる!!」
そう言うとチンピラ共が一斉にルドルス将軍に襲いかかってきたが、ルドルス将軍は自身の剣を取り出し、一瞬でチンピラの山路賊共の全員を倒してしまった。
「ふふふ、蛮行なる賊共め、思い知ったか。」
ほほう、意外とやるのう。
さすがは王国軍の将軍だけのコトはあって凄く強いのう…まぁ、相手が弱すぎるだけかの。
「………ん!!」
その時…一瞬だけだが、ルドルス将軍とヴァグドーの二人の目が合い…ルドルス将軍が軽く会釈をすると、ヴァグドーも軽く会釈をした。
「もう、終わりましたか? ルドルス将軍」
「おお、これは失礼しました。 ニーグルン姫」
そこに空色の透き通った瞳に空色の長い髪をポニーテールにした、腰に水色の大きなリボンを付いた空色の薄いワンピースドレスに透明のマントを身に付けた、全身が空色の "ニーグルン姫" と呼ばれている可愛い顔立ちの美少女が現れてきて、ルドルス将軍に声をかけてきた。
姫様と将軍の登場で今後は、一体どう進むのか…?




