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絶望老人が異世界転生をしたら、99年間で最強無双になってしまった!  作者: 賭博士郎C賢厳
J.『矢獄関』&『倍獄関』&『弦獄関』編
313/329

298、鎮座なる者

  ●【No.298】●



  某東(ぼうとう)の砂漠。


 ()()は奇妙に歪みのある暗い空間である。


 この場所だけは、砂漠というよりは暗闇の中に歪みがある感じで、かなり不気味な所である。 ()()には、さすがに砂漠軍隊も出現できない。


 その場所こそが、おそらく "地獄の砂漠" と呼ばれる所だ。


 そこでヴァグドー(ワシ)と悪魔神オリンデルスの二人が、その奇妙な歪みのある暗い空間の所まで歩いて近づく。


「なるほど、ここか?」

「へぇ~、ここだけ変に歪んでるね?」


 その奇妙な歪みのある暗黒空間の目の前で止まる。 すると、人間(ヒト)が来たことで、その歪みの暗黒空間の中から変な奴が現れて、ワシらの目の前に立ち尽くす。 ()()()は一体何者なのか?


「なんじゃ? コイツは?」

「へぇ~、コイツはなかなか……」


 その変な奴とは、巨大な岩石の人型と身体についてる炎が特徴のモンスターであり、その名も《岩砂焦(がんさしょう)》という。 この大陸の凶悪モンスターである。 ()()()が突然、両腕を振り上げて、その両の(こぶし)をワシとオリンデルスの頭上へ、勢いよく振り下ろす。


 グゥーン、ブゥーン!


「ふん!」

「へぇ~」


 ズドドォォーーーン!


 ワシとオリンデルスの二人が、それぞれ片手で《岩砂焦(がんさしょう)》の両の(こぶし)を受け止める。 あの巨体の太い両腕で振り下ろされたにも関わらず、ワシらはびくともしない。 しかも、地面は砂漠にも関わらず、ワシらの足元は沈まずに、そのままの状態を維持する。


 グゴゴゴゴゴォォォォーーーー―――


『グゴゴオオオオォォォォ』

「「……」」


 いくら()()()が力を込めても、()()()()は一向に沈まない上に、全く微動だにせず潰れないので、さすがの《岩砂焦(がんさしょう)》でも後方にジャンプして後退する。 ワシらと()()()とで少し距離をとった形じゃ。


 タッ、ズゥゥン!


 どうやら()()()の相手は、ワシとオリンデルスの二人でするようじゃ。






  《岩砂焦(がんさしょう)

 外見:巨大岩石人型モンスターに全身炎の鎧をまとう。

 レベル:440・ランク:B

 なんだか腹部に仕掛け有り。

 攻撃方法:炎をまとった太い腕からなる強烈な拳の一撃。 腹部の仕掛けからの強力な一撃。


 ここであの奇妙な歪みのある暗い空間も消えてしまい、元の普通の砂漠に戻る。 あの暗い空間が消えたことで、ここでもまた砂漠軍隊が大量に出現して、ワシとオリンデルスに襲いかかる。


「「?」」


 タッ!


『グオッ!』


 そこに《岩砂焦(がんさしょう)》も()()巨体で地面を蹴って、ワシとオリンデルスの方に素早く向かってくる。 また向かいながら(こぶし)に力を溜めて火も出ておる。


 そこでヴァグドー(ワシ)は考える。


 ほーう、()()()……ワシと同じ(こぶし)勝負を仕掛けるか…? その心意気や、なかなか良し。 やはり男たるもの、(こぶし)で語るが一番じゃ。 ならばワシも(こぶし)で返すしかあるまい。 それが(こぶし)勝負の礼儀じゃ。 それと砂漠軍隊の方は、オリンデルスに任せよう。


 ブアアアアアァァァー―――パァァァンンン!


 その《岩砂焦(がんさしょう)》がワシの目の前まで近づくと、その(けん)をワシの顔面めがけて素早く振り抜く。 ワシは()()を左手で受け止める。 普通ならば、この一撃で既に終わってるはずじゃ。 誰が見ても、()()()()()()()()()じゃ。 じゃがしかし、ワシは()()()()びくともしない。


『グオオオオオオォォォォ』

「ほーう、なかなかやりおるのう」


 ズバババババババァァァァーー―――パパパパパァァァァンンン!


 今度は《岩砂焦(がんさしょう)》が、その両の(こぶし)でワシの顔面めがけて思いっきり打ち抜く。 俗に言う両手連打(ラッシュ)である。 この両手連打(ラッシュ)を使用する者はあまりいない。 この世界の攻撃は、主に剣や槍などの武器による攻撃か、攻撃に特化した魔法での攻撃でしかない。 素手による攻撃などは稀で、ほとんどの者はしない。 下手すると手を痛めてしまうからじゃ。 じゃがしかし、ワシは()()()素手による攻撃に固執しておる。 そして、()()()()()()素手による攻撃に固執しておるようじゃ。 ワシは相変わらずヤツの(けん)による攻撃を全て両手で受けきっておる。 つまり、()()()の突きは…ワシには当たらぬ。


「ふんふんふん!」

『グゴゴゴゴゴオォォォォ』


 なかなかの腕じゃな。

 あの太い両腕で、素早く鋭く勢いよく、ワシの顔面や胸部などを殴ってくる。 ()()をワシが両手で素早く正確に(ふせ)いでいく。 先程から()()()……ワシしか狙っておらん。 まず弱そうなワシから討って、その後で強そうなオリンデルスの相手をするつもりなのか……? それならば、それで歓迎するところじゃな。 むしろ好都合じゃ。 さぁ…存分にワシ()()を狙うがいい。 あとオリンデルスのヤツめ……もう砂漠軍隊を倒してしまったか…。


「ふんふんふんふんふん!」

『グゴゴゴゴゴオォォォォ』


 パシパシパシパシパシ―――


 ()()()が両の(こぶし)を鋭く高速連打(ラッシュ)させて、ワシの身体に勢いよく打撃して、たくさんのダメージを与えようとしておる。 勿論じゃが、ワシの方も両手で防御(ガード)して、()()()の攻撃を(ふせ)ぎ続けておる。 まだ一度も()()()の攻撃を受けておらん。 強靭な肉体で守られてるだけではなく、(たく)みに防御(ガード)・回避することで守備を強化する。


「ふん!」


 ドゴォォーーン!


『グゥヌヌヌッ!?』


 ズズズズズズズッ!


 ()()()がワシに攻撃しておる(スキ)をついて、ワシが右拳を鋭く素早く()()()の腹部に叩き込む。 無駄に図体がデカイ分、こちらの攻撃がよく当たる。 思わずワシの攻撃を()らった《岩砂焦(がんさしょう)》が後退(あとずさ)りして、ワシらからまた距離をとる。


『グゥウウッ!?』

「ほっほっほっ、ワシの攻撃は当たったのう。」

「……」


 あの《岩砂焦(がんさしょう)》の腹部に穴が()いた。 あの程度の岩石ならば、ワシでも軽々と穴を()けて破壊できるのじゃ。 あの者の岩石の身体も相当に頑丈・堅固だと思うけど、ワシの(こぶし)()()()()に頑丈・堅固なのかもしれん。 あと(けん)の破壊力も、こちらの方が上かもしれんな。 ちなみにオリンデルスはワシの隣で腕組みしながら立っておる。 砂漠軍隊を全て倒して、(ヒマ)か……?


『グオオオォォォ』

「ふむ、かかって来ないのか?」

「へぇ~」


 そこで《岩砂焦(がんさしょう)》の動きが止まった。 こちらの方に近づいて来ない? どういうことじゃ? さすがにもう降参……という訳でもあるまい。 まだ何か奥の手が残されておるやもしれんな。 でなければ、()()()に勝機はない!



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