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絶望老人が異世界転生をしたら、99年間で最強無双になってしまった!  作者: 賭博士郎C賢厳
J.『矢獄関』&『倍獄関』&『弦獄関』編
312/326

297、地獄の砂漠

  ●【No.297】●



  某東(ぼうとう)の砂漠。


 ヴァグドーたち一行が黄金の大型馬車で移動して、ある砂漠に到着。 そこでまず砂漠に入る前に、()()()()をしなければならないようだ。 この砂漠は非常に危険な場所なので、できるだけ最小限の被害に(おさ)えなければならない。 ()()()()は知っている。


 そこでワシから悪魔神オリンデルスに、()()()を依頼する。


「お前さん、バリヤーを張れるか?」

「ああ、できる」

「ならばお前さんには、あの馬車丸々にバリヤーを張ってもらいたい。」

「ああ、いいけど…」

「ならば、宜しく頼むぞ」

「ああ、わかったよ」


「何故、そのようなことを?」

「ふむ、砂漠を甘く見てはいけない。 昼は暑く、夜は寒く、砂嵐も酷く、砂場なので歩きにくい。 ワシやオリンデルスは大丈夫だろうけど、お前さんたちはおそらく耐えきれんと思う。 オリンデルスのバリヤーなら、ある程度は(ふせ)げるはずじゃ。 そうじゃろ?」

「ああ、大丈夫だ」

「そんなに大変ですか?」

「ふむ、砂漠を甘く見るでない。 バリヤーである程度(ふせ)げるならば、それに越したことはないぞ。 それほど大変なのじゃ。 砂漠を越えるということはな。」

「「「……」」」


「そ…そうですか…」

「なるほどねぇ~」

「確かに、それならこちらも助かるね」

「さすがはヴァグドー殿、よくわかっておりますな。」

「確かに砂漠を越えるは、なかなか大変ですからね…」

「まぁ…仕方ないね」

「それでは宜しくお願いします。」

「そういうことじゃ。 宜しく頼むぞ」

「ああ、わかったよ」


 ブウウウゥゥゥーーー―――


 オリンデルスが黄金の大型馬車にバリヤーを張った。 勿論、馬もワシもバリヤーの中に入っておる。 これでなんとか砂漠を越えることができる。 このバリヤーは、特に強力なバリヤーという訳ではないが、ある程度の事柄なら防御できるようだ。 特に馬はヤバイからな。 このまま馬車は砂漠に入った。





 しばらく砂漠の中を馬車で進めていくと、突如として砂漠軍隊が出現する。 この砂漠軍隊とは、砂の人型モンスターが複数体出現する。 その砂の骸骨に砂の剣と盾を装備した状態の雑魚モンスターが、自分のテリトリーである砂漠に侵入した者を攻撃する。 正直いって、それほど強くはない。 ましてや、相手があのヴァグドーである。 かなり危険な相手であることは、いくら雑魚モンスターでも承知しているはずだ。 それでも出現した。 それは()()()()()が、彼という男の存在をよく知らないからだ。


「……魔物ですか?」

「ほーう、砂漠に魔物か…。 おそらくこの砂漠だけに出現する魔物じゃろうな。」

「なるほど、そうですか…」

「ふむ、バリヤー張っておるから、気にせず前に進め。」

「はい、判りました。」


 黄金の大型馬車の周囲を砂漠軍隊に包囲されているけど、悪魔神のバリヤーに(はば)まれ、思うように近づけない。 前方に砂の壁を作れば、ワシが左拳を前面に突き出して、その衝撃波で砂漠軍隊の "砂の壁" を吹き飛ばす。


「ふんっ!」


 ブゥン、ブゥン、ブゥン、ブゥン!

 ドカッ、ドカッ、ドカッ、ドカッ!


 ワシは左拳を前面に突き出して、その衝撃波でどんどん砂漠軍隊を粉砕していく。 また砂漠軍隊はバリヤーの中には近づけないため、何もすることもできず、仮に飛びついて来てもバリヤーにぶつかって粉砕する。 前方にいる砂漠軍隊だけをワシが粉砕しているので、黄金の大型馬車はスムーズに前に進むだけ。





 しばらく砂漠を進むヴァグドーたち一行。 相変わらず砂漠軍隊が襲ってくるけど、黄金の大型馬車はバリヤーに守られ、前面の敵にだけワシが倒していく。 そこからどんどん先へ進む。 相変わらず砂漠軍隊は出現するけど、それ以外は一面砂漠ばかりである。 方向感覚がおかしくなりそうな感じだけど、ワシだけがまるで何処(どこ)へ行くのか判っているみたいに、どんどんと先へ進めていく。


「このまままっすぐ進めばいいですか?」

「ふむ、そうじゃ。 このまままっすぐじゃ。」

「この先、一体何がありますか?」

「この先にたしか "地獄の砂漠" という所があるらしいのじゃ。」

「…… "地獄の砂漠" ……ですか?」

「ふむ、そうじゃ。 その "地獄の砂漠" を越えないと、その先にある "幻のオアシス" に辿り着けんからのう。」

「そ、そうなのですか…」

「ふむ、そうなのじゃ。 その "地獄の砂漠" というヤツが、一体どういうヤツなのか、少し興味あるからのう。」

「なるほど、そうですか…」

「とにかく、このまままっすぐじゃ。」

「はい、判りました。」


 馬を引きながら歩くワシのいう通りに、このまままっすぐ黄金の大型馬車を進める。 今、()()()()を知っているのは、()()()()()()じゃ。 そんなワシらが、()()()()に近づいておる。 この砂漠に入ってから、しばらくまっすぐ進んでいき、砂漠全体の半分くらいまで来た。





 やがて黄金の大型馬車が、()()()()まで行くと、奇妙に歪みのある暗い空間が現れた。 おそらく()()がワシの言ってた例の場所じゃろうて。 しかし、この場所だけは、砂漠というよりは暗闇の中に歪みがある感じで、かなり不気味な所である。 こんな所では、さすがに砂漠軍隊も出現しない。 そもそもこの場所には、砂漠自体がないから出現しようがないのじゃ。 ここに一体何があるのか?


「なんですか? ここは…?」

「ここが…おそらく "地獄の砂漠" と呼ばれる所じゃな。」

「ここが…あの "地獄の砂漠" という所ですか…?」

「ふむ、そうじゃな」

「確かに他の場所とは、かなり異様な感じですが、ここが地獄なのですか?」

()()()()はヤツによって、地獄と呼ばれる異空間に変えられておるのじゃよ。 ()()()()()倒せば、この場所も元通りに戻るはずじゃ。」

「……ヤツ? ま…まさか凶悪モンスターがこの大陸にもいるのですか?」

「ふむ、かもしれんな…」

「な…なんと…」


 ヴァグドーたち一行を乗せた黄金の大型馬車が奇妙な歪みのある暗い空間の目の前で停止している。 そこに悪魔神オリンデルスが馬車から降りてきて、その奇妙な歪みの暗黒空間の方を見る。


「へぇ~、これはなかなか…」

「ふむ、ルドルス将軍よ。 ワシらはこれよりバリヤーから出る。 他の者たちはバリヤーから出るなと伝えろ。」

「はい、判りました。」

「ワシ一人でも問題ないが、お前さんも一緒に来るか?」

「ああ、いいとも」


 そう言って、ワシとオリンデルスの二人がバリヤーの外に出て、そのまま奇妙な歪みのある暗い空間の所まで歩いて近づく。


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