27、衝撃の新事実!!
サブタイトルが意味深だが、主人公たちにはあまり関係ない。
●【No.027】●
ヴァグドーが巨骨屍騎士を倒した事で "地獄の村" や骸骨兵士の姿が全て消滅してしまい…ただの荒野となっていた。
数人の王国軍兵士だけがなんとか生き残り、この現状の光景を見て愕然としていた。
「…なんというコトだ…まさか…村が消えるとは…あの巨大な骸骨を倒したからか? あるのは仲間の死体だけとは…?」
地面にあるのは…血を流して倒れて死亡している王国軍兵士や傭兵の死体だけであった。
すると、ヴァグドーの足元の地面が突然…光っていた。
「むむっ なんじゃ? この光は…?」
なんと! そこに白銀色に輝くブラジャーとパンティーの下着が突如として現れていた。
「…………はぁ?」
…思わず…ヴァグドーが呆気に取られるのも無理はないが、今までは剣や盾といった特殊アイテムが戦利品となっていたが、ここにきてこの白銀の下着…【王女の下着】が今回の戦利品の様であり、当然…ヴァグドーやカグツチたち三人の娘にも装備できない品物である。
そこに王国軍兵士が真面目な顔をして言っていた。
「こ…これは…この白銀の下着は…【王女の下着】ではないのか!? これは王家の女性しか装備できないアイテムだ!!」
「おおっ そうだ! 間違いない、遂に見つけたぞっ!!」
王国軍兵士が嬉しそうに、少し興奮気味でヴァグドーに説明していた。
ここで王国軍兵士からの衝撃の新事実と真の目的が明らかになった。
それはこの "地獄の村" に居着いていた凶悪なモンスターの退治ではなく、その戦利品の調査…つまり白銀色のブラジャーとパンティーの下着である【王女の下着】の入手であり…その下着を入手する為に、あれほどの犠牲者を出していたのである。
その事実を知った…さすがのヴァグドーも呆れていて、少し引いていた。
「そ…そうか、では…その下着はお前さんたちにやろう。 も…持っていけ。」
「本当ですか!? どうもありがとうございますっ!!」
王国軍兵士は喜んで【王女の下着】を手に入れた。
「このことは王様にも報告して、後日必ず褒美が出るようにヴァグドー殿の活躍を説明させていただきます。」
「どうかご期待して下さい。」
「そ…そうか…そいつはありがとう…」
「では…自分たちは、これで失礼します。」
王国軍兵士は敬礼をして立ち去っていった。
(※ちなみにここにある死体は、後で沢山の王国軍兵士が来て持っていった。)
「………」
「あの…私…なんと言ったらいいのでしょうか? 師匠」
「なんか…下着を手に入れて、喜んでいる兵士って、かなりヤバくない? ダーリン」
「私…王国軍兵士に対する印象が少し変わりました…ヴァグドー様」
「まぁいい、ワシらも宿屋に戻ろうか。」
ヴァグドーたち四人もナトリザの町の宿屋に戻っていき、眠りについて休んでいた。
翌朝、ナトリザの町。
ヴァグドーたち四人は旅立つ準備をして宿屋を出ていたが、一晩経っての朝のナトリザの町には、街中にもう既に王国軍兵士の姿がいなくなっていた。
どうやら…本当に下着を手に入れる為だけに、沢山の王国軍兵士を派遣していた様じゃな…とても信じられんな。
早速、ヴァグドーたち四人は、再びギルド冒険商に来ていて、主人に話しかけていた。
「おっ ヴァグドーさん、いらっしゃいな。」
「おう主人、兵士の姿がすっかりと見えなくなったの?」
「ふむ、なんでも目的が達成したので撤収したようじゃ。 おそらくは凶悪なモンスターを退治して "地獄の村" も消えたので撤収したのじゃろ。」
どうやら、この主人は王国軍兵士の真の目的を知らない様じゃな。
「それと…ヴァグドーさん、お前さんに報酬金が出ているぞ。 巨骨屍騎士討伐料金の405000Rじゃが、なんじゃ…お前さんが倒したのか?」
「ふむ、そうじゃ。 兵士のお陰でな。」
ワシはお金を受け取った。
ワシは嘘は言っていない…王国軍兵士があの化物の注意を引き付けたお陰で倒せたのじゃと。
「さてと、次は…第5の都市じゃな。」
「ふむ、もう行くのか? それならば…次は第5の都市、ハングリンズの町じゃな。」
「ふむ、ハングリンズの町じゃな?」
「ふむ、ハングリンズの町は、この街より南東の位置じゃが、少し遠いので気をつけるのじゃぞ。」
「ふむ、わかった。」
「世話になったな。 達者でな、主人」
「どうもねぇ~♪ 主人さん、ありがと~♪」
「お世話になりました。 おじいさんもお元気で。」
「ふむ、では…さらばじゃ。」
「ふむ、お前さんたちも達者での。」
ヴァグドーたち四人はギルド冒険商を出ていき、第6の都市であるナトリザの町をあとにして、次の目的地である第5の都市、ハングリンズの町へ向かっていった。
王国軍兵士の名誉の為に言う。
彼らは決して、ふざけている訳でも変態でもない。
それが彼らの職務である。




