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絶望老人が異世界転生をしたら、99年間で最強無双になってしまった!  作者: 賭博士郎C賢厳
J.『矢獄関』&『倍獄関』&『弦獄関』編
308/329

293、『女神の巨塔』:3

  ●【No.293】●



 ここは『女神の巨塔』の内部にて。


 ヴァグドーたち『塔突入組』の八人が太陽の女神アポロンや運命の女神スクルドと対面・対峙する。 その太陽の女神アポロンが突如として巨大な白い化物《二兎追うものは、一兎をも得ず》を出現させた。 その《二兎追うものは、一兎をも得ず》がアポロンたちより前へ出る。


 巨大で白い化物―――頭が兎に似ていて、首が長く、目は赤く、頭が二つあって、胴体が細長く、両手・両足がなく、尻尾が長い。 二つの頭には鋭い牙を持つ狂暴な兎であり、胴体が白い蛇……または龍の姿をしている凶悪な化物である。


 今から()()()と戦うのか?


()()()は意外と強いから気をつけるといいよ。」

「それで誰が戦う? それとも全員か?」

「無論、ワシが戦う」

「「……」」

「構わぬな?」

「一人で戦う気か?」

「無論じゃ」

「…言っておくけど、()()()は意外と強いよ?」

「判っておる。 じゃからまずワシから戦い、ワシが()られたら、他の連中がとどめを刺す。 ある程度はダメージを与えているはずじゃから、アドーレたちでもなんとか倒せるはずじゃろうて。 もっともワシが()られたらの話じゃがな? 異存はあるまい?」

「別に構わないよ」

「あなたたちが、それでいいのならね?」

「よし、決まりじゃな」

「「……」」


 たいした自信だねぇ~?

 まさか……本当に一人で倒してしまうつもりか?


 当然…ヴァグドーが前に出る。

 いつもの布陣。 まずヴァグドーが戦い、取り零した敵をアドーレたちが倒す。 もっとも彼が取り零すことは、まずない。 だけど、あの女神たちが冗談やハッタリを言うわけないだろう。 つまり、あの化物はそれなりに強いはず。 ここで彼が内心、喜んでいる。 本当にあの化物が自分より強いのか? このワシを絶望の淵まで追い詰めることができるのか? このワシの100年間の真価が問われることになる。 遂にこのワシを本気にさせるほどの相手が現れたか? ワシは今―――年甲斐もなく、楽しみで仕方ないわい。


「なんだか師匠、嬉しそうだね?」

「ああ、アタシにも…そう見えるよ…」

「どうやらダーリン、ようやく本気が出せるみたいね?」

「はい、あの化物……女神が呼び寄せただけあって、なかなかの強さを誇っていますからね…」

「へぇ~、ヴァグドーちゃんの本気……かぁ~」

「……緊張します」

「……」


 (ヴァグドー)の後にいるアドーレやシャニルたちも彼の戦いぶりを見学する。 またアポロンやスクルドも彼の姿を見て、動揺・困惑する。


「なんで…あんなに嬉しそうなの?」

「……解らない……」


 そんな女神たちも彼の戦いを見学する。


 まずはヴァグドーと《二兎追うものは、一兎をも得ず》が塔内部中央へ向かい立つ。 ここで遂に彼が、女神の用意した敵と対決することになる。






 《二兎追うものは、一兎をも得ず》

 外見は巨大な白い化物。

 レベル:550・ランク:B

 究極生命体・アルヴァロスのペット。

 攻撃方法:エネルギーレーザービーム・尻尾振り抜き攻撃・サンダーダブルファング。


 巨大な白い化物の左側(ワシから見て)の頭の口から、エネルギーレーザービームがワシに向けて発射する。 もの凄い速度(スピード)と威力を兼ね備えた攻撃じゃ。 喰らえば、普通の人間ならば、ほぼ瞬殺じゃよ。


 ズゥオオオオオオォォォーーーーン、ズドォーーン!


 ワシは避けずに、そのまま受け止める。

 オリンデルスは瞬時に強力なバリヤーを張って、中央で戦うワシ以外で、ここにいる仲間たちをそのバリヤーで守る。


 ブゥーーン!


「……」

「へぇ~」

「ほーう」


 この悪魔神の意外な行動に、思わず驚く女神たち。

 だけど、()()()()()…目の前で起きてる出来事にも驚きを隠せない。 普通の人間ならば、絶対に今の攻撃で死亡していた()()()()()()()ヴァグドーは平然と立っていたからだ。 でも巨大な白い化物の方は、ただ狂暴な顔をしていて、表情は読み取れない。


「ほーう、これはなかなか…」


 巨大な白い化物の右側(ワシから見て)の頭の牙から、サンダーダブルファングがワシに向けて発射する。 もの凄い速度(スピード)と威力を兼ね備えた攻撃じゃ。 当たれば、瞬時に真っ黒焦げになるじゃろうて。


 ピカッ、ガガガガガガァァァーーーーッ、ズドォーーン!


 これも避けずに、そのまま受けきる。

 またしても普通の人間ならば、絶対に今の攻撃で死亡している()()()()()()()ヴァグドーは平然と無傷で立ってる。 ここまで来ると、もはやマグレなどでは片付けられない。 だけど、ここでも巨大な白い化物は、ただ狂暴な顔をしてるだけ。


 ブゥーーン、ドカッ!


 巨大な白い化物が背後にある尻尾を前へ振り抜き、そのままの勢いで、ワシの右側を攻撃する。 その尻尾は、まるで大きなムチのようにしなやかで素早い。 普通の人間ならば、あっさりと吹っ飛ばされて、壁に激突。 全身の骨が砕けておるじゃろうて。 ワシは右腕を盾にして防御して、()()()の尻尾攻撃を受け止める。


「意外にやるではないか…」

「へぇ~」

「ほーう」


 ここまで来ても、まだ女神たちには驚きの表情のみで、どこか余裕みたいに感じられる。

 なおも巨大な白い化物が尻尾をムチ代わりに使用して、どんどんワシに攻撃する。 ワシは両腕を盾にして、()()()の怒涛の攻撃を防御する。


「ほっほっほっ、いいぞいいぞ!」


 ズガガガガガガァァァーーーーッ!


 尻尾をムチの如く、しなやかに素早く振り抜いて、ワシに当ててくる。 ワシも両腕で防御(ガード)して、()()()の強烈で素早い攻撃を軽くいなしていく。 今…ワシは防御に集中しているので、まだ攻撃をしていない。


「「……」」


 そのうち、女神たちも戦況を真顔で真剣に静かに黙って見つめている。


 巨大な白い化物の左側の頭の口から、エネルギーレーザービームが、右側の頭の牙から、サンダーダブルファングが、それぞれ同時にワシに向かって発射された。 左右の頭が同時に攻撃することなど、ほとんどあり得ないことじゃが、よほど慌てているのか、なりふり構っていられない様子。


 ズゥオオオオオオォォォーーーーン、ズドォーーン!

 ピカッ、ガガガガガガァァァーーーーッ、ズドォーーン!

 タッ、サッ!


 さすがのワシでも、()()()()後方にジャンプして後退して避ける。 このワシを後方にジャンプさせて後退させるとは、本当にやるではないか。 あの化物―――


「おっ!?」


 ギュン、バキッ!


 巨大な白い化物の右側の頭が、ワシに向かって素早く首を伸ばしていき、口を大きく()けて、ワシのことを牙で噛み砕こうとする。 ()()()合わせて、ワシが左拳を素早く鋭く顔面に当てる。 いわゆるカウンターである。


「よっ!」


 ヒュッ、バキッ、スタッ!


 さらにワシが、巨大な白い化物の左側の頭の顔面へ瞬時に移動して、素早く鋭く右拳を当てる。 ()()()()、さすがの巨大な白い化物も耐えきれず、思わず後退する。 ワシは再び元の場所に戻る。


 今のところ互角?の勝負を見せるヴァグドーと《二兎追うものは、一兎をも得ず》。 戦闘はまだまだ序盤?である。


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