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絶望老人が異世界転生をしたら、99年間で最強無双になってしまった!  作者: 賭博士郎C賢厳
J.『矢獄関』&『倍獄関』&『弦獄関』編
306/326

291、『女神の巨塔』:1

  ●【No.291】●



 黄金の大型馬車に乗ったヴァグドーたち一行が『矢獄関(やごくかん)』・『倍獄関(ばいごくかん)』・『弦獄関(げんごくかん)』の丁度中心部に来ていた。 ()()三つの関所の巨大な建物のあった場所から、丁度中央にある何もない平地・()()()()()()へ来ていた。 ()()に馬車を停めている。


 ヴァグドーが周囲を見渡す。


「たしか…()()()()()なんじゃが…?」

「?」


 ヴァグドーが「何か」を探している。

 ()()()に疑問に思ったルドルス将軍が彼に声をかける。


「何かお探しですか? ヴァグドー殿」

「…塔じゃ」

「え…?」

「おお、来たか?」


 すると…そこに―――


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴォォォォォォーーーーーッ!!!

 ガゴォン、ドゴォン、ズゴォン、ドゴォン、ガゴォン、ズゴォン―――


 なんと『矢獄関(やごくかん)』・『倍獄関(ばいごくかん)』・『弦獄関(げんごくかん)』で崩落・崩壊した関所の巨大な建物の瓦礫の破片が一斉に()()()()()()へ飛んできて、無数の瓦礫の破片がどんどん合体していき、巨大な塔になっていく。 普通、建物が崩落・崩壊すれば、その建物の瓦礫は地面に落下、そのまま(とど)まるはずなのだが、()()三つの関所の巨大な建物の瓦礫の破片は、そこから今…ヴァグドーたちがいる場所まで一斉に飛んできて、さらにその無数の瓦礫の破片が次々と合体して、一気に巨大な塔となってる。 ()()が彼の言ってた塔なのか?


 ガッチィーーン!


 遂に『女神の巨塔』の完成である。

 もの凄く高く広い塔である。

 しかも、今度の塔は誰でも見えて、誰でも入れる塔となってる。 しかし、入口の所在は不明?


「ヴァグドー殿、これは一体……?」

「これが『女神の巨塔』じゃよ」

「……『女神の巨塔』……?」

()()がワシらの()()()()目的地じゃよ」

「……」


 黄金の大型馬車の目の前に『女神の巨塔』が建っている。 ヴァグドーたち一行が馬車から降りて、その塔を一斉に見上げる。 まさかのヴァグドーの真の目的が、()()三つの関所の巨大な建物の攻略ではなく、この『女神の巨塔』の出現であった。 彼は最初から『女神の巨塔』のことを知っていた? でも一体どこから手に()れた情報なのだろうか? しかも、誰も入口が無いことに気づいていない?


「「うわぁ~~、凄い!」」

「「確かに、これは凄いです!」」

「「なかなかやるわね!」」

「「うわっ、本気(マジ)か!」」

「なるほど、これは確かに凄いです!」

「「へぇ~~っ、本気(マジ)かぁ~~!」」

「やっちまったな……こりゃあ!」

「……」


 みんなが塔を見上げながら、それぞれの感想を()べている。 その中でも、(ヴァグドー)だけが真剣な眼差しで塔を(にら)()ける。 彼はヤる気だ。 しかも、今回の塔は誰でも見ることができる為、カグツチやニーグルン姫たちにも見えている。 でも…入口は見えない。


「師匠、私たちにも見えますよ?」

「ふむ、この塔は関所の建物の瓦礫の破片から建てられた塔じゃから、普通の人間でも見えるんじゃろ?」

「なるほど、そうでしたか」

「へぇ~、そうなのねぇ~」

「私たちでも入れるでしょうか?」

「おそらく入れるじゃろ?」

「おお、そうですか?」

「やったぁー!」

「これは久しぶりの塔・ダンジョンだ!」

「内部構造は一体どうなっているのか?」

「とにかく入ってみればわかるはずだ」

「それでは入りますか?」

「そうね、行きましょうか」

「待て!」

「「「「?」」」」


 初めは全員が塔に入るつもりで、あの塔に向かって行くけど、そこで(ヴァグドー)が慌てて制止する。


「まさか…全員入るつもりか…?」

「はい、そのつもりですが…?」

「なんと!」

「「あの~」」


 そこにアルベルスとアルラトスの二人が声をかける。 もっとも入口が無いことを特に誰も気にしていない様子?


「私たちは遠慮します。」

「ここで皆さんのお帰りをお待ちしてます。」

「ふむ、そうじゃな」

「……」

「ちょっと待った!」


 今度はイトリンが声をかけた。


「俺も行かないぞ! 何故、闘えない俺が塔に入る必要がある。 自殺行為だ!」

「ふむ、そうじゃな」

「……」

「姫様、まさか…姫様もお入りになるのですか?」


 続けてルドルス将軍がニーグルン姫に声をかける。


「ダメなのですか?」

「当然です。 この塔に一体何があるのか解りません。 いかに世界最強のヴァグドー殿が居ても、このルドルス、王様より姫様を預かっている身。 できるだけ危険は最小限に抑えたいのです。」

「……判りました。 それでしたら貴方も当然残りなさい。 貴方は私を護衛する責務があるのですから…」

「よく判っております。 私も姫様と共に残ります。」

「ふむ、そうじゃな」

「……」

「あの~、ヴァグドー様?」


 さらにロンギルスも声をかけた。


「なんじゃ?」

「私も残ってよろしいでしょうか?」

「ふむ、無論じゃ」

「えっ、ロンギルスも残るの?」

「はい、私もまだ死にたくありませんから…」

「えっ、それって…どういう意味?」

「……危険ってこと?」

「はい…この塔もおそらく、先程の塔と同じ類いの塔だと思います。 目に見えるか見えないかの違いしかないと思います。 ここはひとまず様子を見ますね。」

「相変わらず慎重よね?」

「さすがはロンギルスちゃん、ブレないわねぇ~」

「まぁ…それもまたひとつの選択肢ですね」

「ふむ、そうじゃな」

「……」


 ここでアルベルス、アルラトス、イトリン、ニーグルン姫、ルドルス将軍、ロンギルスの六人が残って馬車の中で待機するようだ。 つまり、ヴァグドー、勇者アドーレ、大魔女シャニル、悪魔神オリンデルス、勇者見習いモモネ、上位魔族テミラルス、カグツチ、エクリバの八人が塔に入ることになる。 勇者見習いモモネは父親の悪魔神オリンデルスが守ってくれるだろう。 カグツチとエクリバも上位魔族テミラルスと大魔女シャニルがカバー・サポートしてくれるだろう。 特に問題ないだろう。 これでヴァグドーと勇者アドーレは自由に行動できるはずだ。 これは妥当な線だろう…入口は見当たらないけど…。 いずれにしても…このヴァグドー、ようやく遂に女神との対決が実現するのか?


「よし、入るぞ!」

「「「「はい!」」」」

「は~い♪」

「「ああ」」


 こうしてヴァグドーたち一行の中から『塔突入組』が塔の中に無断に侵入するはずだけど…? とにかくヴァグドーたち『塔突入組』が『女神の巨塔』へ歩いて近づく。


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