26、悪夢なる者
サブタイトルは不気味ですが、主人公たちは大活躍です。
●【No.026】●
夜中、ナトリザの町の隣(西)にある "地獄の村" にヴァグドーたち四人が来てみると、村の入口付近には王国軍の正規の兵士や王国が雇った傭兵などが沢山いて既に戦闘準備をしており、どうやら…これから侵攻するつもりだった様であり、先程ギルド冒険商にいた時に出会ったあの兵士もその中にいた。
それにしても…この "地獄の村" という所は本当に不気味で薄気味悪い所であり、村という事もあって民家や井戸や店などはあるものの、どれも半壊・全壊しており…とても人間が住める所ではない程に荒れていて、夜という事もあって辺りは真っ暗でオマケに濃い霧も発生している為に、村の入口付近からでは…中の様子を見ても視界が悪いので、モンスターらしきモノを確認する事ができない。
先程ギルドで出会った兵士が、ヴァグドーに話しかけてきた。
「おっ やっぱり、あなたたちもここに来たのか!?」
「ふむ、お前さんか…勿論じゃよ。 ワシはどんな敵であろうと…戦いたいのでな。」
「…そうか…ところで、あなたの名前をまだ聞いていなかったな? 是非、お聞きしたい…」
「ふむ、ワシの名前はヴァグドーじゃよ。」
「…ヴァグドー殿ですか… 自分は―――…いえ、ご健闘をお祈りします。 では、自分はこれで失礼します。」
その兵士は敬礼して立ち去っていった。
「師匠…彼はさっき、ギルドで出会った兵士ですね。 …彼も戦うつもりなのでしょうか?」
「なんだか、あの兵士…死亡フラグっぽいね?」
「いいえ、ああいう方はきっと、悪運が強いのでなかなか死なないと思いますよ。」
「ふん、他人の心配ばかりしとらんで、自分の心配をしろ! ワシと共にいたいのなら、せめて雑魚敵ぐらいは倒してくれよ!」
「はい、無論です! むしろ雑魚敵ごときに、師匠の手を煩わせるつもりはありません!」
「は~い、了解よ~♪ ダーリン♪」
「はい、私も頑張ります! やりますよぉ~! ヴァグドー様!」
早速、兵士や傭兵たちが続々と "地獄の村" の中に入っていき、ヴァグドーたち四人も最後の方で入るつもりなのだが、既に村の中心まで進んでいた兵士や傭兵たちの悲鳴や断末魔が、聞こえていて…村中に響いていた。
「うわぁーーーっ!!!」
「ぐわあっ!!」
「ひぃえぇーーーっ!!」
「……この声は兵士や傭兵たちの声……?」
「お? 早速、始まっている様じゃの。 お前さんたちはワシの後ろをついてこいよ…暗いから気をつけるのじゃぞ。」
「はい、判りました。」
ヴァグドーたち四人も遂に "地獄の村" の中に入っていき、村の中心まで行くと…そこに沢山の兵士や傭兵が血を流して地面に倒れて死亡しているのだが、そのそばには鉄鎧を着た骸骨の兵士が沢山いて、剣を持って待ち構えていた。
「さぁ、戦闘開始じゃぞ! 遅れるなよ!」
骸骨兵士共が一斉に襲いかかってきて、ヴァグドーたち四人がこれに応戦、ヴァグドーは【凱封の剣】を取り出して、素早く骸骨兵士の身体を粉砕して倒していて、ガグツチは紅剣をエクリバはムチをそれぞれ取り出して、骸骨兵士に攻撃して倒していて、ロンギルスは攻撃魔法 《フェザーハリケーン》 (中程度威力の竜巻&風の刃) を発動して、骸骨兵士の身体を粉砕して倒していた。
その後もヴァグドーたち四人が骸骨兵士を倒しながら村の一番奥まで行くと、巨大な骸骨の化物が複数人の王国軍兵士と戦っていて、王国軍兵士の方がどんどんと殺害されていた。
「くそ…コイツ…強い…!」
その化物の容姿は、身長が約5m位はある骸骨に赤色の瞳と銀製の鎧を着て、右手には大剣を左手には大槍を持つ、凶悪なモンスターで骸骨兵士の親玉でもある。
「よし、ワシもその戦闘に参加させてもらうぞ!」
ヴァグドーもその戦闘場所に急接近して―――
《巨骨屍騎士》
巨大骸骨に銀鎧を着て、大剣・大槍に激烈炎を吐いて攻撃する。 レベル:93
ヴァグドーは右足で巨骨屍騎士の胸部を蹴り飛ばして、胸骨をへし折った。
ドゴォン! ベキッ!
慌てた巨骨屍騎士が右手の大剣と左手の大槍でヴァグドーに攻撃するが、ヴァグドーには全く通用しなかった。
最後に巨骨屍騎士が激烈炎を吐いて、ヴァグドーに攻撃するが―――
ズゴゴゴォォ!
ヴァグドーは【凱封の剣】を巨骨屍騎士の口めがけて、素早く投げ飛ばしアゴを砕いた。
ガゴォン!
さらにヴァグドーの姿が一瞬消えた。
次の瞬間、ヴァグドーは巨骨屍騎士の顔面に突然現れて、左拳を叩きつけて攻撃して頭蓋骨をへし折った。
ドゴォン! バキッ!
鉄拳一発!!
巨骨屍騎士の身体が粉砕して、地面に散らばっていて…完全に倒されていた。
「ふむ、何という脆い骨じゃな。 まったく…カルシウム不足じゃぞ!」
巨骨屍騎士の戦闘不能。
ヴァグドーは巨骨屍騎士に見事、勝利した。
「まぁ、今回もこんなモンじゃな。」
「素敵~♪ ダーリン♪」
「師匠は本当に凄いですね。 強くて…羨ましいです!」
「最早、戦神…いや、芸術ですよね。 ヴァグドー様の戦闘は…!」
「す、凄い! 彼は一体…何者なのだ!?」
あの兵士もヴァグドーの戦闘を見て、ただただ唖然としていた。
ヴァグドーの戦闘方法は多彩!
でも…剣を投げ飛ばすのは…ちょっと…。