275、三階フロア
●【No.275】●
とある異世界の某大陸にある『魔族の国』の岩山にある『魔雲塔』の中。 そこに勇者ポグルスが、一人だけで塔の内部に侵入。 ここはあの大魔王イザベリュータが支配する大陸と『魔族の国』なのだ。 その大魔王イザベリュータが今、この世界にいない。 何処か違う世界にお出掛け中なのだ。 それでこの『魔雲塔』も今だけは、あの大魔王イザベリュータの管理・監視下に置かれておらず、自由に侵入できるみたいなのだ。
勇者ポグルスが松明を持って、三階フロアを歩く。
勇者ポグルスに仲間がいる。
それがモンスターのブルームスライムとゲル=パンサード・オレンジである。
そんな彼でも魔族や魔物が棲む、この『魔族の国』の『魔雲塔』までやって来た。 ここは大魔王イザベリュータのお膝元である『大魔王城』から程近い岩山にある塔なのだ。 だからいつでも大魔王イザベリュータが見ている塔なのだ。 そんな可愛い彼女も戻ってきたなら、さすがの勇者ポグルスでも大ピンチなのだ。
またこの塔の某所に大魔王イザベリュータ側近の上位魔族がいる。 その上位魔族相手に勇者ポグルスが、果たして勝利できるのか? いずれにしてもたかだかレベル:50程度の実力の勇者ポグルスが果たして、こんな塔を攻略して無事に生還することができるのか?
三階フロアを歩くけど、出てくるモンスターは魔法使いのみ。 それから三階フロアもまた複雑な迷宮や罠とかはなく、二階に下りる階段から四階へ上がる階段までは、何もないただ広い空間があるだけ。 ここまで来ると、ある程度は手抜きダンジョンなのか?
出現する魔法使いは魔悪死ブルー使い・魔悪死レッド使い・魔悪死グリーン使い・魔悪死ブラック使いの四種類。 魔法使いは基本的にあまり強くないので、三階フロアとしては十分なモンスターなんだろう。
そこで登場魔物を少しだけ紹介する。
魔法使い系モンスターは勇者ポグルスも戦闘経験有りだ。
ちなみにこれらのモンスターは、元からこの塔に棲みついているモンスターであり、現在は三階フロアにも出没するらしい。
※ステータスの高さ
A→非常に高い
B→なかなか高い
C→普通
D→少し低い
E→かなり低い
━→なし
1.《魔悪死ブルー使い》
レベル:10
耐久力:E
魔法力:D
攻撃力:E
守備力:D
機動力:E
水属性。
氷系の攻撃魔法を使用する魔法使い系モンスターであり、魔力が尽きると、様子を見るか、逃げ出す。
【アイスアタック】
敵一人に氷の矢をぶつけて攻撃する。
威力:E 魔力:E
【アイスストーム】
敵全員に氷の無数の槍をぶつけて攻撃する。
威力:C 魔力:D
【アイスストーム】は威力が少し高く全員攻撃が可能。 しかし、同時に魔力消費も激しいので、乱発すると、すぐ魔力がなくなる。
主な生息地
魔雲塔.三階フロア→出現率:39%
魔雲塔.四階フロア→出現率:27%
※出現個数:3体
2.《魔悪死レッド使い》
レベル:10
耐久力:E
魔法力:D
攻撃力:E
守備力:D
機動力:E
火属性。
炎系の攻撃魔法を使用する魔法使い系モンスターであり、魔力が尽きると、様子を見るか、逃げ出す。
【フレアアタック】
敵一人に炎の矢をぶつけて攻撃する。
威力:E 魔力:E
【フレアストーム】
敵全員に炎の無数の槍をぶつけて攻撃する。
威力:C 魔力:D
【フレアストーム】は威力が少し高く全員攻撃が可能。 しかし、同時に魔力消費も激しいので、乱発すると、すぐ魔力がなくなる。
主な生息地
魔雲塔.三階フロア→出現率:36%
魔雲塔.四階フロア→出現率:25%
※出現個数:3体
3.《魔悪死グリーン使い》
レベル:10
耐久力:E
魔法力:D
攻撃力:E
守備力:D
機動力:E
風属性。
風系の攻撃魔法を使用する魔法使い系モンスターであり、魔力が尽きると、様子を見るか、逃げ出す。
【ウインドアタック】
敵一人に真空の刃をぶつけて攻撃する。
威力:E 魔力:E
【ストームストリーム】
敵全員に気流の嵐に巻き込ませて攻撃する。
威力:C 魔力:D
【ストームストリーム】は威力が少し高く全員攻撃が可能。 しかし、同時に魔力消費も激しいので、乱発すると、すぐ魔力がなくなる。
主な生息地
魔雲塔.三階フロア→出現率:40%
魔雲塔.四階フロア→出現率:28%
※出現個数:3体
4.《魔悪死ブラック使い》
レベル:10
耐久力:E
魔法力:D
攻撃力:E
守備力:D
機動力:E
闇属性。
闇系の攻撃補助魔法を使用する魔法使い系モンスターであり、魔力が尽きると、様子を見るか、逃げ出す。
【ミストリア】
敵全員が漆黒の霧に包まれて、数ターン幻を見続ける。
威力:E 魔力:E
【ダークネスディメンション】
敵全員が一定時間の間、攻撃不能となる。
威力:C 魔力:D
【ダークネスディメンション】は敵全員が一定時間の間、攻撃不能となるけど、魔悪死ブラック使いに攻撃方法がないため、この隙に逃げ出す傾向がある。
主な生息地
魔雲塔.三階フロア→出現率:35%
魔雲塔.四階フロア→出現率:24%
※出現個数:3体
以上が三階フロアに出現するモンスターだ。
これらのモンスターを勇者ポグルスが難なく苦もなく、あっさりと倒していく。 また背後からついてくるブルームスライムとゲル=パンサード・オレンジも援護射撃してくれる。 それに敵も勝手に逃げてくれるので、結構…楽。 しばらくモンスターを倒しながら何もないただ広いだけの空間をまっすぐ先に歩くと、四階に上がる階段が見えてきた。
「おお、階段か…?」
「やったぁ~♪」
「ガルル♪」
ここでようやく言葉を発した一行。 だがしかし、それと同時にある異変にも気づく。
「あそこにもモンスターが…?」
「むむっ!」
「ガルル!」
丁度階段の手前に魔悪死ホワイト使いがいた。
魔悪死ホワイト使いは大変貴重なモンスターである。
もしかしたら、三階フロアのボスか?
だが…この流れからして、アレも仲間になるモンスターなのか? でも…外見だけで判断してはいけないし、油断してもいけない。
そう思った勇者ポグルスが戦闘準備に入る。
すると―――
「お待ちくだされ! ワシは敵ではない!
攻撃せんでくれ!」
「おおっ!?」
「ややっ!?」
「ガル?」
なんと…魔悪死ホワイト使いも喋った?
おお、話ができるモンスターだ。
「敵ではない…だと?」
「おう、ワシは魔悪死ホワイト使いじゃ。
きっと役に立つから仲間にしてくれ。」
「なんと、この勇者ポグルスの仲間に?」
「おう、そうじゃ」
「その様子だと、仲間の敵討ちに現れた訳ではなさそうだ。 魔法使いのモンスターか…」
「どうじゃ? 魔法が使えるぞ?」
「よし、いいだろう。
面白い組み合わせのモンスターだな。
仲間に入れても問題なかろう。」
「よーし、これでワシも勇者の仲間になったわい!」
「よーし、この勇者ポグルスに続け!」
「うん、わかったよ!」
「ガルルーーッ!」
「おう、行こうか!」
ここに勇者ポグルスは魔悪死ホワイト使いを仲間にした。 いいぞ、このままドラゴン関係の某RPGのように、モンスターを仲間にできる主人公のアレになれるか!? しかし、この勇者には操師の能力も備わっているのか? いずれにしても、これで遂に勇者ポグルスに念願の仲間が増えてきた。
ゲル=パンサード・オレンジの背中にブルームスライムが乗って、その背後に魔悪死ホワイト使いがついてくる状態で、勇者ポグルスの背後をついていき、そのまま四階へ階段を上る。




