25、操師エクリバ:2
●【No.025】●
翌朝、第6の都市 ナトリザの町。
この街も非常に活気があって、多くの人々で賑わっており家も店も多くあるのだが、ヴァグドーたち四人はひとつだけ、この街の異様な光景に気がつく。
それはこの街には、他の街以上に兵士の数が異常に多くいて、アーサンティラル王国軍の正規の兵士が街中を歩いていた。
「……?」
「師匠…この街にいる兵士が他の街に比べても非常に多い様ですが、これは一体どういうコトですかね?」
「あら~ ホントね。 何かあったのかしらね?」
「…何か…事件でも起きたのでしょうか? ヴァグドー様」
ヴァグドーたち四人は情報収集の為に、まずはギルド冒険商を探していた。
ヴァグドーたち四人は、ナトリザの町にあるギルド冒険商を見つけて、中に入っていった。
この街のギルド冒険商の中にも、多くの冒険者で賑わっており兵士も多くいて、このギルドを仕切っている、80代ぐらいの老人男性の主人にカグツチが話しかけていた。
「ふむ、いらっしゃいな。」
「主人…この街には、どうしてこんなに兵士が沢山いるんだっ!?」
「ん? ああ、それはな…ここ最近になって、この街の隣に突如として出現した "地獄の村" の調査や退治の為に、この国は兵士を派遣しとるんじゃよ。」
そこにヴァグドーも主人に話しかけてきた。
「…何じゃと? … "地獄の村" …じゃと?」
「そうなんじゃ! …ん? お前さん…なんだか喋り方がワシと似とるのう?」
「そんなコトは気にせんでいい! それで…その "地獄の村" とは、一体何なのじゃ!?」
「ふむ、この街の西にある…その "地獄の村" に住み着いておる…異形のモンスター共が、夜になると突如として凶暴化して行動を開始するのじゃ。」
「……夜か? まぁ、こういう類いは夜が当然かの?」
「師匠…もしかして今夜、その "地獄の村" という所に行かれるのですか?」
「無論じゃ! ワシはその為にこうやって、色々な街を回っているのじゃからな!」
「やっぱり…そうですよね。」
すると、そこにエクリバが突然、割り込んできていて―――
「ところで、私はステータスを見たいんだけど?」
「ふむ、そうか。 はいよ」
主人はエクリバの前に《ステータスカード》を出してきていて、エクリバは自分のカードを《ステータスカード》の上に置いた。
ピッピッピッ!
エクリバのステータスが表示された。
●・●・●
エクリバ : 操師
レベル : 64
耐久力 :348
魔法力 :386
―――――――――
攻撃力 :305
守備力 :333
機動力 :270
叡知力 :347
幸運力 :272
―――――――――
絶望力 : 80
能力 :【魔物操作】【魔物混乱】【魔物防壁】
●・●・●
「ふ~ん まぁまぁねぇ~♪」
「凄いです! エクリバさんは操師ですか! やりますね!」
「そお? ありがと! ロンギルスちゃん♪」
「へぇ~ エクリバは操師なのか。」
「おい、ロンギルスよ。 操師とはなんじゃ?」
「はい、操師とは…魔物操者のコトです。 魔物…つまりモンスターを操ったり仲間にするコトができる職業です。」
「ほう、それは確かに凄いのう。 エクリバよ」
「ありがと~♪ ダーリン♪」
そこに一人の兵士がヴァグドーたち四人に話しかけてきた。
「もしかして…あなたたちも今夜 "地獄の村" に行くつもりなのか!?」
「……そうじゃが、それが一体何なのじゃ?」
「我々も今夜、あの "地獄の村" にいるモンスター共を調査・退治するつもりだ。 あの "地獄の村" には結界がしてあって、モンスター共は今はまだ…外には出れないのだが、いずれ…破られてしまうだろう。」
「ほう、そうなのか? それでワシらに邪魔をするな…と言うコトなのかの?」
「いや、そうではない。 もし行くならば…あなたたちも気をつけろ…と言うコトだ。 こちら側としても人数が多い方がいいけど、あなたたちまで護ってやる余裕がないからなのだ。」
「ほう、そうなのか? それなら問題ない。 ワシらは自分でなんとかする…大丈夫じゃ。」
「…そうか…では、自分はこれで失礼する。」
その兵士は敬礼すると立ち去っていった。
ヴァグドーたち四人はギルド冒険商を出ていった。
次にヴァグドーたち四人は、この街の肉料理店に行き肉料理をたらふく食べてから、夕方になって宿屋に戻っていった。
その後はヴァグドーたち四人は、宿屋の宿泊部屋で今回の目的である、その "地獄の村" の攻略にむけて、戦闘準備や休息などをしていて、四人がそれぞれ瞑想したりシャワーを浴びたり、仮眠をとったり武器の整備確認などをしていた。
そして、夜の頃合いをみて…ヴァグドーたち四人はナトリザの町を出て、その "地獄の村" の方に向かうのであった。
※絶望老人、戦闘開始なるか?
※ヴァグドー付きの三人の美少女は、役に立つのか?