274、二階フロア
●【No.274】●
とある異世界の某大陸にある『魔族の国』の岩山にある『魔雲塔』の中。 そこに勇者ポグルスが、一人だけで塔の内部に侵入。 ここはあの大魔王イザベリュータが支配する大陸と『魔族の国』だ。 でも大魔王イザベリュータは今、この世界にいない。 何処か違う世界にお出掛け中だ。 この『魔雲塔』は今だけ、大魔王イザベリュータの管理・監視下に置かれておらず、自由に侵入できるみたいだ。
勇者ポグルスが松明を持って、二階フロアを歩く。
勇者ポグルスに魔物の仲間がいる。
彼は魔族や魔物が棲む、この『魔族の国』の『魔雲塔』までやって来た。 ここは大魔王イザベリュータのお膝元である『大魔王城』から程近い岩山にある塔だ。 いつでも大魔王イザベリュータが見てる塔なのだ。 もし彼女が戻ってきたら、さすがの勇者ポグルスも大ピンチだ。
この塔の某所に大魔王イザベリュータ側近の上位魔族が守護している。 その上位魔族に勇者ポグルスが、果たして勝利できるか? また彼女が戻ってくるまでに、この塔を攻略することができるか?
二階フロアを歩くけど、出てくるモンスターはゲル=パンサードだけ。 また二階フロアも複雑な迷宮や罠とかはなく、一階に下りる階段から三階へ上がる階段までは、何もないただ広い空間があるだけ。
出現するモンスターはゲル=パンサード・スカーレットとゲル=パンサード・バイオレットとゲル=パンサード・エメラルドとゲル=パンサード・ブラックの四種類。 ゲル=パンサードとは豹の宝石、あるいは宝石の身体をした豹の魔物であり、さっきのスライムよりは強い。 それでも勇者ポグルスの相手にはまだなれない強さのレベルだ。
そこで登場魔物を少しだけ紹介する。
まだまだ勇者ポグルスの敵ではない。
ちなみにこれらのモンスターも、あの大魔王イザベリュータが珍獣として、二階フロアに置いているだけ。
※ステータスの高さ
A→非常に高い
B→なかなか高い
C→普通
D→少し低い
E→かなり低い
━→なし
1.《ゲル=パンサード・スカーレット》
レベル:7
耐久力:E
魔法力:━
攻撃力:E
守備力:E
機動力:D
火属性。
赤色の宝石の身体を持つ豹。
宝石の身体なので硬そうに見えるけど、実はそれほど硬くない。
牙による噛みつきと鋭い爪の攻撃。 あと口から火を吐く。 豹というだけあって、スライムよりもスピードはあるようだ。
主な生息地
魔雲塔.二階フロア→出現率:56%
※出現個数:3体
2.《ゲル=パンサード・バイオレット》
レベル:7
耐久力:E
魔法力:━
攻撃力:E
守備力:E
機動力:D
水属性。
紫色の宝石の身体を持つ豹。
宝石の身体なので硬そうに見えるけど、実はそれほど硬くない。
牙による噛みつきと鋭い爪の攻撃。 あと口から氷を吐く。 豹というだけあって、スライムよりもスピードはあるようだ。
主な生息地
魔雲塔.二階フロア→出現率:55%
※出現個数:3体
3.《ゲル=パンサード・エメラルド》
レベル:7
耐久力:E
魔法力:━
攻撃力:E
守備力:E
機動力:D
風属性。
緑色の宝石の身体を持つ豹。
宝石の身体なので硬そうに見えるけど、実はそれほど硬くない。
牙による噛みつきと鋭い爪の攻撃。 あと全身を震わせて、真空の刃を放つ。 豹というだけあって、スライムよりもスピードはあるようだ。
主な生息地
魔雲塔.二階フロア→出現率:53%
※出現個数:3体
4.《ゲル=パンサード・ブラック》
レベル:7
耐久力:E
魔法力:━
攻撃力:E
守備力:E
機動力:D
闇属性。
黒色の宝石の身体を持つ豹。
宝石の身体なので硬そうに見えるけど、実はそれほど硬くない。
牙による噛みつきと鋭い爪の攻撃。 あと全身を震わせて、漆黒の霧を放ち幻覚を見せる。 豹というだけあって、スライムよりもスピードはあるようだ。
主な生息地
魔雲塔.二階フロア→出現率:54%
※出現個数:3体
以上が二階フロアに出現するモンスターだ。
それらのモンスターを勇者ポグルスが難なく苦もなく、あっさりと倒していく。 その背後にブルームスライムがついてくる。 しばらくゲル=パンサードを倒しながら何もないただ広いだけの空間をまっすぐ先に歩くと、三階に上がる階段が見えてきた。
「おお、階段か…?」
「あっ、階段階段♪」
階段を見つけた勇者ポグルスとブルームスライムが言葉を発する。 だがしかし、それと同時にある異変にも気づく。
「なんだ…アイツ…?」
「むむっ!」
丁度階段の手前に一匹のゲル=パンサード・オレンジがいる。
橙色の宝石の身体を持つ豹のモンスターである。
もしかしたら、二階フロアのボスか?
見た目や迫力は他のゲル=パンサードとあまり変わらない…よな? だけどゲル=パンサードといえど、外見だけで判断してはいけない。 あんな見た目でもきっと強いはず…。 油断してはいけない。
そう思った勇者ポグルスが戦闘準備に入る。
すると―――
「待って! 彼も敵じゃないよ!
攻撃しないで!」
「何っ!?」
ブルームスライムがゲル=パンサード・オレンジを庇った。
もしかしたら同じモンスター同士、何か通じるものがあるのか?
「敵ではない…だと?」
「うん、きっと彼も仲間にしてもらいたいんだよ。」
「おおっ、やっぱりそうなのか?」
「うん、きっとそうだよ」
「確かに、あの様子だと仲間の敵討ちとかじゃないな。 俺の仲間になりたいか?」
「ガル!」
ゲル=パンサード・オレンジが目を輝かせながら首を縦に振って頷く。
「ほらね。
彼もきっと役に立つよ」
「ふふふ、いいだろう。 どうせ孤独の旅…。
一人寂しく死ぬぐらいなら、モンスターぐらい仲間に入れても問題ない。」
「やったぁーー!
良かったね!」
「ガル!」
「よし、この勇者ポグルスに続け!」
「うん、わかったよ!」
「ガルル!」
ここに勇者ポグルスはゲル=パンサード・オレンジを仲間にした。 これはもはやドラゴン関係の某RPGのように、モンスターを仲間にできる主人公のアレに違いない! 疑いようがない! でも…彼はあくまで勇者……操師ではないけど…? ともあれモンスターとはいえ、勇者ポグルスに念願の仲間が増えた。
ゲル=パンサード・オレンジの背中にブルームスライムが乗って、勇者ポグルスの背後をついていき、そのまま三階へ階段を上る。




