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260、国王の帰還とこれからの事を思う

  ●【No.260】●



 ようやくナギアノ王国の王宮内の玉座の間に棲みつく真のボスモンスター《ケルベロス・オーク》を倒した『天衣無縫』のヴァグドーたち。 倒した《ケルベロス・オーク》の胴体が粉々に砕け散った。 砕け散った胴体のあった場所から漆黒の宝箱がひとつ現れた。 その漆黒の宝箱の中から、小型盾(アイテム)の "ブラックエネルギー・シールド" でもある "ダークギルガメシュ・シールド" が出てきた。 ()()をイトリンに装備させれば、守備力が強化されるみたいだ。


「おお、これが "ダークギルガメシュ・シールド" なのか?」

「はい、これが "ダークギルガメシュ・シールド" ですね。」

「これでようやくイトリンも防御力が上昇して、少しはマシになるだろう。」

「良かったね。 イトリンちゃん♪」


 この "ダークギルガメシュ・シールド" とは、見た目が小型の盾ながら "ブラックエネルギー・シールド" の能力を持つ。 盾としての機能は漆黒のエネルギービームを小型盾に展開させて、その漆黒のエネルギービームであらゆる攻撃から所有者を守る優れた防具である。 盾は軽量化されており、非常に軽い。 また漆黒のエネルギービームの展開範囲が非常に広いため、この "ダークギルガメシュ・シールド" を自分の前面に出せば、大抵の攻撃は(ふせ)げるはず。 しかも、守備力が意外に高い。 初心者でも使用可能であり、非戦闘員でもあるイトリンに装備させれば、それなりに簡単に(ふせ)いでくれる。 ()()()()初心者のイトリンでも敵からの攻撃をある程度はなんとかなると思う。


 真のボスモンスターを倒したヴァグドーたちは玉座の間の扉の外で待機しているカグツチやテミラルスたちと合流。 まだ王宮内に巣食う残りの雑魚モンスター共を一掃。 あとは王国兵士に報告して、彼らは国王やお姫様・イトリンたちの待つあの部屋へ戻っていく。






 ワシらがこの部屋を出てから、約四時間くらい経過した頃に、


「今戻ったぞ!」

「ただいま戻りました。」

「ようやく戻れたか」

「みんなぁ戻ったわよぉ~♪」


 と、ワシらであることを声に出して、この部屋の扉の外から聞かせておくのじゃ。


 ガチャリ!


 それからワシらが部屋の扉を()けて中に入る。


「ふーう、やれやれじゃのう」

「どうもお待たせしました。

 モンスター共は追い払ったので、もう大丈夫だと思います。」

「うん、もう『玉座の間』も『王族寝室』も、他の場所も大丈夫だと思うわよ。」


「おお、そうか! よくやってくれた!」

「どうもありがとうございました!」


 王様やお姫様からワシらに感謝と(ねぎら)いの言葉をかける。


 それでワシらが事の経緯(いきさつ)を説明。 まずザコモンスター共の一掃には成功したこと。 真のボスモンスターが戦闘途中で形勢不利と見るや、すぐに逃亡したこと。 ()()をワシらが追跡しようとすると、潜んでいたザコモンスター共に(はば)まれたこと。 ()()()を勇者アドーレたちが一掃してる間に、ワシが真のボスモンスターを倒したことを説明した。 ちなみに今回入手した "ダークギルガメシュ・シールド" は既にイトリンに渡してある。


 その後で王様がすぐに兵を派遣して、王宮内の見回り確認や清掃・片付けなどを指示した。

 その間に戦闘を終えたワシらがこの部屋でしばしの休憩・待機をして、イトリンが作ってくれたラーメンを食べる。






 やがて兵士たちの見回り確認を終えて、邪悪なモンスター共がいないことを確認。 (善良なモンスターたちは避難場所から所定の場所に戻された) また邪悪なモンスター共が荒らした王宮内も元通りに戻った。


 そこで玉座の間や王族寝室も元通りに綺麗になる。 王様やお姫様や暗殺者の女性も玉座の間へ移動して、ワシらも全員が玉座の間まで移動して、全員入室が許可されたのじゃ。






 これでようやくこの王国の正統な王様やお姫様が玉座の間へ戻り、また無事に生きて玉座に座ることが出来る。 こうしてこの王国は正常に戻っていった。






 ワシらは再び玉座の間の中に入る。


 この玉座の間はかなり広い部屋になる。 天井には大きなシャンデリアが吊るされており、床には赤い絨毯が()かれておる。 左右の壁には王様とお姫様を守る護衛の兵士がズラリと並んで立っておる。


 この玉座の間の奥の方には、ふたつの玉座が並んで置いてある。 ワシらから見て、左側の玉座に王様が座り、右側の玉座にお姫様が座る。 また暗殺者の女性はお姫様の座る玉座の左側に立っておる。 どうやらこれが本来の定位置みたいじゃの。 改めてみると、なかなか壮観な『玉座の間』じゃな。





 まずワシやアドーレやシャニルたちが玉座から少し離れた場所に立っていて、そこから王様たちと話しておる。


「まことに見事だった。 ヴァグドーよ」

「今回のことは本当にありがとうございました。」

「おう、良かったな」

「はい、良かったですね」

「ええ、良かったわねぇ~♪」


 そこから少し離れた場所で、カグツチやロンギルスやエクリバやニーグルン姫たちが四角い椅子に座っていて、その場所からワシらのことを見つめておる。

 またさらに少し離れた場所で、イトリンや悪魔神オリンデルスやテミラルスたちが木で作られた四角い椅子に座っていて、前方にいるワシらのことを見つめておる。


 普通ならこの玉座の間では、王様とお姫様が座る玉座の目の前で謁見してくる者が(ひざまず)いて、(こうべ)を下げてる状態でないといけない。 けど…ワシらは、なんといってもこの王国を魔手から救った程の活躍をしたから、こんなラフな格好で王様たちとの謁見が許されるのじゃ。なかなか凄いモンじゃろ?






 ワシは密かに思う。


 大魔王イザベリュータ配下のボスモンスターのスーパー・オークがこのナギアノ王国の中央部にある王都『マリアスラン』のナギアノ・キングダム王宮内にある『玉座の間』を占拠した。 ()()()をワシらが撃退した。

 これに伴い、ようやく玉座の間を取り戻すことが出来た。 そうなると大魔王イザベリュータの方も黙っていないじゃろ?


 次も必ず何か仕掛けてくるハズじゃ。 仮に何か仕掛けてきても、このワシならば、そのほとんどを撃退できるハズじゃ。 敵が自らこちらに向かって来るなら、いちいちこちらから行く必要がないのじゃ。 それとイトリンには "ダークギルガメシュ・シールド" を渡してあるから、ある程度の防御力は確保できるバスじゃ。


 勿論、その大魔王イザベリュータがこの先どう動くのか、さすがのワシでもよく解らんじゃろうし、相手もバカじゃないだろうし、果たしてこれから一体どうなっていくのか、このワシでも少しは考えざるを得ないじゃろうて。



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