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259、憤怒なる者

  ●【No.259】●



 先陣のヴァグドーが《ケルベロス・オーク》の2つの頭を破壊。 4つある頭のうち、【漆黒刺雷】を吐き出す頭とスーパー・オークの頭が既に破壊され、残りはあと2つの頭のみ。 これにはさすがの《ケルベロス・オーク》も動揺・困惑する。


『『ウゥッ!!?』』

「どんどん行くぞ!」


 そこから(ヴァグドー)が宙に浮きながら更なる攻撃を(おこな)うため、巨大な《ケルベロス・オーク》の2つの頭に急接近。 そこで《ケルベロス・オーク》の方も一つの頭が前に出て、その頭の口から【漆黒烈風】を吐き出し、急接近する彼に対して攻撃する。


 ズババババババァァァァ―――


「つあああああぁぁぁっ!!」


 ズバァァァン、ヒュッ、バキャッ!


『ウゥッ!!?』


 なんと(ヴァグドー)が《ケルベロス・オーク》の吐き出された【漆黒烈風】を右腕一本だけで(はじ)()ばし、そのままさらに高速接近して、先程【漆黒烈風】を吐いた頭の顔面に左拳の一撃を喰らわす。 一瞬で顔面が破壊される。 顔面は鋼鉄で硬いハズなのに、ここでも軽々と素早く殴りつけて破壊した頭が粉々になって砕け散る。


※[内から外へ横に一閃、振り抜いて(はじ)()ばす]


『ウゥッ!!?』

「まだまだ行くぞ!」


 更なる追い撃ちをかけるヴァグドー。

 ここで《ケルベロス・オーク》の脳裏には、激怒よりも恐怖が(まさ)る。 たかが人間ごときが自分の攻撃をことごとく避けきり、あまつさえ自分の鋼鉄の頭部を素手で切断したり破壊するなど、もはや人間の所業ではない。 この力は大魔王か悪魔神の力ではないのか? ここでこのままこの人間と戦い続けることが、非常にマズイことだと認識し始めてきた。 それが憤怒を恐怖が上回る原因である。


 だがしかし、それでも彼は待ってはくれない。


 高速接近して、残り一つ《ケルベロス・オーク》の最後の頭めがけて突進する。 そこで《ケルベロス・オーク》が口から【漆黒火焔】を吐き出し、高速接近する(ヴァグドー)に対して迎撃する。


 グゴゴゴゴゴゴォォォォォーーーーーッ!


「ふふふ」


 サッ!


『ウゥッ!!?』


 なんと空中で自分の方に向かってくる【漆黒火焔】までさえ、軽々と素早く避けてしまう。 避けながら突進するため、もう既に彼の拳の射程内に入ってしまった《ケルベロス・オーク》の残り一つ・最後の頭。


「?」


 ウオオオオオオオォォォォォ―――


 その時になって、ようやく姿を()していた雑魚モンスター共が一斉にヴァグドーに襲いかかる。


「おお、雑魚モンスター共の到来じゃな」


「そいつらはボクたちに任せて下さい」

「お待たせヴァグドーちゃん」

「救援に来てやったよ」

「おお、お前たち来たか」


 そこですぐに(ヴァグドー)が襲ってくる雑魚モンスター共に対して対応するが、ここから遂に勇者アドーレや悪魔神オリンデルスたちも追いついて彼と合流。 すぐさまヴァグドーの援護・防衛に入る。



「【ストリンガー・ドラグーンソード】」


 勇者アドーレが八本の黄金の剣を(たく)みに駆使して、それぞれ黄金の剣が全方位同時自動追尾で雑魚モンスター共に攻撃。 それでどんどん雑魚モンスター共を倒していく。



「【神納覇(しんのうは)()()()()】」


 悪魔神オリンデルスが両手の(てのひら)から漆黒の衝撃光線を発射させて雑魚モンスター共に攻撃。 それでどんどん雑魚モンスター共を倒していく。



「【炎刹(えんさつ)氷灰塵(ひょうかいじん)】」


 大魔女シャニルが左手の(てのひら)から炎系エネルギー光線を発射させて雑魚モンスター共に攻撃。 続けて右手の(てのひら)からは氷系エネルギー光線を発射させて雑魚モンスター共に攻撃。 それでどんどん雑魚モンスター共を倒していく。


※[【炎刹(えんさつ)氷灰塵(ひょうかいじん)】は魔法ではない]



 アドーレたちが雑魚モンスター共を相手してる間に、ヴァグドーがどんどんと《ケルベロス・オーク》に迫ってくる。 ()()()()()《ケルベロス・オーク》が彼に背を見せて逃亡。 真のボスモンスターなのに逃亡とは、通常のゲームでは絶対にあり得ない行為。


「ほぉーーほほほぉーーっ!

 行くぞっ! とどめじゃああっ!」

『ウゥッ!!?』


 それでも(ヴァグドー)移動速度(スピード)が速すぎて、あっという間にあっさりと《ケルベロス・オーク》の最後の頭の後頭部に追いつき、彼が右拳に力を込める。 その右拳からは妖しく禍々しい漆黒の邪悪闘気が少し放たれた。


 グアッ、ヒュッ、バキャッ!


『ウゥゥゥオオオオオオオオオオォォォォ―――』


 そのヴァグドーの漆黒の邪悪闘気をまとった右拳が見事に《ケルベロス・オーク》の最後の頭の後頭部にクリーンヒットする。 一瞬で鋭く右拳を後頭部に当てる。 当然ながら後頭部も鋼鉄で硬いハズなのに、ここでも軽々と素早く後頭部を殴って破壊する。 殴りつけて破壊した頭が粉々になって砕け散る。



 ここで遂に《ケルベロス・オーク》の4つの頭がヴァグドーによって破壊された。


『―――オオオオオオオオォォォォォーーーーーーッ!!!』


 辺り一帯に《ケルベロス・オーク》の断末魔が響き渡り、そして消えた。


「ほぉーーほほほぉーーっ!

 大勝利じゃな!」

「ようやく勝ちましたか」

「さすがはヴァグドーだな」

「はぁー、これで一安心だね♪」


 最強のヴァグドーが《ケルベロス・オーク》を倒した頃には、もう既にアドーレたちも雑魚モンスター共を全て倒していた。 そして全ての頭を失った《ケルベロス・オーク》の胴体が粉々に砕け散った。


※[真のボスモンスター《ケルベロス・オーク》が『天衣無縫』によって倒され、見事にヴァグドーたち『天衣無縫』が勝利する]






 粉々に崩れ去った胴体の中から、なんと漆黒の宝箱がひとつ現れた。 ようやく()()が入手できるはず。 だけど宝箱にはカギが掛けられており、普通に()けることができない。 そこでこの宝箱の中身が一体何なのか、先に確認しておきたい。


「シャニルよ」

「はいは~い、お任せぇ~♪」


 シャニルが漆黒の宝箱の目の前に立つ。


「行くわよぉ~♪」

「おお!」

「宜しくお願いします」

「………」


 そのシャニルが右手をかざして、漆黒の宝箱の方に向けた。 シャニルの右手が少し鈍く光り出し、漆黒の宝箱を照らす。


 サッ、ボォーウ!


 その様子をヴァグドーたち三人が静かに見守ると、突然シャニルが何か小声で言い出した。


 ―――ぶつぶつ

「【マスタークイーンスピリット】」


「「「……」」」


「少しお待ち下さい」


 意外に男三人が終始黙ってる。

 まぁ…元からこの三人は無口な性格なので、あまり関係ないけど。


 だけどシャニルの方はまだ何かをぶつぶつ言ってる。



 そこから少し時間をおいて、またシャニルが話し出す。


「……わかったわ」


「「「!」」」


 ★[危険度:1]

 ★[状態:青]

 ★[ランク:B]


「この宝箱に危険はないわね。 これなら()けても大丈夫だと思うわ」


「よし、それならOKじゃ!」

「それは良かったです」

「まさか倒しておいて、まだモンスターが出現する訳ないよな?」

「大丈夫。 この宝箱にモンスターは居ないわ」

「ふむ、そうか」


「それでどうやって()けるの?

 ヴァグドーちゃん」

「ほほほ、これを見よ」

「あら」「おお」「ほーう」

「それでは()けるぞ」


 そう言って彼が漆黒のカギを取り出した。 そう、ヴァグドーはしっかりと漆黒のカギを持っていた。 すぐに漆黒のカギを使用して漆黒の宝箱のフタを()ける。


 ガチャリ!


 その漆黒の宝箱の中には漆黒の小型盾が入ってた。


「おお、これじゃな」


 この盾は "ブラックエネルギー・シールド" という能力を持つ盾であり、その名も『ダークギルガメシュ・シールド』という。


 ♪ヴァグドーは『ダークギルガメシュ・シールド』を手に()れた♪






※この【マスタークイーンスピリット】とは、相手の精神や頭脳などの特殊な攻撃を、そのまま相手に反射させて迎撃する能力。 それを応用した()()で宝箱の中身の危険度・状態・ランクを、そのまま自分の頭脳に反射させて認識させる。


 ★[危険度:1]

  この宝箱の危険性は一番低い。

 ★[状態:青]

  この宝箱にモンスターは居ない。

 ★[ランク:B]

  この宝箱のアイテムのランクを表す。


※使用者:大魔女シャニル。


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