表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
絶望老人が異世界転生をしたら、99年間で最強無双になってしまった!  作者: 賭博士郎C賢厳
※新章閑話:イトリンの章
270/326

09、イトリンのステータスを確認

  〇【No.009】〇



 戦闘担当のヴァグドーさんたちが王宮の「玉座の間」にいると思われる敵の討伐へ向かう為、この小さい部屋を出ていった。



 この小さい部屋に、お姫様が二人いる。



 一人目はニーグルン姫様。 彼女もスゴく美人だけど、残念ながらあんまりときめかないようだ。 そのニーグルン姫様もヴァグドーさんのことが好きらしい。

 もう一人はマリアスラン姫様。 俺がラーメン以外でときめいてしまった絶世の美女であり、俺が一目惚れしてしまった姫だ。




   ━・ー●ー・━




 この部屋では食事とか、一体どうしてるんだろうか?

 こんな部屋じゃぁロクに料理も出来ないだろう?

 部屋の片隅にある椅子に座り、考える俺。




 この部屋では食料を調達するのも大変そうだけど、ここの兵士たちが食事を持って来るのかな? これが王族が食べる料理なのか? でも、それは仕方ないことだ。 こんな所では―――


 この王宮の調理場も、モンスターどもに()られてしまい、今まで調理していた料理人も逃げてしまい、マトモな料理が作れないでいる。


 それを見かねた兵士や暗殺者の女性たちが、王様やお姫様の不憫を苦慮している。


 だけど王様もお姫様も文句は言わない。 現在(いま)の状況をよく理解してるからだ。 あの強力モンスターどもがいなくなれば、また元の生活に戻れるだろう。 だから、それまでしばらく我慢するしかないのだ。


 気の毒だけど、こればかりはヴァグドーさんたちに任せるしかない。 俺には戦闘など出来ないのだから。




   ━・ー●ー・━




 椅子に座る俺の目の前に、ニーグルン姫様がやって来て俺に話しかける。


「あのぉ~、イトリンさん」

「はい、何でしょうか? 姫様」

「また、あのチャーハンが食べたいのですけど…」

「はい、いいですよ」

「では宜しくお願いします。 イトリンさん」


「!!?」


 そんな話を聞いた暗殺者の女性が、マリアスラン姫様に小声で耳打ちして、今度は俺の目の前・ニーグルン姫様の隣へやって来た。


「あのぁ~、料理って、()()でも作れるんですか? イトリンさん」

「えっ、ええ…調理器具や食材や食器は、俺が持ってますんで、料理するスペースさえあれば、一応何処(どこ)でも…」

「す、凄い!!」

「……はぁ?」

「それでは、ぜひとも王様やお姫様にも作って頂けますか? イトリンさん」

「はい、別に構いませんよ」

「どうもありがとうございます!」


 そう言って俺が立ち上がる。 部屋の片隅のスペースを利用して、調理器具・食材・食器など、チャーハン作りに必要なモノを『アイテム収納ボックス』から取り出して、すぐに調理する。

 もう既に何度も作っているので、さすがに手際よく、何人分だろうと約5分くらいで、すぐにチャーハンが完成した。


 小さい部屋のテーブルの上に、ここにいる人数分のチャーハンを置いて、テーブルには王様やお姫様や暗殺者の女性たちの他に、ニーグルン姫様やルドルス将軍やモモネちゃんたちも椅子に座る。


「どうぞ、召し上がれ」

「「「いただきます」」」


 お腹をすかせてチャーハンを食べるニーグルン姫様やルドルス将軍たちからは、相変わらず「美味しい」と絶賛される。




 そんな中、お姫様が俺に問いかけた。


「あのぁ~、これは……?」

「はい、チャーハンです」

「……チャーハン……?」


「はい、姫様。 このレンゲというモノで、チャーハンを(すく)い上げて―――」


 隣に座る暗殺者の女性が、お姫様に食べ方を教える。

 お姫様が暗殺者の女性の言われた通りに、チャーハンを食べてみる。




 するとここで―――


「どうですか? 姫様」

「お、美味しい……です!」

「こ、これは……うまい!」


 俺が作ったチャーハンを食べた王様やお姫様からも、この未知の食べ物に「美味しい」と驚愕・絶賛してくれた。 まずチャーハンをマズイと言うヤツも、あまりいないだろうけどね。




   ━・ー●ー・━




 あのナギアノ王国のお姫様『マリアスラン』が俺の作ったチャーハンを食べてる。


「はい、美味しいですね? 姫様」

「凄く良い味ですよ、この料理!」

「ああ、味のバランスがいいというか、なかなかうまいぞ! この料理」


 俺の作ったチャーハンを美味しそうに食べてる王様とお姫様は、この世界には存在しないハズの不思議な食べ物を存分に堪能する。




 するとここで王様が俺に話しかけた。


「君は料理人なのか?」

「いいえ、違います。 王様」

「―――ん? 違う?」

「えっ、違うのですか? イトリン殿」

「はい、俺はただの冒険者であって、正式に料理人ではありません。」

「そ、そうなのですか?」

「いや、そんなハズは―――」


 王様とお姫様がお互いに顔を見合わせる。


「正直いって、異世界(ここ)に来てからまだ日も浅く、ここでの決まり事とかシステムとかいまいちよく解りません。 なので…まだまだただの冒険者だと思われます。」

「「………」」

「もし料理人になる為に、何か試験とか資格とか必要ならば、それを受けて合格しないといけないですよね?」


 そこで王様が俺の問いに答えた。


「いや、料理人になるのに試験とか資格とかはない。 ちなみに "ギルド冒険商" に行き、職業を希望するところに "料理人" を希望すれば、いつでも君は料理人となれるハズだ。」

「えっ、そうなのですか? そんな単純な作業で……?」


 そこに暗殺者の女性が王様の問いの答えに付け加える形で答えた。


「はい、その通りです。 ですが…イトリン様のここでの身分の手続きは、もう既に終了しております。」

「えっ、そうなの?」

「はい、ヴァグドー様がイトリン様のお名前登録の際に、もう既にイトリン様の身分とステータスが決定されております。 ちなみに名前以外でしたら、いつでも変更可能です。」

「へぇ~、そうなのかぁ~。 ちなみに俺のステータスって、どうやって見れます?」

「はい、普通は "ギルド冒険商" のステータスを見る専用機があるので、そこで―――」


 そこに俺が()()()()に気がつき、暗殺者の女性の説明を(さえぎ)った。


「ちょっと待って! これは―――」

「……はい?」


「これは―――もしかして……」


 俺の視界の左下端に「★」マークがある。

 これはまだ押してないぞ。 これはもしかして俺のステータスが表示されるんじゃないのか? 試しに、その「★」マークを目で押してみた。




 俺の目の前に、"イトリン" のステータスが表示された。



●・●・●


イトリン :調理師

レベル  :  1

耐久力  : 18

魔法力  :  0

―――――――――

攻撃力  :  5

守備力  :  7

機動力  :  6

叡知力  :  9 

幸運力  : 36 

―――――――――

絶望力  :100

能力   :『アイテム収納ボックス』【ラッキーボーヤ】

●・●・●




 やっぱりこれか。


「なんだ、これは?」


 これが現在(いま)の俺のステータスなのか? 基本的に戦闘してないので、まだ経験値も得られず、未だにレベル1だということは…よくわかった。 だけど…幸運力だけが少し高くないか?

 あと能力欄にある【ラッキーボーヤ】って、一体何なんだ?


 とはいえ、これでようやく自分のステータスを確認することができた。

 これなら、いちいち "ギルド冒険商" まで行かずに済むし、俺のステータスは常時自動更新されてるみたいで、結構便利だぞ。



 あとはヴァグドーさんたちの帰りを待つだけだ。



今回もイトリン回です。


タイトル『糸井久信(イトリン) ~絶望老人が異世界転生をしたら、外伝~』の別ヴァージョンを追体験。 今回も内容が一変されてる。 見比べてお楽しみ下さい。


それとブクマ・感想・評価・いいね等ありましたら、是非宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー cont_access.php?citi_cont_id=676877153&size=135
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ