249、ドラゴン共の裏切り?
●【No.249】●
なんと『悪魔神モドキ』が『堕神坊ベルシェールトン』と《クリスタル.エルフニア.ノヴァドラゴン》と《クリムゾン.エルフニア.ノヴァドラゴン》の周囲を四方八方・全方位同時に突然出現する。 それはまるで自分の姿の残像を残したまま、次の自分の姿の残像を作り出し、あたかも超高速で行動してるように見える。 この『堕神坊ベルシェールトン』と《クリスタル.エルフニア.ノヴァドラゴン》と《クリムゾン.エルフニア.ノヴァドラゴン》の周囲に『悪魔神モドキ』の姿が無数に出現しており、『堕神坊ベルシェールトン』も《クリスタル.エルフニア.ノヴァドラゴン》も《クリムゾン.エルフニア.ノヴァドラゴン》も目が回る程に『悪魔神モドキ』の姿を目で追ってる。
シュッ、シュッ、シュッ、シュッ!
「こ、これは……?」
『そ、そんなバカなぁ?』
『は、速すぎるぞぉ?』
「ま、まさか……?」
そこで『堕神坊ベルシェールトン』がキョロキョロ周囲を見回す。 ある事を警戒している。
それは【隠密隠蔽光弾】の存在である。
技を放つ時の轟音で、一体何処から飛んでくるのかわかるので、一見して避けやすい技だけど、別の意味でいえば、この技は非常に厄介な技でもある。
その【隠密隠蔽光弾】が四方八方・全方位同時に、『堕神坊ベルシェールトン』や《クリスタル.エルフニア.ノヴァドラゴン》や《クリムゾン.エルフニア.ノヴァドラゴン》に向けて無数に発射される。
ズガガァァーーーン!!
ズガガァァーーーン!!
ズガガァァーーーン!!
ズガガァァーーーン!!
まさに四方八方・全方位同時に無数の【隠密隠蔽光弾】が『堕神坊ベルシェールトン』と《クリスタル.エルフニア.ノヴァドラゴン》と《クリムゾン.エルフニア.ノヴァドラゴン》の所まで飛んでいく。
「ちっ!」
『おのれっ、悪魔神モドキめ!』
『こんなことがぁ!』
そこで『堕神坊ベルシェールトン』たちも迎撃に移る。 両手を身体の前方に突き出して、右拳からは激烈の炎の砲撃【激烈神炎砲】を左拳からは極寒の氷の砲撃【極寒神氷砲】を、それぞれ向かってくる【隠密隠蔽光弾】の方へ向けて同時に発射させる。
「ちっ、迎撃しろ!
【激烈神炎砲】【極寒神氷砲】!」
ズバァァーーーン!
ズドォォーーーン!
その【激烈神炎砲】に当たった【隠密隠蔽光弾】が燃え尽きる。
その【極寒神氷砲】に当たった【隠密隠蔽光弾】が凍りつく。
さらに《クリスタル.エルフニア.ノヴァドラゴン》が口から【光輝く吹雪】を吐いて、そのまま向かってくる【隠密隠蔽光弾】の方へ向けて迎撃する。
『おのれっ! 凍りつけ!』
ズゴゴゴォォォーーーッ!
その【光輝く吹雪】に当たった【隠密隠蔽光弾】が凍りつく。
続けて《クリムゾン.エルフニア.ノヴァドラゴン》も口から【灼熱の火焔】を吐いて、そのまま向かってくる【隠密隠蔽光弾】の方へ向けて迎撃する。
『チクショウゥッ! 焼き尽くせ!』
ズドドドォォォーーーッ!
その【灼熱の火焔】に当たった【隠密隠蔽光弾】が燃え尽きる。
ここまで来て、あの『堕神坊ベルシェールトン』と《クリスタル.エルフニア.ノヴァドラゴン》と《クリムゾン.エルフニア.ノヴァドラゴン》が四方八方・全方位同時に攻撃してくる【隠密隠蔽光弾】を迎撃する。
それでも【隠密隠蔽光弾】の集中攻撃は止まらない。
まさに『悪魔神モドキ』が攻撃し、『堕神坊ベルシェールトン』と《クリスタル.エルフニア.ノヴァドラゴン》と《クリムゾン.エルフニア.ノヴァドラゴン》が迎撃する構図になる。 それをただ繰り返す。
この激しく厳しい状況に、さすがの『堕神坊ベルシェールトン』と《クリスタル.エルフニア.ノヴァドラゴン》と《クリムゾン.エルフニア.ノヴァドラゴン》も焦り始めて苛立つ。 このままでは【隠密隠蔽光弾】が命中して、大ダメージを受けるからだ。
「チクショウゥゥゥッ!!」
『このままでは我々は―――』
『―――殺られる!』
「そんなことは判っている!
だが、これを一体どうするッ!?」
『簡単なことだ。
相手は一人。 我々は三人。
ここは三人バラバラに行動すれば―――』
「ば、バカなぁ!
一体何を言い出すッ!?
アイツの標的はこの私なのだぞッ!
そんなことをすれば、この私がヤツの攻撃を受けることになるぞッ!」
『悪く思うな』
『我々は助かりたいんだ』
「お、お前たち、裏切るつもりかッ!?」
『誰だって、自分の命の方が大切なハズだぜッ!』
『その通りだぜッ!
貴様とて例外ではあるまい!』
「お、おのれぇーーッ!
この裏切り者共がぁーーッ!」
『『……』』
ササッ!
そこで《クリスタル.エルフニア.ノヴァドラゴン》と《クリムゾン.エルフニア.ノヴァドラゴン》が『堕神坊ベルシェールトン』を見捨てて、それぞれ左右に回避して、かなり距離をとる。 ここで『堕神坊ベルシェールトン』が一人となり、四方八方・全方位同時で無数に飛んでくる【隠密隠蔽光弾】の餌食になる。
「チクショウゥゥゥォォォオオオオーーーーッ!!!」
ズドドゴゴォォォーーーーッ!!
遂に『堕神坊ベルシェールトン』が【隠密隠蔽光弾】をまともに喰らったか?
「……」
『『……』』
ブウウウゥゥゥ―――
―――と思ったら、なんと『堕神坊ベルシェールトン』の身体から白銀のバリヤーが張り巡らせていて、咄嗟に辛うじて【隠密隠蔽光弾】の直撃を防いだ。
「ハァー、ハァー、ハァー、ハァー」
とはいえ、その白銀のバリヤーを使用したお陰で、かなりの体力・魔力を消費しており、耐久力と魔法力を著しく低下している。
そこにようやく『悪魔神モドキ』が立ち止まって姿を現す。
「さすがにしぶといな」
『『チッ!』』
「ハァー、ハァー、ハァー、ハァー」
「どうだ?
今回は悪魔神ヴォグゲロルス復活は諦めて、悪魔神トニトリエクルス復活に邁進してみては?」
「ふざけるな!
断る!」
「そうか、残念だ。
そこのドラゴン共、お前たちはどうする?」
『我々は悪魔神なら、誰だろうと構わない。』
『我々は悪魔神の誰かに、特にこだわりはない。』
「な、何ッ!!?
き、貴様ら……私だけでなく、悪魔神ヴォグゲロルス様をも裏切るつもりかッ!?」
『『……』』
「ハハハ、やっぱりな。
そこのドラゴン共は、それほどまでに悪魔神復活に積極的ではなかったのだ。
ハハハ、要は悪魔神であれば、誰でもいいのだ。」
「クソッ、そんなバカなぁ……」
『『……』』
「つまり、お前さえ倒してしまえば、それでいいということになるな」
ここまで来て、ドラゴン共の裏切りで窮地に陥る『堕神坊ベルシェールトン』だが、果たしてここから一発逆転の勝機・策略があるのか?
所詮はいつまでもドラゴンは身勝手な存在なのだ。




