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絶望老人が異世界転生をしたら、99年間で最強無双になってしまった!  作者: 賭博士郎C賢厳
A.アーサンティラル王国編
25/326

21、側近なる者

危険人物、登場するが…?

  ●【No.021】●



翌日、タールハジャルの町ではヴァグドーたち三人が、夜になる前に "地獄の翼" から出現するであろう、強力で凶悪なモンスターを攻略する為に色々と準備をしていた。


カグツチは前日での主人とアミラとのやりとりが、どうしても気になったので主人に事情を聞いてみると、この街の上空に浮かんでいる "地獄の翼" とは実は魔族の「ベドゼルス」と呼ばれる者の翼であり、なんと人間の女性であるアミラを自分の妻にしようとしていたのである。


それを断れば……街の殺戮・破壊をすると言う。


そして今夜、アミラを自分の花嫁にする予定であるようだ。


カグツチとロンギルスの二人は、この身勝手で自己中的なやり方に怒りを覚えていたが、ヴァグドーには何の感情も感じていなかった。


ヴァグドーの目的はあくまでもただひとつ、ベドゼルスの打倒であるからだ。





夜になり街の中央広場では、多くの人間が集まっていて、そこに花嫁衣装を着たアミラが哀しい顔をして現れており、ヴァグドーたち三人もその中央広場にいて、ベドゼルスの登場を待っていた。


今度の敵は上位魔族のAクラスの爵位を持ち、大魔王(Sクラス)の側近の一人でもあり、人間の力ではとてもではないが、倒せる相手ではない。


普通ならば恐怖でビビってしまう相手なのだが、ヴァグドーは強敵の出現に喜びと楽しみを隠しきれないでいて、強敵を相手に危機(ピンチ)や絶体絶命などの絶望を味わいたいのである。





    …やがて…

  大きな翼が小さくなり


―――遂にベドゼルスが中央広場に降りてきた。

その容姿は身長がヴァグドー位であり上半身と翼は紫色で下半身と尻尾は黒色で瞳は赤色の人型の姿をした化物である。


アミラを見ていたベドゼルスが―――

「おお、美しい! まさに俺様の妻に相応しい!」

「………」

「さぁ、アミラよ! 今すぐに結婚式を挙げよう!」

「………」

「どうした? アミラよ、涙など流してそんなに俺様との結婚が嬉しいのか?」

「……はっ!?」

アミラは思わず泣いてしまった様で、慌てて涙を拭いた。


「ふははは、本当に可愛いヤツよ。 アミラは…さて、結婚式を始める前に生け贄を用意しようか?」

「……生け贄っ!!?」

アミラは驚愕していた。

「ああ、そうだ! 我が魔族では結婚式を行う際には、人間の頭を(まつ)って行うのがしきたりでな。」

「そ、そんなぁっ!!?」

アミラがまた泣きそうである。


「ふふふ、心配しなくていいよ。 この街の人間には手は出さないよ。 今から何処か他の人間を見つけてこよう。」


 チャンスじゃ! ここじゃ! ここが戦える絶好の好機(チャンス)なのじゃ!


「ワシがなろう!!」


ベドゼルスがその声に気づいて後ろを振り向くと、そこにヴァグドーが中央広場の中心(ベドゼルスの真後ろ)で腕組みして立っていた。


「……っ!?」

「ワシがその生け贄とやらになろう! 見ての通りこの街の人間ではない。 ただの旅の者じゃ。」

「………」

「どうした? 何故、急に黙っている? こうして名乗りでてやったのに?」


「……っ!!」

(なんだ!? この人間は!? バカな!? あの大魔王様と同等……いや、それ以上のパワーを感じる!?)

ベドゼルスは魔族のカンとも呼べる今までにない異常なまでの危機察知能力をヴァグドーから感じていた。


「……貴様…何者だ…?」

「お? やっと喋ってくれたか? だが、これから首を斬ろうとしている人間の名前を聞こうとは……なかなか面白い魔族だのう。 まぁ、よいわい」

「………うっぐっ…」

ベドゼルスは冷や汗をかいて焦っていた。



 この異常な光景―――

本来ならば、余裕と自信に満ち溢れている筈の上位魔族(ベドゼルス)がひどく動揺し怯えており、脆弱で無力で怯えている筈の人間(ヴァグドー)がむしろ余裕と自信に満ち溢れている様に見えていた。



「ほれ、どうした? 早くワシの首を斬らんのか? それでは結婚式が出来ないぞ!?」

「……うぐぅっ…!」

ベドゼルスは決意してヴァグドーの首を切断しようと攻撃してきた。





    《ベドゼルス》

上が紫色で下が黒色の翼と尻尾がある身体の上位魔族で、地獄魔死弾で攻撃する。 レベル:260


ベドゼルスは右手刀でヴァグドーの首を切断しようとしたが、ヴァグドーには全く通用しなかった。


続いてベドゼルスが、今度は左拳でヴァグドーの顔面を殴り攻撃してきたが、これもヴァグドーには効果がなかった。


ヴァグドーは右足でベドゼルスの腹部を蹴り飛ばした。


 ドゴォン!


「くっ くそ! おのれ!」

慌てたベドゼルスが、上空に上昇して両手で赤紫色の破壊エネルギーの球体を造って、ヴァグドーの方に投げつけて攻撃してきた。


「死ね!! 地獄魔死弾!!」


 ドッカァン!


大爆発が起きたが、ヴァグドーの姿が一瞬消えた。

次の瞬間、ヴァグドーはベドゼルスの背後に突然現れて、左肘を背中に叩きつけて攻撃した。


 ドゴォン!


鉄肘一発!!

ヴァグドーの攻撃はとにかく強烈で非常に重い。


「そんな…バカな…!!?」


ベドゼルスは落下して、地面に叩きつけられてその場で倒れていて、どうやらヴァグドーの一撃でベドゼルスは気絶してしまったようだ。


「ん? なんじゃ? 魔族とはこの程度なのか?」


ベドゼルスの戦意喪失。

ヴァグドーはベドゼルスに見事、勝利した。




なんと!!

遂にヴァグドーが上位魔族の打倒に成功してしまった!!


この出来事にカグツチやロンギルス、アミラたち街の人達は無言でポカーンとしていて、ただただ唖然としていた。




遂に魔族を粉砕!!

絶望老人、なんという強さだ!!


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